▼第9試合 146.25ポンド契約 ムエタイ 3分3R
×スーパーレック・ギャットムー9(タイ/正規王者)
[判定0-3]
〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ/暫定王者)
※スーパーレックが計量ミスで王座剥奪。試合はノンタイトル戦に
スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と来日し、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。
ONEでは2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功。9月にはノンタイトルマッチでロッタンと対戦し、2Rにヒジ打ちでダウンを奪い判定3-0で勝利している。
2024年1月、ONE日本大会で武尊の挑戦を受け判定3-0で勝利、ONEフライ級キックボクシング王座2度目の防衛に成功すると、9月にはONEムエタイ世界バンタム級王者ジョナサン・ハガティーに右ヒジで初回KO勝ち、2階級制覇を達成した。現在13連勝中。戦績は139勝29敗4分。
アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。
しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破り、2024年7月にはクラップダムをヒザ蹴りでKOしてみせた。
8月には本戦出場でフェリペ・ロボにも判定勝ち、9月にソー・リン・ウーに判定勝ちで5連勝の快進撃。2024年1月にニコ・カリロに初回TKO勝ちで暫定バンタム級ムエタイ世界王座を獲得。また、2020年8月にはラウェイにも挑戦して勝利している。192㎝という規格外の長身で、戦績は37勝5敗1分。
今大会前にスーパーレックが計量ミスで王座剥奪。試合はノンタイトル戦として行われる。
1R、長いワンツーを伸ばしていくアナンにスーパーレックは右ストレートから右ロー。右ハイから右ロー、ヒザを突き上げてからの右フック。さらにラッシュをかけると右ハイでスーパーレックがバランスを崩して倒れ、ダウンを奪われる。ラッシュするアナンはヒザ蹴りと左右フック、左ボディ、右フック、左ハイ、左右ボディにヒザとスーパーレックを圧倒する。
2R、ブロックを固めて前に出るスーパーレックだが、アナンのジャブ、左ミドル、ヒザ蹴り、右ボディストレートをもらい続ける。長いジャブを打つアナンにスーパーレックは右ロー、右ストレートで飛び込むスーパーレックにアナンは右ヒジ。
スーパーレックは右のオーバーハンドを何度も打つがアナンはしっかりガード。アナンの左ハイがヒットし、スーパーレックが大きくフラつく。クリンチが多くなったスーパーレック。
3R、アナンのジャブと前蹴りに近付けないスーパーレック。アナンはジャブから左ボディ、組み付くと見せかけての左フック。アナンのテンカオに転倒するスーパーレック。アナンがスーパーレックにほぼ何もさせず試合を終えた。
「皆さんこんばんは、ありがとうございます」と日本語で言うと、涙ぐみながら「とっても嬉しいです。初めて夢が叶いました。今までこんなに嬉しいことはなかったです。僕が初めてKOされたのは前の(スーパーレックとの)試合でした。パウンド・フォー・パウンド、ムエタイ史上最強の男に勝ってチームのみんなに感謝して、初めての夢がかなって嬉しいです」と勝利者インタビューに答えた。