▼第9試合 ONE女子アトム級(52.2kg)キックボクシング世界タイトルマッチ 3分5R
〇ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ/王者)
[判定3-0]
×KANA(Team Aftermath/初代女子K-1フライ級王者/挑戦者)
※ペッディージャーが2度目の防衛に成功。
王者のペッディージャーは7歳でムエタイを始め、「男の子を打ち負かす少女」として有名となり、10歳で100戦以上を戦い、そのうち70回以上は男子選手との戦いであった。有名になりすぎてテレビで試合が放送されるようになると、タイの法律によって男子選手との試合は禁止に。
2016年2月には『ムエタイオープン』に初来日し、小林愛三と対戦して判定負け。2017年11月にはシュートボクシングに再来日するとMIOに判定負けを喫している。
ムエタイで順調に勝ち星を重ねる中、アマチュアボクシングのタイ代表として選ばれ2018年AIBA女子ユース世界選手権48kg級銀メダルになるなど活躍。2022年8月にはプロボクシングデビューも飾っている。ムエタイでの獲得タイトルは、WPMF世界ミニフライ級王座、WMC世界-45kg級王座、2021THAI FIGHTクイーンズカップ-51kg級優勝など。
ONEには2023年3月から参戦し、4連続TKO勝ちを収めると2023年12月には“世界最強女子”として知られるアニッサ・メクセンを判定3-0で破り暫定王座に就いた。2024年3月、正規王者ジャネット・トッドを破り王座統一。
KANAは小学生で空手を始め、高校・大学時代には陸上でも活躍。大学卒業後にK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの門を叩き、2015年9月にプロデビュー。第2代・第4代Krush女子フライ級王座に就き、2018年3月にK-1デビューを果たす。2019年12月に「初代女子K-1フライ級王座決定トーナメント」で優勝して初代王座に就いた。
2020年11月、壽美にvs.日本人初黒星を喫し、その後は怪我の治療で長期欠場を余儀なくされたが、2022年2月に復帰。6月のスーリ・マンフレディ戦から外国人を相手に4連続KOをマークし、3度の防衛に成功。2023年12月、4度目の防衛戦でアントニア・プリフティに判定で敗れ王座を失った。
2024年8月にK-1との契約満了を発表。12月の『ONE Friday Fights 92』でONE初参戦。かねてより対戦を熱望していたアニッサ・メクセン(アルジェリア/フランス)との試合を実現させたが、判定3-0で敗れ黒星スタート。2024年1月の2戦目でモア・カールソンを判定で破り初白星。戦績は22勝(11KO)5敗。
1R、右カーフを蹴るKANAは左ミドルも散らす。ペッディージャーは右ボディストレート、右ストレート。KANAは蹴りを多用し、ペッディージャーはほぼボクシング。KANAの右ローに左フックを合わせるペッディージャー。KANAは右バックハンドブローを見せておいて、そのあとすぐに左バックハンドブロー。サウスポーになって左三日月を突き刺すKANA。ペッディージャーはムエタイルールの癖でつかみが多い。
2R、前に出るペッディージャーが左右フック、KANAは右ロー。ペッディージャーの右フックがヒットし、前へ出てくる。ペッディージャーはヒザと右ミドル、KANAは右のショートアッパー。ショートのパンチの打ち合いではペッディージャーがヒットさせていく。KANAの右ミドルに右ストレートを合わせ、のけ反らせるペッディージャー。
3R、さらに圧を強めるペッディージャーはパンチの回転力も上げる。またもつかんでしまったペッディージャーに「次はイエローカードだぞ」と警告。右を放つKANAだが、ペッディージャーの右が直撃。KANAが接近戦を挑むとペッディージャーはヒザ。KANAのパンチを空振りさせ、右ストレート、右ミドル、右ヒザを入れるペッディージャー。
4R、右カーフを蹴るKANAは左インローも。前へ出るペッディージャーが右ミドル、KANAのパンチをブロックして右ロー。つかんでヒザを蹴ったKANAにイエローカードが提示される。離れ際に左ハイを蹴るKANA、ペッディージャーはワンツーからのヒザ。つかみがあったためペッディージャーにイエローカード。KANAは意を決したか前に出て打ち合いを挑む。ペッディージャーは右ミドルを蹴り、左フック。攻めに行くKANAだが右のカウンタをもらう。
5R、前に出るペッディージャーは右ロー、ワンツーからヒザ。KANAも左右フックを放つがペッディージャーはブロック。KANAが打ち合いに行ってもヒットを奪うのはペッディージャーだ。ペッディージャーの右ローに尻もちをつくKANA。
ペッディージャーの左右ミドルは当たり、KANAのミドルは空を切る。前に詰めるKANAにはクリンチで動きを止めるペッディージャー。右アッパー、左フックをもらったKANAはラッシュをかけるが左右フックは空を切る。
判定は3-0でペッディージャーが勝利。2度目の防衛に成功し、「ほぼプラン通りでした。プランは殴り合うことでした。前回の試合から期間が空いて武器が遅かったと感じたがKAANも打たれ強くていい選手でした。次の目標はムエタイのベルトを獲ることです。アリシア選手、見ているならやりましょう」と、ONEアトム級ムエタイ世界王者アリシア・ヘレン・ロドリゲスに挑戦を宣言した。