歴史に残る死闘は、扇久保が元谷に判定勝ちでGP優勝&フライ級王者に
▼第12試合 RIZINフライ級(57.0kg)選手権試合(フライ級GP決勝)5分3R
〇扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)30勝8敗2分 56.85kg
[判定3-0]
×元谷友貴(アメリカントップチーム)39勝15敗 57.00kg
※扇久保がGP優勝&フライ級王者に。
2006年プロデビューの扇久保と2011年デビューの元谷はそれぞれ修斗とDEEPで二階級制覇を達成し、RIZINでも長くトップで戦って来たベテラン。扇久保は2021年にRIZINバンタム級GPで優勝経験を持つが、両者ともRIZIN王者のベルトを巻いた経験はなく、どちらが優勝しても悲願の戴冠となる。

扇久保は、2006年プロデビュー。史上2人目の修斗世界王座2階級制覇を達成。RIZINバンタム級戦線を牽引し、21年のGPでは準決勝で優勝候補の井上直樹に総合力の高さを見せつけると、決勝では一度王座決定戦で敗れた朝倉海に根性でリベンジし優勝。その後22年9月にキム・スーチョルに判定で敗れてからは適正階級のフライ級に転向。現RIZINフライ級王者堀口恭司とは13年に一本負けによる修斗王座陥落以来、RIZIN初参戦の 18年7月、5年越しの再戦で判定負けを喫し、トリロジーとなった22年大晦日の対抗戦でもカーフキックを効かされ苦杯を舐めた。23年7月の超RIZIN.2では朝倉海の欠場に伴い急遽アーチュレッタと対戦。フルラウンド闘い抜くも判定負けでバンタム級王座の国外流出を許した。大晦日にはUFCフライ級王座挑戦を経験したジョン・ドッドソンを完封して連敗を脱出した。24年7月、神龍の指名に応じ因縁の師弟対決が実現すると、接戦を制し己の矜持を示した。1年ぶりの試合でもあったGP初戦は自ら「一番強いから」とホセ・トーレスを指名し、接戦を制した。準決勝進出者を決める総選挙では再び最強の外国人選手アリベク・ガジャマトフを指名しトップ当選を果たすと、9月28日、3R完封の判定3-0勝利で決勝進出を決めた。ここまでも存分に発揮してきた打投極+根性を信条とする自身のMMAを貫いて圧倒的にGPを優勝し、堀口恭司の抜けたRIZINフライ級の絶対王者にとなるか。

元谷は、2011年プロデビュー。15年末の旗揚げからRIZINに参戦し、国内外の名だたる強豪と名勝負を繰り広げてきた歴戦の勇士。18年10月、DEEP二階級制覇を達成するとその大晦日ジャスティン・スコッギンスに一本勝ちで5連勝。19年7月、扇久保博正との死闘に僅差で敗れると、大晦日にはBellatorとの対抗戦でパッチー・ミックスのフロントチョークに沈んだ。21年のバンタム級GPは、2回戦で瀧澤謙太にTKO負けで敗退。22年は大晦日にホジェリオ・ボントリンにTKO勝利を収めるなど5連勝をマーク。しかし23年5月、朝倉海との待望の一戦で無念のKO負けを喫すると、大晦日にはヴィンス・モラレスと激闘の末に判定負け。24年5月、再起戦のDEEPで、負傷欠場の福田龍彌の代打で参戦した平松翔に一本勝利で復活した。大晦日の次期挑戦者決定戦で躍進中の秋元強真に完勝を挙げると、25年3月に井上直樹のベルトに挑戦。フルラウンド拮抗した試合を展開し、打撃で押されるも自身はグラウンドで上回ったがスプリット判定負けを喫しベルト獲得ならず、4年3ヶ月越しの井上直樹へのリベンジも果たせなかった。満を持してフライ級に落として臨んだ7月のGP1回戦では自ら指名したヒロヤに組ませずスタンドも制し、判定勝利。8月の総選挙では、スピーチで指名した神龍との対戦が2回目の投票で選ばれ、新旧DEEP対決が実現、9月28日の準決勝でスクランブル合戦を制した。19年にスプリット判定で敗北して以来の再戦となる扇久保を相手に、ATTで研ぎ澄まされた技術を駆使してねじ伏せ、悲願の戴冠なるか。
扇久保「元気ですかー!! 明日は僕がチャンピオンになります。元谷選手、よろしくお願いします」
元谷「明日は僕が勝ちます! いい試合をします」
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを突く扇久保。左右フックに元谷も左を狙う。扇久保のダブルレッグを突き放した元谷。左オーバーハンドをガード上に。

スロースターター返上で序盤から攻める元谷は左フック、右カーフ。扇久保も右ロー、元谷のニータップを差し上げ扇久保は左フック。右を振って組んでコーナーに押し込み、離れ際に左右。元谷も打ち合い右アッパーも、かいくぐる扇久保は遠間から左フック!


一瞬ヒザが落ちた元谷だが、打ち返し。鼻血。押し込む扇久保は離れ際に右フックを突く。互いにテイクダウンのフェイントから反応した元谷を詰める扇久保。互いに左フック、右アッパーの打ち合い。元谷は左ジャブを刺し、その入りに扇久保は右アッパー!

2R、ともに左ロー。右を突いて前に出る元谷、押し込むが体を入れ替えた扇久保が右で差してボディロック。引き出そうとするが、左ヒザを間に入れて凌ぐ元谷はコーナー背に。首相撲ヒザを突くと、シングルレッグ。切る扇久保になおも組むが扇久保が体を入れ替えボディロック。しかし離れる元谷。

少し腰を落とした構えで正面から右、テイクダウンの動きが見え辛い扇久保。元谷の打ち終わりに右アッパー! 元谷は左ジャブも扇久保はシングルレッグ。すぐに反応して切る元谷。テイクダウンを取らせない。鼻血の元谷。扇久保の入りに右クリンチアッパー。元谷の左に受けて返す扇久保。

元谷のニータップを切って右を当てる扇久保。元谷はダブルレッグへ、これも切る扇久保。ともに右を当てるが効いたそぶりを見せず、元谷は終盤に右ローを当ててゴング。

3R、ガード上げて前に出る元谷。そこに扇久保もジャブ、右アッパー。元谷は右を振って、ダブルレッグテイクダウン!

この試合初のテイクダウン成功。ハーフの扇久保。左で枕の元谷は肩パンチを連打! さらに細かい鉄槌で印象づける。扇久保は腰を切ってフルガードに。鼠径部に足を当てるが、扇久保はいったんクローズドガードに。

ガードを作り直して足を解いて引いてフルガードから立ち上がり。なおもダブルレッグの元谷に扇久保はがぶり。頭を抜く元谷。

「ここが勝負だ」の元谷コーナー。扇久保も左から右アッパー! さらに右! 元谷の右を額で受けて打ち返す扇久保、ボディ打ち、互いに左右を打ち合い。扇久保も額で受けて互いに声を出し合い打ち合いに。

扇久保は左ボディから詰めて右、元谷も左を返すが、扇久保もアゴを引いて受けて右を返す、互いに退かない打ち合いでゴング。両者抱き合う。


「ありがとう。元谷とやってよかった」と言う扇久保。両手を上げる元谷。


歴史に残る死闘の判定は、扇久保が3-0で勝利。フライ級GP優勝&フライ級新王者に輝いた。扇久保に優勝賞金2千万円、準優勝の元谷に500万円がコールされた。
組みのみならず、近年磨き続けたボクシングでも巧みな左ジャブ、ディフェンスでもダッキング&ウィービングを見せた扇久保。
ベルトを腰に巻くと「皆さん、やっとチャンピオンになれました。いま本当に幸せです。ありがとうございます。言葉にならないくらい嬉しいです。本当に元谷選手、最後まで気持ち強くて決勝で元谷選手とベルトを懸けて戦えてよかったです。元谷選手、ありがとうございました。選挙で僕落ちちゃうのかなと思ったんですけれど、強い気持ちをもってここまで戦ってきて本当に良かったです。(妻へ)どん底の時もありました。もうダメなのかなと思った時もありました。でも、一番側でずっと支えてくれた奥さんの京香さん、本当にありがとう。心から愛しています。フライ級のチャンピオンとしてこれからフライ級盛り上げていくので皆さん、よろしくお願いします。ありがとうございました」と、勝利者インタビューに答えた。





