▼第13試合 ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング暫定世界王者決定戦 3分5R
×タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ/ONEフェザー級ムエタイ世界王者)
[3R 1分55秒 TKO] ※レフェリーストップ
〇野杁正明(team VASILEUS)
※野杁が暫定王座に就く。
タワンチャイは地方で試合経験を積んだ後、14歳でルンピニースタジアムに上がった。2018年にはクラップダムを3度破り、同年のルンピニースタジアム・オブ・ザ・イヤーとタイ国スポーツ局ファイター・オブ・ザ・イヤーなど4つの年間MVPを受賞。
2021年5月にONE初参戦。2022年9月、ONEでの5戦目でペットモラコットを破りONEムエタイ世界フェザー級王座を奪取した。同王座は2023年2月にジャマール・ユスポフをローキックで1Rわずか49秒でKO。
12月にスーパーボンに判定勝ち、2024年6月にジョー・ナタウットに判定勝ち、2024年1月にスーパーボンにTKO勝ちで4度の防衛に成功。、長身を利したサウスポーのフィームー(テクニシャン)。戦績は134勝31敗2分。
野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。
翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れるが、その後は2連続KO勝ちで復活。2024年6月に『ONE 167』でONE初参戦を果たしたがシッティチャイに判定3-0で敗れた。12月の2戦目でもリウ・メンヤンにも判定で敗れ連敗したが、2024年1月のシャーキル・タクレティ戦にて2RでKO勝ち。戦績は50勝(26KO)13敗。
1R、サウスポーのタワンチャイは左の蹴り中心、強い左ローを蹴る。野杁は前蹴りを使い、タワンチャイの右ロー2発に強い右ローを蹴り返す。タワンチャイは得意の左ミドルからの左ストレート、野杁は左カーフ、右ミドル。タワンチャイはしつこく左ローを蹴っていく。
2R、タワンチャイはジャブから左ミドル、野杁が近付いてくると前蹴りを3発。タワンチャイの左インローに野杁は右ローを返す。左ミドルには右インカーフ。ジャブと前蹴りのタワンチャイに野杁は距離を詰めると左ボディ、タワンチャイは左ヒザ。
タワンチャイの左ミドルもらっても前へ出る野杁は右インカーフ、タワンチャイは右フック。野杁のノーモーションの右ストレートがヒット。タワンチャイが左ミドルを蹴ってくると野杁は右インカーフを蹴り返す。右フックもヒットさせた野杁。
3R、ガードを上げて前へ出る野杁にタワンチャイがパンチのコンビネーションを回転させる。タワンチャイがジャブから左ミドルを蹴ると野杁は右インカーフ。タワンチャイのヒザには野杁が左右フックを返し、左ボディ、そして下がるタワンチャイのヒザ蹴りに左フックを合わせてダウンを奪う。
左フックと左ボディ、さらに左フック、左アッパー、左フックとタワンチャイに連打を決める野杁。防戦一方のタワンチャイはダウン寸前、レフェリーがストップした。
チャトリCEOからベルトを肩に掛けられた野杁は涙。家族がリングに入り、父を祝福。「最高です! こんな素晴らしいチャンスを与えてくれたチャトリ代表に感謝します。対戦してくれたタワンチャイ選手、僕を強くしてくれたトレーナーとチームメイト、家族に本当に感謝しています。3Rで倒せるかどうかはそこまでなかったんですけれど、5R中に必ずKOするとチームのみんなと話をしていたのでチャンスがあったので一気に仕留めました」と勝利者インタビューに答える野杁。