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インタビュー

【RIZIN】フェザー級にまた1人、強豪が復帰! イルホム・ノジモフ「萩原は日本のサムライのような選手。どちらの刀が強いかを試してみたい」×新居すぐる「“本当にノジモフが怖いんじゃないか”と自分に話しかけてしまった」

2025/06/17 10:06
 2025年6月14日(土)北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナにて『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』が開催され、第13試合のフェザー級で、ウズベキスタンのイルホム・ノジモフが、新居すぐるを1R 2分09秒、右前蹴りで衝撃のKO。群雄割拠のフェザー級で大きな存在感を示した。 ▼第13試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン/ Tiger Muay Thai)[1R 2分09秒 KO] ※右前蹴り×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)  Mr.アームロックの新居は、RIZIN2連敗中。摩嶋一整に一本負け、昨年大晦日には盟友・武田光司と対戦し、ローブローにより、その時点までのテクニカル判定により0-3の判定負けを喫したが、敗戦を経てフルラウンド戦うMMAファイターとして進化を遂げるべく、SASUKEや菊入正行らとも練習を重ねてきたという。  ノジモフは“タシケントの闘犬”と呼ばれるウズベキスタンファイター。身長182cm、リーチ189.5cmでフェザー級で日本人にはない骨格の大きさから、首相撲からのヒジ・ヒザの近距離の打撃も得意とし、11勝中5つのKO・TKO勝ちをマークするストライカーだが、ニンジャチョーク、ダースチョークなどのフロントチョーク系も得意とする。  ここ10戦で9勝1敗。黒星は開始早々、不用意に出した左ミドルに右オーバーハンドをテンプルにもらっての8秒負けで、連勝が7で途切れたが、その後、RIZINで連勝し、復活を遂げている。  23年11月、RIZIN初参戦となったアゼルバイジャン大会でホアレス・ディアに判定勝利。2戦目の24年7月、山本空良と対戦。2R、右ストレートでダウンを奪うとパウンド猛追でTKOし、日本デビュー戦を華々しい白星で飾った。  ミルコばりのジャブ、左右ハイキックも駆使するノジモフは、立ちでも組みでもアグレッシブが信条だ。その分、新居にも組むチャンスが生れるともいえる。  しかし、ノジモフは、前戦で山本空良のグラップリングを断ち切って、硬い打撃を当てている。果たしてフェザー級サバイバルマッチを勝ち抜くのは新居か、ノジモフか。  1R、ともにオーソドックス構え。先に詰めるノジモフは右ロー。ケージ背にする新居は右フックで押し込みノジモフにバランスを崩させて組み。首投げの体勢も半身の新居。ノジモフは突き放して詰めて、すぐに右ロー。新居は大きな右の飛び込みもバックステップでかわすノジモフは右の後ろ蹴り! もらいながらも掴んだ新居。  足を抜いたノジモフは、新居の右の前進をさばくと、奥足から高い打点の右前蹴り! 三日月蹴りのように左脇下の死角から打ち抜かれた新居は、足を揃えて糸が切れたように後方に倒れ、すぐにレフェリーが間に入った。  試合後、ノジモフは「私はRIZINの選手です。一人、対戦相手を希望します。萩原京平です。榊原社長にお願いします。ぜひ戦わせてください」と、フェザー級で萩原を指名したが、その意図は? ノジモフ「練習仲間のコレスニックが勝利したので、自分が勝たないわけにはいかないと」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「とてもいい気分です。勝てて嬉しいという気持ちがとても大きいし、実際いい仕事ができたと思っています。打撃も質が高いものをお見せできたと思います。ただ自分自身、驚くような内容ではなかったです。事前に皆さんにお伝えしていた通りに試合を終えられた、それだけです」 ──あの前蹴りにみんなが驚きましたが、普段から練習しているのですか? 「普段からトレーニングしていますし、実際試合でもよく使う技ではあるのですけど今回は特に相手のファイトスタイルを想定してあのキックを使うことができたと思います、とてもうまくヒットしたと思います」 ──勝利者マイクで萩原京平選手の名前を出したのはどのような意図、思いからですか。 「実は頭の中にあったのは2人の選手名で、ただ萩原選手ではないもうひとりの選手はちょっと最近、次の試合が決まって発表されてしまっていたので今回は名前を挙げませんでした。萩原選手は自分から見て、日本のサムライのような選手で、とてもいい選手だと思っているので、どちらの刀が強いかを実際に対戦して試してみたいと思ったので彼を選びました」 ──試合が決まってしまったもうひとりというのはどの選手なのですか? 「今の時点ではちょっと秘密にしておきたいです。次の試合で勝てたときに、彼が試合が決まっていなければ、その気に、その彼の名前を挙げたいと思います」 ──自分の試合の前にコレスニック選手もKOで勝利をしましたが、もっといい勝ち方をしなくては、と意識しましたか? 「タイガームエタイで普段から一緒に練習しているチームがあるんですけど、実は昨日そのチームのひとりが別の団体で試合して勝利しました。今日、もうひとりの仲間のビクターが勝利したので、これは自分が勝たないわけにはいかない、負ける自分が想像できなくなっていました」 ──プロの試合で、あの前蹴りでフィニッシュしたことはありましたか。 「今日が初めてでした。子供の頃から、アンデウソン・シウバ(vs.ヴィトー・ベウフォート)がキックを決めるのを見たり、リョート・マチダ(vs.ランディ・クートゥアー)を見て憧れていましたイルホム・ノジモフ、いつか自分もやってみたいと思っていました。普段から練習していて、試合でも何度か試みたけどやってみても一度もヒットしたことはありませんでした。スパーリングでも使っているけれど、本番となるとそうもいかない、というのがなかなか難しかったたけど、今日は成功しました」 ──日本でもそうやってアンデウソン・シウバのようだと話題になっています。 「本当に嬉しいです、リョートもアンデウソンも大ファンで、彼らならこうキックするだろうなと、想像してイメージしながらやっていたので、そう言ってもらえるのは、光栄なことです」 [nextpage] 新居すぐる「最初からビビっちゃってた」 ──試合後の率直な感想をお聞かせいただけますか。 「ノジモフ、すごい強くて、今回は本当に自分が一番わかってるんですけど、ちょっと気持ちの面で最初からビビっちゃってたというのはありますね」 ──フィニッシュの前蹴りをもらった瞬間は覚えていますか。 「さっき、なんかで見ました」 ──ご自身では、覚えてはいない? 「そうですね、気づいたら……あんまり、覚えてないかもしれない。試合中は覚えているのですけど、終わった後はあまり覚えてないかもしれないです」 ──ノジモフ選手と実際に戦った印象として、試合前のイメージと違ったところがありましたか。 「やっぱり組みに入ったりもそうですけど、ジャブとか蹴りもらってもそうですけど。強かったんですけど、やっぱりもらって強かったとか、そういうのではなくて、最初から気持ちの面でちょっと折れてた面があったのかなって自分であってノジモフはもちろん強かったんですけど、今回は本当に自分にも負けてしまって」 ──原因が? 「……、うーん……」 ──話したくないことであれば結構ですので。 「いや、したくないんじゃなくてちょっと頭が回らない。ビビってた、これはどうやってやったらビビんなくなるのかなあとは、自分でもずっと考えていました」 ──試合を終えたばかりですが今後の展望・目標を教えてください。 「去年から3連敗してしまって。僕のキャラクターって、本当に勝たなければ意味がないし、ただのインフルエンサーみたいな感じになっているので、僕は去年から3連敗してしまって、今はその状況でいるので、ただやっぱり格闘技好きだし、負けたばっかで“また頑張りたい”とかはちょっと情けないんですけど、また頑張って、外国人選手だけじゃなくて、日本のフェザー級のトップの人たち、スター選手と戦えるくらい強くなりたいというのはあります」 ──最後に顎にもらった蹴りの一撃は覚えていますか。 「いや、覚えていないですね」 ──受けた衝撃はどんな感じでしたか。 「いや衝撃っていうか、気づいたら終わってて……“あ、たぶん負けたんだな”っていう、なんかそこらへんが時間経っても、うやむやというかんじですね」 ──映像で倒れ方を見たということですね。 「はい、負けたのはわかってたのですぐ戻ってどういうやられ方をしたのか聞いてから、ネットに上がっている動画ハイライトを見ました」 ──ビビってしまっていたと。ノジモフと戦うなかで、仕掛けてパンチをヒットさせた、前に出たシーンがありました。それでも気後れしていたのでしょうか? 「そうですね、やっぱり練習ではいろんな入り方とかも練習したんですけどやっぱりビビってしまうと同じ入り方になってしまって。あれはあれで武器としては使いたいんですけど、もっと自分に自信持てたら、違う入り方じゃないですけど、組みつけるシーンだったり、相手に圧をかけるシーンが作れたんじゃないかと思います」 ──体格差がかなり、身長もリーチもあったと思いますが、そこを向かい合って感じたのですか。 「そうですね。かなりデカかったというのはあるのですけど、僕が最初“ノジモフ怖い”という発言をして、いろいろ見ていく中で『選手がそういう発言をするのは嬉しくない』という声も聞きながら、僕はやっぱりいろんな人に興味を持ってもらうつもりで、いろいろ言ったつもりで、本当はそんなことはなかったんですけど、自分が盛り上げようとするなかで“本当は怖いんじゃないか”とどっかで自分に話しかけちゃったりして、自分で盛り上げようとしたのはいいけど、それにやられてしまった気持ちがあります] ──言霊のようなものでしょうか。 「そのあとはそういう言葉を使わないようにしていたけど、盛り上げようとするなかでSNSで色々見て、いろんな人の言葉を見て、気づかないうちに感じてしまった部分ではあります」 ──地元ということで新居選手が発信して盛り上げていました。北海道大会への思いは? 「RIZINはチケットすごい高いので、それや、PPV買ってくれたり、知らない人も応援してくれるってことは、その人の人生の今日を僕にくれたと思っていて。色々言われて、僕がこれだけSNSで呟いていて、負ける姿を見たい人もいるかもしれないですけど、そういう人も含めて巻き込んで格闘技をもっと知ってもらえたらと思ったんですけど、でも結局それって、負けると意味ないので。本当は僕が勝って、北海道僕は大好きなので、もっと盛り上げたかったなというのはありますね」 [nextpage] 『RIZIN LANDMARK 11 in SAPPORO』試合後インタビュー集 ▼第15試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R ※選手名から試合後会見〇ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)[判定3-0]×木村柊也(BRAVE) ▼第14試合 RIZINライト級(71.0kg)5分3R〇堀江圭功(ALLIANCE)[1R 4分50秒 TKO]×西川大和(西川道場) ▼第13試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇イルホム・ノジモフ(ウズベキスタン/ Tiger Muay Thai)[1R 2分09秒 KO] ※右前蹴り×新居すぐる(HI ROLLERS ENTERTAINMENT)▼第12試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R×山本空良(パワーオブドリーム)[判定0-3]〇鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM) ▼第11試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R〇ビクター・コレスニック(ロシア/Tiger Muay Thai/Kuznya)[1R 4分34秒 TKO]×SASUKE(MASTER JAPAN TOKYO)▼第10試合 RIZIN WORLD GP 2025 ヘビー級(120.0kg)トーナメント1回戦 5分3R〇アレクサンダー・ソルダトキン(ドイツ、ロシア/SPITFIREGYM in Berlin)[判定3-0]×プリンス・アウンナラー(フランス/Free Fight Academy) ▼第9試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)[判定3-0]×鹿志村仁之介(BatlleBox) ▼第8試合 RIZINヘビー級(120kg)5分3R〇シナ・カリミアン(イラン)[判定3-0]×荒東“怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組) ▼第7試合 RIZINストロー級(52.50kg)5分3R×ソルト(マルスジム)[判定0-3]〇万智(67ジム) ▼第6試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R〇中島太一(ロータス世田谷)[1R 1分34秒 TKO] ※左フック→パウンド×CORO(JAPAN TOP TEAM) ▼第5試合 RIZINバンタム級(61.0kg)5分3R×マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン/Team Alpha Male)[1R 3分33秒 リアネイキドチョーク] 〇安藤達也(フリー) ▼第4試合 RIZIN キックボクシングルール 64.0kg契約 3分3R〇上野空大(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-25、29-24、30-23×ファーパヤップ・GRABS(タイ/GRABS KICK BOXING STUDIO) ▼第3試合 RIZINフェザー級(66kg)5分3R〇遠藤来生(パワーオブドリームジム)[判定3-0]×ザーシバァディン(中国) ▼第2試合 RIZIN キックボクシングルール 55.0kg契約 3分3R×としぞう(フリー/BreakingDown)[判定0-3]※27-30、29-28×2〇鵜澤悠也(RIKI GYM/K-1 GROUP) ▼第1試合 RIZIN キックボクシングルール 60.0kg契約 3分3R〇上野奏貴(kickboxing gym SHINYUUKI+/K-1 GROUP)[判定3-0]※28-27、29-26、30-25×山川賢誠(Kickboxing Academy Sapporo/RISEフェザー級8位) 【オープニングファイト】 ▼OPファイト4 RIZIN MMA特別ルール 56.0kg契約 5分2R×鈴木嵐士(JAPAN TOP TEAM)[1R 3分41秒 トーホールド]〇早坂優瑠(CORE QUEST KUSHIRO) ▼OPファイト3 RIZIN MMA特別ルール(61.0kg)5分2R×小林大希(D-SPIRAL/ATS-34)[1R 0分53秒 肩固め]〇森永ユキト(ストライプル新百合ヶ丘) ▼OPファイト2 RIZINキックボクシングルール(52.5.0kg)3分3R×西島恭平(ELEVEN)[判定0-3]※27-29×3〇林 修斗(GRABS Kickboxing Studio) ▼OPファイト1 RIZIN MMA特別ルール 77.0kg契約 5分2R×成田佑希(TEAM KAZE/第2代PFCウェルター級王者)[2R 4分50秒 腕十字]〇能登 崇(GO ONE GYM)
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