▼第16試合 K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R
〇鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス/第7代Krushスーパー・ライト級王者)
KO 延長R 1分09秒 ※左ストレート
×近藤魁成(TEAM3K)
※本戦の判定は28-28×3。
近藤は幼少期より空手を学び、難病を克服して2017年に高校1年生でK-1甲子園を制覇。2018年3月にプロデビューを飾り、2018年K-1甲子園を連覇。2019年5月、木村“フィリップ”ミノルのKrushウェルター級王座に挑戦し、KO負けで初黒星を付けられたが、ヒザ蹴りでダウンを先制してあわやの場面を作り出した。11月のK-1ではKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーの牙城に挑んだが、2R2分40秒、KO負け。
2020年8月には「第7代Krushウェルター級王座決定トーナメント」に出場するも決勝でアクシデントによりTKO負けを喫し、またも王座に手が届かなかった。2021年3月にマキ・ドゥワンソンポンに判定勝ちし、2022年1月にはアラン・ソアレスに1Rわずか40秒でKO勝ち。今回から正式にスーパー・ライト級に転向。戦績は7勝(5KO)3敗1分。
鈴木は2016年12月にKrushでプロデビューすると、サウスポースタイルから繰り出す左ミドル&左ストレートを武器に頭角を現し、2019年1月にKrushスーパー・ライト級王座を獲得。現王者・佐々木大蔵にタイトルを奪われたが、7月大会でFUMIYAを初回KOに破って再起。しかし、12月のK-1では不可思にKO負け、2021年3月にはヴィトー・トファネリにTKO負け、11月に寺島輝に判定負けと3連敗。崖っぷちで臨んだ今年4月の林健太戦では元K-1ライト級王者の林をKOする金星を得た。戦績は11勝(7KO)7敗1分。
両者は2018年6月に対戦して引き分けており、約4年2カ月ぶりの決着戦となる。
1R、サウスポーの鈴木はじりじりと前へ出て左ミドルから左ハイ、近藤は右インローを蹴る。近藤は右の三日月蹴りを狙い打ち、さらに右ボディブローも。両者ともアップライトで蹴りやすい構え方。
2Rも前に出るのは鈴木。近藤は右インローで迎え撃つ。鈴木は左ミドルの5連打を繰り出すが、近藤は顔色ひとつ変えずに右インローを蹴る。そして前へ出てくるところへ右ヒザを突き刺し、ガードの隙間を縫う右ストレートをクリーンヒット。ガクッとして下がる鈴木へ近藤がパンチをまとめて右フックでダウンを奪う。
立ち上がった鈴木へ近藤は右ボディストレート、鈴木も左ストレートを返すが、再び近藤の右ストレートでグラつく。コーナーへ詰める近藤が左ボディ、右ストレート。鈴木もワンツーで前へ出て左ミドル。
3R、近藤が右三日月と右インロー、鈴木は左ハイから左ミドルの連打。近藤がヒザを蹴ると鈴木は連打で勝負をかける。近藤はヒザを突き刺すと右ストレートの連打。鈴木も打ち返して左ミドルを蹴る。鈴木は右足に異常があり、ガクッとなる場面も。前に出てくる鈴木をホールディングしてしまう近藤に警告。接近戦を仕掛ける鈴木に近藤はまたもホールディングしてしまいイエローカード(減点1)。再開後も鈴木は接近戦を仕掛けてガムシャラにパンチを繰り出す。その気迫に押される近藤。最後の10秒で近藤がパンチをまとめたが、最後まで諦めずに戦った鈴木の健闘が光った。
判定はドロー! 鈴木の追い上げが功を奏し、延長戦へ突入する。鈴木は左ミドルから連打で前へ出る。その勢いに押される近藤はクリンチしてしまう。鈴木が寄りかかってきたところでヒザを蹴るが、これは相手をつかんでしまい注意を受ける。さらに前へ出る鈴木の左ストレート、左右フックを浴びた近藤は背を向け、ロープの外に上半身が出てしまいレフェリーはダウンを宣告。最後は鈴木の左ストレートで近藤がマットに沈み、鈴木が執念で逆転KO勝ちに成功した。
鈴木はマイクを持つと「この65kg、いま誰とやっても負ける気がしません。9月横浜でタイトルマッチがありますが、勝った方に自分を挑戦させてください。絶対に勝ちます」とタイトル挑戦をアピールした。