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インタビュー

【RIZIN】フェザー級に新たな強豪が名乗り、中原由貴を逆転KOしたソン・ヨンジェ「フィニッシュ率の高い選手なら誰とでも戦う」×中原「終盤まで相手が落ちなかった」

2025/06/04 12:06
 2025年5月31日(土)韓国仁川のパラダイスシティにて『RIZIN WORLD SERIES in KOREA』が開催された。第4試合では、フェザー級で29歳・9戦のソン・ヨンジェが中原由貴を初回KO。日本フェザー級の雄・武田光司、中原の両者が立て続けに敗れる波乱が起きた。 ▼第4試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇ソン・ヨンジェ(HAVAS MMA)8勝1敗1分 65.59kg[3R 1分28秒 KO]×中原由貴(マッハ道場/MAJESTIC)18勝8敗 65.93kg  中原は、2012年11月にGRACHANでプロデビュー後、14年4月にGLADIATORフェザー級王座戴冠。15年よりPANCRASEに参戦し、4戦目の11月より破竹の7連勝。ONEデビュー戦でエミリオ・ウルティアを3R左ストレートからのパウンドでTKOに下し、21年まで4戦3勝と勝ち越す。22年7月、RIZIN初参戦で関鉄矢に判定勝ち。10月に原口央を1R TKOで下し2連勝すると、大晦日に鈴木千裕を打撃で追い込むも、1R終盤に逆転KO負け。23年9月、白川陸斗を完封し、再起。24年4月、ビクター・コレスニックに判定負けを喫した。10月、Breakthrough CombatでPROGRESSルールで中川皓貴にポイント勝利。今回、鋭い右を放つフィニッシャーのソン・ヨンジェを相手に、経験の差を見せつけるとともに左の打撃と進化した組みを活かした戦いを披露し、1年8カ月ぶりのMMA白星を飾るか。MMA18勝7敗、33歳。  対するソン・ヨンジェは、キム・ドンヒョン推薦選手でMMA7勝1敗1分。AFCバンタム級王者、同フェザー級暫定王者。17年4月にAFCでプロデビュー後、3連勝で迎えた19年6月、ソ・ジンスを3R TKOに下し、王座戴冠。23年12月、清水俊一を1R 右ストレートで破り、初防衛。プロMMA全フィニッシュで6勝無敗の戦績で24年の『ROAD TO UFC』フェザー級トーナメント参戦。5月のRTU1回戦で河名マストに判定負けも、24年11月のAFCで高木亮に1R TKO勝ちで再起を遂げた。29歳。  試合は、大塚隆史・平本蓮がセコンドにつく中原が、1Rと2Rを組みで支配。ストライカーのソン・ヨンジェに、いかに右ストレートを打たせず組み伏せるかの展開に。173㎝の身長以上に大きなソン・ヨンジェに、サウスポー構えの中原は左のカウンターを合わせて、シングルレッグからボディロックテイクダウン。バックコントロール。2Rに中原の組みに右を合わせるようになったソン・ヨンジェがテイクダウンディフェンスの粘りを見せることで、中原が疲弊。  1、2Rを取られたソン・ヨンジェが3R、「相手の呼吸がすごく荒くて」と感じた中原に圧力をかけることでテイクダウンもカット。右の前蹴り、右ストレートを効かせて前に。組んで首相撲ヒザの中原に、右のスピニングバックエルボー! さらに右のダブルから左ボディを効かせてダウンを奪うと立った中原をケージに詰めて、中原の左フックの打ち返しに右ストレートを真っ直ぐ突いてウォークオフKO。キャリア最大の難敵をマットに沈めた。  試合後、AFC王者のソン・ヨンジェは、チームメイトでRTU勝利のユン・チャンミン(青井人にスプリット判定勝ち)、キム・サンウク(神谷大智を2R TKO)、UFC参戦中のコ・ソクヒョン(DWCS勝利、6.21 UFC3連勝中のオーバン・エリオットと対戦)らに感謝の言葉を語り、「RIZINで次の試合が早く組まれるなら嬉しいです。呼んでいただければすぐにでも出るつもりです」とフェザー級戦線に名乗りを挙げた。  対抗戦は、5勝4敗1分1NCで日本が勝ち越したものの、武田、中原が敗れた事実は数字以上に大きく、両国のMMAの勢いの差を感じさせる内容だったのでは、との問いに榊原CEOは、「今日出た選手たちは両陣営11人ずつなので、それだけの結果で、レベルの差を云々かんぬんっていうことにはならないと思いますけど、日本と韓国は近く、それぞれ、日韓戦というとモチベーションも上がり、それに向けた準備も進む。お互い最高のライバルだと思いますから、これからも定期的にお互い戦ってしのぎを削ってレベルアップをしていくことは素晴らしいこと。今回負けてしまった日本の選手たちも、この負けを一つの糧にして、またレベルアップしてくれることを期待したい」としている。 ソン・ヨンジェ「今日の相手が一番強かった。でも僕の方がもっと強かった」 ──試合後の率直な感想をお聞かせください。 「試合中はすごくキツくて少し不安もあったんですけど、勝てて本当に嬉しいです」 ──中原選手と実際に戦った印象を。 「少し怖そうな六角形の顔つきをしていました。小柄な体型で、グラップリングも打撃もある程度こなせる選手でした。自分の考えていたプラン通りに戦ってくれたので、苦戦した部分もありましたが、勝ててよかったです」 ──今回、韓国で初めて開催されたRIZINの舞台の印象は? 「とてもいい団体だと思いました。楽しかったです。また呼んでください!」 ──思ったよりグラップリングの動きが良くなかった印象ですが、どこか怪我をしていたのですか? 「もっと簡単に展開できると思っていたのですが、相手の力が予想以上に強くて、ちょっと戸惑いました」 ──最終Rで流れを覆し、中原選手をグラつかせたとき、一番相手にダメージを与えた攻撃は何だったのでしょうか? 「バックエルボーが決まりました。ヒジが今すごく痛いです。スパーリングのときは本気でエルボーを打てないので、練習では冗談半分で(回転ヒジを)数回やっただけでしたが、試合中にふと思い出して、出したらうまくいって“ここで終わらせよう”と思いました」 ──2R終盤レスリングで押された印象がありましたが、不安にはなりませんでしたか? セコンドからはどんな指示がありましたか? 「1R終了時のほうが不安でしたが、2Rは終了時はスタミナ的にきつくはなかったです。でも、相手の呼吸がすごく荒くて、セコンドからは『3R中に終わらせろ』『なるべく接近せず、パンチでフィニッシュを狙え』『キックは使うな』と言われました。その言葉だけを考えて戦いました」 ──HAVAS MMAでは、最近フィジカルのトレーニングを強化していると聞きましたが、スタミナ的にその効果を感じていますか? 「はい。もちろん技術面も大事ですが、土台になるのはフィジカルなので、やっぱりフィジカルを強化できていることが一番重要だと思いました」 ──RIZINの軽量級には優れた選手がたくさんいますが、対戦してみたい相手はいますか? 「知っている選手がいなくて、すみません」 ──スタイル的に、どんな選手というのはありますか? 「フィニッシュ率の高い選手なら誰でもいいです。自分がKOしてもいいし、逆に仕留められてもいい。そういう試合が好きなので、誰でも歓迎です」 ──他の階級への転向は考えていますか? 「ないです」 ──最近チームが連勝していて、ご自身も勝利されましたが、今の気持ちと、これから試合が控えるチームメイトへのメッセージをお願いします。 「まず、チームのチャンミン兄さん(ユン・チャンミン)、(キム・)サンウクがRTU(ROAD TO UFC)で勝って、次が僕だったんですが、自分も勝利に対する確信が強かったです。それだけ自信もあって、チームメンバー同士でフィジカルトレーニングや、ドリルもすごく頑張っていたので、その成果が試合で出せたんだと思います。最後に、ソクヒョン兄さん(コ・ソクヒョン)が6月に(UFCの)試合を控えているので、彼に締めくくってもらって、5月と6月を勝利の月にしたいです」 ──今までヨンジェ選手が勝った相手の中で、今日の相手・中原由貴選手が一番強かったのではないかと思いますが、この考えには同意しますか? また、今回の勝利が今後のキャリアにどんな影響を与えると考えていますか? 「はい、今までの相手の中でも今日の相手が一番強かったと思います。でも僕の方がもっと強かったです(笑)。後半の打撃は、今後に向けていい経験になったと思います」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望・目標を教えてください。 「RIZINで次の試合が早く組まれるなら嬉しいです。呼んでいただければすぐにでも出るつもりです」 [nextpage] 中原由貴「辞めることは簡単にできる決断なので考えてないけど──」 ──試合後の率直な感想を。 「すーーっごい、悔しいです」 ──ヨンジェ選手と実際に戦った印象を教えてください。 「本当に素晴らしい選手だなと思いました。戦う前よりかは、自分のやりたいことを最初できたっていうのがあったのですが、終盤まで相手が落ちなかったというか。本当にいい選手だと思いました」 ──初の韓国大会となったRIZINの舞台の印象を教えてください。 「韓国でのRIZINということですか?」 ──はい、ホーム/アウェーのようなものがあったかどうかなど。 「いやもう試合中はそんなのは別に、自分の友達も来ていて、その人たちの声も聞こえたし、ケージサイドにも知ってる顔もあったし、そこまでアウェーとは感じなかったです」 ──試合を終えたばかりですが今後の展望・目標を教えてください。 「ちょっとダメージも深刻そうなので、休みながら考えて……ただまあ、辞めるっていうのは簡単にできる決断なので、そこは考えてませんけど、周りとしっかり相談して、自分が今後取れる最善の選択肢を取りたいと思います」 ──試合序盤はかなり中原選手のやりたいことができていたようでしたが、作戦的には、用意してきたものができた手応えが? 「そうですね、1R目のファーストトライだったと思うのですけど、それであそこまで行くとは、僕も考えていなかったので、思ったよりできて、それで勢いづいた結果、2Rで(スタミナ)使って、3Rしんどくなった感じですかね」 ──3Rのバックエルボーが一番ダメージが大きかった? 「そうっスね、多分、あの直前にヒザ打とうと思って頭抱えたところまでは覚えているのですけど、気づいたら頭がフラッフラになっていて、バックハンドもらったのはバックステージで知って、あれを食らったのは全くわかっていなかったので、そうだと思います」 ──SNSでお子さんが誕生したということを拝見しました。試合後にご家族と何か話をしましたか? 「まだ妻にちょっと連絡取ったくらいで、電話とかはまだしていないですけど。そんな感じです」
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