▼第9試合 K-1 WORLD GP女子フライ級タイトルマッチ 3分3R延長1R
×KANA(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
判定0-3 ※29-30×3
〇アントニア・プリフティ(ギリシャ/Fight Club Galatsi/Theofanous Elite Team)
※プリフティが新王座に就く。KANAは4度目の防衛に失敗。
KANAは小学生で空手を始め、高校・大学時代には陸上でも活躍。大学卒業後にK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの門を叩き、2015年9月にプロデビュー。第2代・第4代Krush女子フライ級王座に就き、2018年3月にK-1デビュー戦を果たす。2019年12月に「初代女子フライ級王座決定トーナメント」で優勝して初代王座に就いた。2020年11月、壽美にvs.日本人初黒星を喫し、その後は怪我の治療で長期欠場を余儀なくされたが、2022年2月に復帰。6月のスーリ・マンフレディ戦から外国人を相手に4連続KOをマークし、3度の防衛に成功している。戦績は22勝(11KO)3敗。
プリフティはキックボクシングで21勝(5KO)2敗1分の高い勝率を飾り、並行してMMAでは4戦(2勝1敗1分)のキャリアを持つ二刀流ファイター。これまでにWKUとVendettaの2団体で-57kgの世界王座を獲得。WKU -55kgギリシャ王者にもなっている。そこからK-1フライ級(-52kg)に落としてどこまで動けるかがカギとなるが、KANAより6cm高い166cmの長身とパワーは脅威となるだろう。ファイトスタイルは、とても攻撃的で左右のフック連打は“ハリケーン”の異名が付く通り回転が止まらないほど強力。前蹴りで自分の距離を作り、パンチの連打に持ち込むのが必勝パターンだ。相手を恐れずに前へ出ていくスタイルは、なかなか止められないのではないか。22歳。
1R、KANAはステップを踏みながら出入りをして左フック、右ロー。プリフティも右ローを返し、右フックを狙ってくる。KANAが飛び込むと同時にジャブを突き刺し、左フックも繰り出す。体格で上回るプリフティはヒザを突き上げ、KANAが打って来ると右フックで迎え撃つ。プリフティの左フックがヒット、KANAが左ローを蹴るとプリフティは左フック。ワンツーから右ミドルを繰り出すプリフティにKANAが終盤に左右フックのラッシュを仕掛ける。KANAの事前の予想通り、プリフティの体格的有利とフィジカルの強さが目立った。
2R、上から打ち下ろすような左右フックを繰り出すプリフティだが、KANAは下がらず左右フックから右ミドルにつなげる。KANAの矢のようなジャブに仰け反るプリフティだが、左フックでKANAの頭が揺れる。プリフティの左フックを被弾する場面が目立つKANA。それでも前へ出て左フックを打っていくKANAだが、プリフティの長いリーチから繰り出されるワンツー、左右フックをもらってしまう。右ストレートからの連打にKANAの手数が止まる。プリフティの長い距離に苦しむKANAだが、KANAの右カーフに動きが鈍りKANAの左右フックがヒット。
3R、前に出るKANAが距離を詰めて右カーフから左右フックの連打。プリフティもねじ込むような右ストレートを放つ。前に出るKANAを前蹴りとヒザで止めようとするプリフティだがKANAは止まらず前へ出るそこへプリフティが右を打つ。左フック、右フック、左ボディを被弾するKANA。負けじと左ミドル、右カーフを蹴って前に出るKANAだがプリフティは離れる。思い切り右フックを叩きつけるKANAに長いリーチからワンツーを返すプリフティ。KANAの右カーフ、左ミドルにダメージを感じさせるプリフティだが、攻撃を出し続ける。得意のスイングフックで勝負をかけるKANAが前へ出るが、プリフティも負けじと打ち返す。
判定は3-0でプリフティが勝利。KANAは4度目の防衛ならず、連勝も「5」でストップした。
番狂わせを起こし、新王者となったプリフティは「K-1王者になることは長い年月夢見ていたことなので嬉しいです。チームのみんな、ありがとう。一緒にいるコーチは父であり、人生を共に歩んできた仲間です。この時間を分かち合えて嬉しく思っています。ありがとう、またお会いしましょう」とマイクで語った。