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コラム

【RIZIN】シェイドゥラエフとコレスニックから始まるフェザー級新章。中央アジアの脅威と日本勢──いま日本で見られるワールドクラスのフェザー級ファイターたち

2025/09/24 22:09

王座挑戦を望む朝倉未来、怪我から復帰目指す鈴木千裕と平本蓮

 現在、MMAでは新たな実力者たちにスポットライトが向けられている。旧ソビエト連邦を構成していた15の国々、ロシア、ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ジョージア(旧グルジア)、アルメニア、アゼルバイジャン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン──そこに中国、モンゴルまで含めた東アジア、中央アジアの選手たちが、MMAの広がりとともにアマチュアから頭角を現している。

 RIZINフェザー級では、シェイドゥラエフがキルギス、バンタム級転向も視野に入れるカルシャガ・ダウトベックがカザフスタン。ヴガール・ケラモフがアゼルバイジャン、コレスニックがロシア、イルホム・ノジモフがウズベキスタンの出身だ。

 またPANCRASEでは、キルギスでシェイドゥラエフの練習仲間でISAOを1R KOに下したカリベク・アルジクル ウルルが猛威を振るい、タジキスタンのオタベク・ラジャボフが戦慄のKO劇を見せたばかり。恐るべきは、シェイドゥラエフやダウトベック、カリベクやオタベクはバンタム級でも戦えるということ。もしUFCに挑戦するとなれば、階級を落とすことも考えられる選手たちだ。

 UFCでもチャンピオンのライトヘビー級王者マゴメド・アンカラエフ(10.4 アレックス・ペレイラと再戦)、ミドル級王者ハムザト・チマエフ(チェチェン)がロシア、ライト級王者のイリア・トプリアメラブ・ドバリシビリがジョージア、女子フライ級王者のワレンチナ・ シェフチェンコがキルギス出身だ。

 旧ソ蓮、中央アジアの実力者たちを相手に、日本勢はいかに戦うか。

 RIZINフェザー級を見渡せば、タイトル戦を望む朝倉未来、復活を期すクレベル・コイケに、負傷欠場中の鈴木千裕。9月28日の『RIZIN.51』では、王座戦のほかに高木凌とPANCRASE王者・三宅輝砂が激突。11月3日の『RIZIN LANDMARK 12 in KOBE』では、摩嶋一整vs.木村柊也萩原京平vs.秋元強真がフェザー級で組まれている。そこに、YA-MAN、平本蓮、中原由貴、武田光司らがどう絡んでくるか。中原に逆転KO勝ちしたソン・ヨンジェ、LFAと契約中ながらビザの問題で国内マットでの強豪との試合も望む松嶋こよみらの動向も注目されている。

 榊原CEOは、元王者の鈴木千裕について、「千裕の怪我はこの数試合の中で怪我したというよりは、まあ五味(隆典)との試合前からもう拳を痛めたりしていたので、長い間痛めて騙し騙し戦っていて、どこかで思い切って手術をやらないと、結果、朝倉海のように長期離脱ってことにもなるんで(2021年大晦日から1年5カ月欠場)。本人的には色々考えるところもあると思うんですけど、(手術を)やった方がいいと思っています。どの程度で回復するのか、半年かかるのか、その結果、大晦日に間に合わなければ来年の春でもいいし、大晦日が終わってからやる(手術する)のか。その辺は1回、千裕ともしっかり話してみたいなと思ってます」としている。

 また、今年2月に右肩の「外傷性肩関節不安定症」による手術を受け、朝倉未来戦以降、試合から遠ざかりリハビリ中の平本蓮についても「同じ状況ですね。日進月歩というか、日々の中での回復具合によってだと思うんですけど、大晦日間に合う形で準備が整うといいな、と思って準備を進めているというところです。手術後、どう回復するかは『時間が薬』みたいなところがあるので、今は無理せずに、しっかり本当に治し切って出てきてほしいと思います」と語った。

 打撃で立ち合う技術を持つ平本と鈴木は、MMAとしての強さを進化させて、復帰戦を見据える。

 フェザー級王者のシェイドゥラエフは、名古屋決戦を含め、年内に2試合を超えたのちに、再びRIZINと契約するか。それとも新天地を求めるか。その座にとって変わろうとする海外のライバル達、そして日本勢にも厳しい戦いが待っている。オープン化が進むRIZINフェザー級戦線の今後に目が離せない。

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