photos by (C)RIZIN FF/report by Jimura Yunta
2024年11月17日(日)愛知県・ポートメッセなごや第1展示館にて『RIZIN LANDMARK 10 in NAGOYA』(U-NEXT配信)が開催されている(※選手名からインタビュー)。
▼第12試合 RIZINフェザー級(66.0kg)5分3R
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)19勝5敗
摩嶋一整(毛利道場)17勝5敗
ケラモフは、2023年11月の『RIZIN LANDMARK 7』アゼルバイジャン大会での鈴木千裕戦でのKO負け以来のRIZIN復帰となる。
アゼルバイジャン大会におけるトラブルにより拘留後、来日も許可され、今回、1年ぶりに復帰。日本での試合は、2023年7月『超RIZIN.2』朝倉未来戦の一本勝ち以来、約1年4カ月ぶりの日本マット参戦となる。32歳。
対する摩嶋は、Rebel FCフェザー級王者として、2020年8月にRIZIN初参戦。斎藤裕、クレベル・コイケ、金原正徳といった強豪に敗れるも、以降は3勝1敗。2024年7月の前戦では新居すぐるを2R リアネイキドチョークで極めて一本勝ちしている。32歳。
両者は当初、2024年2月の『RIZIN LANDMARK 8』佐賀大会で対戦予定だったが、ケラモフ含む数人がフーリガン行為を行った疑いで来日不可となり欠場。ケラモフの代わりに緊急出場した今成正和に、摩嶋が腕十字で一本負けした因縁がある。
9カ月ごしのケラモフ戦の実現に摩嶋は、「2月の佐賀大会の時点より成長しているし、自信があるので(対戦が延期されたことは)むしろラッキーだととらえています」と、ケラモフ対策に時間がかけられたことを前向きにとらえている。
ともにグラップリングと極めを武器としており、同じ柔道ベースからケージレスリングも駆使してのトップ、バックからの攻撃と強みも似通う。6つのKO・TKO勝ちも記録するケラモフは、スタンドから始まるMMAでどんな選択をするか。
摩嶋は「ケラモフ選手はレスリング系でテイクダウンしてからの組み技が強い。得意な部分がかぶっているのでどちらが上を取るかの勝負になる」と、トップポジションの取り合いになると語る。
RIZINでの試合はテイクダウン防御率100%という数字を誇るケラモフを、摩嶋はいかにテイクダウンするか。
ウーシュー散打、コンバットサンボもベースとするケラモフのシングルレッグから片足を持ち上げてのバックテイク。あるいは右の強打と合わせた爆発力あるニータップのテイクダウンに対し、摩嶋はいかにケージを使ってバックに回らせないか。そして、立ち合いから勇気を持ってシングルレッグから金網までドライブして組めれば、足技では一日の長がある。
テイクダウンはされたことがないケラモフだが、これまでの試合で少ないながらもボトムの場面を見せている。
2021年6月の斎藤裕戦では、斎藤の左フック、サッカーキックを浴びてダウンしたケラモフがハーフでニーシールド、下から右足をからめて外掛け、首投げも斎藤にすかされ背中を見せて亀になっている。
また、山本空良戦では終盤ながら、山本の足関節からのトランジッションで下になり、草刈をしかけたものの外ヒールに背中を譲っている。そしてカイル・アグォン戦ではアグォンの下からの三角絞めにあわやの場面を見せた。
互いに、トップポジションを取ることが勝利への条件だが、下になったときに両者がどんな動きを見せるか。トップからの極めが強く、立ち上がり際はバックも狙われるなか、LEOS柔術アカデミーの森戸新士とも練習する摩嶋には、ここでも進化を見せたいところだ。
摩嶋は「いつもジムで壁を使っているのでケージは得意です。どれだけ強くなったか試したい。持ち味の組み技を思い切りぶつけて戦います」と力強く語っている。