▼第10試合 120kg契約 3分3R(※運営側との行き違いで5分3Rから変更)
〇ボビー・オロゴン(ぼぴパラチーム)95.45kg
[2R 2分34秒 リアネイキドチョーク]
×北村克哉(フリー)110.80kg
北村「明日は命を賭けて、死ぬにはいい日だと思って全力で戦います」
ボビー「北村さんには腹立っている、男としてインターネット上で余計なこと言うんじゃない、俺がルール変えたとか言うんじゃないよ。それだけ」
ボビー・オロゴン(ナイジェリア)と、元新日本プロレスのプロレスラーでボディビルダーの北村克哉(フリー)が120kg契約(3分3R)で対戦する。
ボビーはタレントとして人気を博し、TBSのバラエティ番組『さんまのSUPERからくりTV』の企画にて格闘家を目指すことになり、菊田早苗率いるGRABAKAにて練習を積んで2004年大晦日の『K-1 PREMIUM 2004 Dynamite!!』でデビュー。シリル・アビディとMMAルールで対戦し、身体能力の高さを見せつけて判定勝ち。
2005年大晦日には曙も判定で破ったが、2006年7月にはK-1ルールで藤本祐介に判定負け。同年大晦日のチェ・ホンマンとのMMA戦では1Rわずか16秒でTKO負け、2007年大晦日のボブ・サップ戦でも1R4分10秒でKO負けした。今回はそれ以来の試合となる。
北村は2008・2009・2010レスリング全日本選手権グレコローマン96kg級優勝、2007全日本大学グレコローマン選手権120kg級優勝など数々の優勝経験を持つレスラーで、世界選手権には3度出場。2015年7月には『巌流島』に出場し、ボロドバートル・オンダラルから勝利を収めている。
その後、2017年3月に新日本プロレスでデビューし、2019年1月に怪我のため引退。以後はボディビルダーに転身した。2020年9月には『K-1 DX』で第4代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也(team ALL-WIN)とK-1ルールで対戦し、1R1分53秒、TKOに敗れている。キャリアではボビーが上回るとはいえ、15.4kg差、年齢差20歳差の危険なカードだ。
プロレスラー時代同様に牙のマウスピースを装着して入場の北村。一方、手錠を両手に持ちながら入場のボビー。リング下で子供達から手錠を外されてリングイン。
1R、ともにオーソドックス構え。北村はレスリングシューズを着用。ボビーの左ローをつかんでテイクダウン。インサイドからパウンド狙いもボビーは足を効かせる。左足を越えてハーフになる北村は左で差してボディにパウンド。慎重にパスを狙う。
片足をからめるボビーは右で差して立ち上がりもそこにマウントを合わせた北村! しかしその際でブリッジから押してボビーは立ち上がり。すぐにダブルレッグは北村もゴング。
2R、ボビーの最初の右ローを掴んでテイクダウンは北村。しかしボビーはギロチンへ。ロープの外に身体が出てブレーク。スタンドもボビーの左右が当たり北村は出血して後退。嫌がってのシングルレッグテイクダウンは北村。
尻を着いて耐えるボビーは、ヒザを立てバックを狙う。片足がからんだまま強引にリアネイキドチョークへ。
それを嫌って上体を上げた北村に喉下に腕を巻いたボビーが足も解き絞め上げ、北村はタップ! バックに引き込む前にタップした北村だが、しばしボビーは腕を外さず。腕を解くと北村を抱きかかえた。
試合後、ボビーは、泣きながら「試合したくてやったわけではないから。ほんとうにミソジ(禊)の旅をやって、その一環で試合をしたけど、でもやるからには応援してくれた人、サポートしてくれた人に戦う姿を見せたかった。みんなありがとう。菊田サン、マイサン、サンキュー」と挨拶し、リングを降りた。
その様子を会見場で見ていたベイノアは、大晦日に希望する相手を問われ、「モスが勝ったんで(モニター見てしまった)。もしかしたら“モス”かもしれないですけど」と大晦日の対戦相手になるかもしれないと笑顔で語った。
試合後、ボビーは「キタムラさんという男は一生リスペクトしようと思います。リングの上で大喧嘩して仲良くなったので、これから北村さんとご飯行きたいと思ってます。ご馳走してくれるでしょう(笑)。(ガードポジションになったのは)変なパワーを使って疲れるよりも、ある程度パワーを貯めていこうと思って……ん? プロみたいに喋ってんな」と試合を振り返った。
フィニッシュについては、「俺、いつからチョーク取れるようになったのか? あれチョークっていうの? とりあえず野生の勘で動いてみました。(片足がかかったままだったが)下になっても終わらなかったから、上になればもしかして勝てるという自信がついてきて、ただそうしただけ。(チョークが)かかってるなと感じた時、もうちょっとと振り絞った」と最後は上を取り返すために必死だったと説明。
また、今後については「本当に今回はミソジ(禊)の旅だったから。その一環で立ち寄ったのが、RIZINの舞台だったので、本当に何も考えてない。今後はこれから僕の得意分野として、指相撲に戻りたいと思っています。指相撲の世界でチャンピオンと思ってるから。(大晦日も)何も望んでない。理由がなければ、格闘技やるタイプではないから。(今回は)立ち寄ったからには、当然爪あとは残さなければいけない方針なので。男のプライドだけかけてやってきた感じでした」と語った。