MMA
インタビュー

【RIZIN】榊原信行CEO「UFCのサテライトになる気は全くない」「本当はUFCからも看板背負って出てきてほしい」「あえて7月から開幕するフライ級GPは“ワールド”GPで行う」

2025/04/02 11:04
 2025年3月30日の『RIZIN.50』香川大会のリング上で、堀口恭司が約8年4カ月ぶりにUFCフライ級に参戦することを、榊原信行CEOとともに発表した。  試合後の囲み取材で榊原CEOは、あらためて堀口恭司のUFC再契約の経緯と、7月開幕、9月、大晦日に優勝者=新フライ級王者を決めるGPについて語った(※堀口恭司インタビュー)。 堀口一人でドームとかさいたまスーパーアリーナが埋まるわけではない ──堀口恭司選手のUFC再契約の経緯について。 「去年の後半戦ぐらいからかな、Bellatorが消滅したときぐらいから言い出したかな。堀口恭司から『UFCにもう1回チャレンジしたい』っていう思いを、彼は強く持っていて聞いていましたし、新春の1月3日だったかな、食事をしながら『この2025年どうしていく?』っていう話をする中で、恭司からは『できることならやっぱりUFCで勝負させてほしい』っていう思いも聞いていて。僕らからもダナ(ホワイト)とかハンター(キャンベル)とか、UFC側に推薦文も書いて『ぜひ、この恭司がこれだけの熱い思いを持っているので、チャンスやってくれ』っていうことで後押しをしました。それがあってなのかどうかは分からないですけど。まあUFCともいい関係の中で、RIZINの王者ですから、先にRIZINのリングできちっとファンに伝えた上でUFCにっていう流れが生まれたということです」 ──今回の発表について、UFCと話をしたそうですね。 「そうですね。ただ、UFCのサテライト(二軍)になる気は全くないんで。いつの日か、UFCと同じようにそれぞれホームグラウンドは違うけれども格闘技の大会をやる。我々とするとフェデレーションなんで、本当はUFCからも選手がUFCの看板背負って出てきてほしいっていうふうに思っていますし、そのためにはやっぱり僕らがRIZINとしての力をもっともっと作るべきだと思いますし、今でも多くの世界中のファイターがRIZINのベルトを目指して、ここに戦いを求めてきてくれていますけど、これからももっと多くの日本人選手、トップアスリートもこのRIZINの舞台で戦い抜く道を、普通に選択するぐらいの求心力をつけたいなと」 ──堀口選手には、RIZIN王者出身としてUFCのベルトを獲ってほしいと。 「どこかで誰かが1回、UFCのベルトを獲る、王者に決着つけるしかないんだと思うんですね。そこがまだアジア人男子で誰も成し得ていないんで、それを本当に一日も早く堀口恭司なり、朝倉海なりRIZINのベルトを巻いたマネル・ケイプでもいいですけども、僕らからするとアジア人、日本人を代表してまだ見ぬ景色を、日本の格闘技ファンに広い意味で見せてあげられることが、RIZINにとっても、広げていく上では、このRIZINの中でいい選手を契約で縛るよりも、きっと将来的にはプラスの効果になるとそう信じて、気持ちよく送り出すことにしました」 ──ただ、結果的に、東京ドーム大会前に防衛戦を行わずにUFC入りする選手が続きました。そうした王者の流出については? 「と言って本当に心ここにあらずで、思いを持って戦わなくなってしまう選手たちに、もっとやりたいことを──人生1回ですから、同じこの格闘技を生業としている僕らはプロモーターですけど、選手の人生も一度なんで、(送り出したい)。なんか綺麗事言ってるように思われるかもしれないですけど、まあ、堀口一人でドームとかさいたまスーパーアリーナが埋まるわけではないですし、堀口がいなくなった穴はまた次の若い選手とか、ギラギラしたランキングの選手が日本もそうだし、世界もたくさんいるんで、新たな戦いのドラマをきっと見せてくれると信じてます。朝倉海、堀口恭司と続いて2人のチャンピオンがUFCに行ったことになりますが、これも長い歴史の中の一時だと思って、また彼らがベルトを巻いて、1年後、2年後にはこのRIZINに凱旋してくるっていうことを期待して、ここは大きな気持ちで送り出したいと、そう思います」 ──その堀内恭司という“賞金首”がいなくなった中で、それでもフライ級という日本にチャンスがある階級で“もう一つの世界の頂”を作るという意味で「ワールドグランプリ」という形でやっていくのは変わらずということでしょうか。 「そうですね。堀口恭司という賞金首はいなくなりますけど。まあその分、どの選手にもチャンスがある。堀口が王者として君臨したRIZINフライ級、その王者がUFCという世界最大のプロモーションにチャレンジをすることでベルトが空位になったわけですから。今日の伊藤裕樹選手の試合も素晴らしい試合でしたし、フライの若い選手たちはもうここは“俺のチャンス”だと思って、次の時代を作るためにも、僕らはあえてこの夏から、7月からフライ級ワールドGPを世界中の、まだ見ぬ強豪もいますから、そういう選手をしっかり出して行きたいなと思います」  果たして7月GP開幕戦は、8人となるか16人となるか。本誌の取材では、もし16人制のGPならば、7月と9月、そして大晦日に準決勝+決勝のワンデートーナメントの復活も検討されていることが分かっている。そこに何人の日本選手枠が用意されるか。すでに競争は始まっている。
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