▼第9試合 K-1ライト級 3分3R延長1R
〇大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER/第7代Krushライト級王者)
判定3-0 ※30-28、30-27、29-28
×デンサヤーム・アユタヤファイトジム(タイ/Ayothaya Fight Gym/True4U CPトーナメント優勝)
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、2021年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出。7月の卜部功也戦では判定で敗れるも、12月の弘輝戦で延長戦の末に勝利をもぎ取った。今年4月には瓦田脩二からKrushライト級王座を奪取。戦績は28勝(3KO)19敗3分。
デンサヤームは20歳ながら77勝(8KO)25敗3分の戦績を持つムエタイの猛者。175cmの長身サウスポーで、ロングリーチを活かして蹴り技を得意とする。2019年、タイのテレビ局が主催するムエタイイベント『True 4U』のバンタム級トーナメントで優勝。2020年3月の『K'FESTA.3』でK-1初参戦を果たし、判定負けも武居由樹を長い手足から繰り出すパンチと蹴りで苦しめた。2022年から日本に移住し、ウィラサクレック・フェアテックスジム三ノ輪で練習を続けている。先日の女子大会でK-1 WORLD GP初代女子アトム級王者となったパヤーフォンとは同門。武居戦から3階級上げての参戦となる。
1R、サウスポーのデンサヤームはよく伸びる左ミドルを蹴っていく。大沢はいつも通りガードを低く下げて前後にステップを踏む。ガードを高く上げているデンサヤームとは対照的だ。大沢は飛び込んでの右ストレート、次に左右ボディ。デンサヤームの左ミドルに対し、大沢はかなりスイングの大きい左ボディからの右ボディを打つ。大沢は徹底してボディ狙いだ。
2Rも左ミドルを蹴っていくデンサヤームに大沢は距離を詰めてのボディ打ちで対抗。前に出る大沢にデンサヤームはクリンチが増えて注意を受ける。デンサヤームは左ミドルと左ハイを蹴るが、大沢のボディをもらうとクリンチにしてしまい痛いイエローカード(減点1)をもらってしまう。
3Rも同様の展開でデンサヤームにはまたもクリンチで注意。大沢は鋭く踏み込んでの右ロングフックをクリーンヒットされる。デンサヤームにはクリンチで警告。踏み込んでの左右フックを見せる大沢にデンサヤームは左ミドルを蹴るも下がり続け、距離を詰められるとクリンチで2枚目のイエローカード(減点2)。左右フックを叩きつける大沢へデンサヤームが左ミドル2発、大沢も左フック。試合終了のゴングが鳴ると、大沢は不満げな表情を見せた。
2度の減点が響き、判定3-0で大沢が勝利したが、大沢に笑顔はなかった。かつてK-1 WORLD MAXで活躍したTATSUJIからトロフィーを受け取っても大沢の表情は晴れなかった。