▼第5試合 女子49.0契約 5分3R
〇にっせー(フリー)48.65kg
[判定2-1]
×古賀愛蘭(TEAM FAUST)48.30kg
RIZIN女子スーパーアトム級戦。
にっせーは、高校時代にレスリングを習い、高校卒業後にはダイエット目的で格闘技を始める。17年の大晦日にRENAvs.浅倉カンナを見てプロの格闘家になることを決意。19年3月にアマチュア時代に引き分けているKOTORI相手にプロデビューを果たしたが、判定負けを喫し黒星スタートとなった。しかしプロ2戦目となった19年9月の山崎桃子戦では腕十字による一本勝ちを収めプロ初白星を飾る。同年12月にはプロ3戦目にして女王しなしさとこと対戦すると1R中盤にパウンド葬するなど一躍注目を浴びる存在に。その後は大島沙緒里、パク・シウ、青野ひかるら強豪と対戦し3連敗を喫したが、今年9月のDEEP JEWELSで復帰戦となった古瀬美月相手に下から積極的に仕掛け、2Rにマウントをとるとパウンドを見舞いTKO勝ちを収め連敗から脱出した。その試合後のマイクでRIZIN参戦をアピール。
念願のRIZIN参戦、そして地元沖縄での開催に出場というビッグチャンスをものにし、RIZIN女子スーパーアトム級戦線へ割って入れるか。
古賀は、長谷川穂積のボクシングの試合を見たことがきっかけで、5歳から日本拳法を習い始める。高校在学中の2019年には全国高等学校日本拳法選手権大会女子個人戦優勝を果たす。高校卒業後はMMAプロファイターを目指し、同じ日本拳法をバックボーンに持つ憧れの中村優作のいる大阪に単身で乗り込み弟子入り。
2020年10月のDEEP JEWELSアマチュア大会で中丸ゆき相手に2R早々に右ストレートから膝、パンチ連打でTKO勝ちを収めると、今年3月DEEP JEWELSアマチュア大会では悠花に判定勝利を挙げ、プロデビュー戦となった7月のDEEP JEWELSではパンナコッタみのりを1R開始早々に左フックでマットに沈めた。10月のプロ2戦目ではRIZINにも出場したことがある竹林エル相手に日本拳法独特のステップでパンチをヒット、相手の蹴りを掴みテイクダウンに成功するとグラウンドでも終始コントロールに成功し判定勝ちを収めた。
日本拳法で培ったステップと倒せる強い打撃を武器にRIZINで日本拳法の強さを証明できるか。
1R、ともにオーソドックス構え。右ボディから左を狙う古賀。ハンドスピードが速い。にっせーは右ロー。組みを突き放す古賀。さらに右ローを当てるにっせーだが、回る古賀。左右でコーナーに詰め組むにっせーに差し返し四つに組む古賀。にっせーは左で差してヒザ。左の小外がけで崩すも倒れない古賀。いったん崩しに片ヒザになるがすぐに立つ古賀。その崩しの際で打撃、縦ヒジのにっせーに古賀は鼻血。
コーナーを背に凌ぐ古賀は右で小手に巻き、にっせーの首投げにブリッジで上を取り返す古賀。しかしすぐに立つにっせーは内ヒールへ! すぐにヒザを抜く古賀がパウンドでゴング。
2R、細かくステップを踏む古賀に圧力をかけるにっせー。右で差すと四つに組む古賀が差し返し。首相撲ヒザはにっせー! 離れる古賀は左ジャブ! 右ストレートも。コーナーに詰めダブルレッグに入るにっせーがテイクダウン! 立ち上がる古賀にボディロックからヒザを突く。
離れる古賀にシングルレッグはにっせー。がぶる古賀になおも詰めるとギロチンチョーク狙いの古賀を首投げテイクダウン! しかしこの際でリバーサルする古賀が上からヒジを狙いゴング。
3R、詰めるにっせーに左ジャブ、右ストレートを狙う古賀。左右にサークリングする古賀に詰めるにっせーは右フック! 右前蹴りバックフィストで詰めたにっせーは右で差して組み。左で小手に巻きヒザを突く古賀。
シングルレッグテイクダウンするにっせーに片ヒザ着きコーナー肩に当てて立つ古賀は右を刺し返してヒザ! 頭を挙げるにっせーは離れる。左を当てる古賀! にっせーのボディロックテイクダウンの際で上になるとパウンド! ハイガードのにっせーに体を離す古賀。左右を当てる。
前がかりになりバランスを崩した古賀に左右を当て返すにっせー! ここで詰めてダブルレッグテイクダウンはにっせー。最後に上になってゴングを聞いた。
判定は2-1に割れたものの、地元沖縄から指笛の応援も受けたにっせーが古賀の追い上げを跳ね返して勝利。大きな拍手を受けた。
試合後、にっせーは「今日は日本一のアリーナに来ていただいてありがとうございます。下馬評では古賀選手の方が高かったんですけど、私のことを応援してくれる方々のおかげで勝つことができました。古賀選手めちゃくちゃ強かったです。RIZINチャンピオン目指してもっともっと頑張ります。応援よろしくお願いします。あと、私も大晦日空いていますので、榊原さん、よろしくお願いします」と、大晦日出場をアピールした。
また、試合後会見でにっせーは、「沖縄のRIZINで勝てて本当に嬉しいです。(古賀の打撃にも)焦りはなかったです。自分の試合をしようと思っていました。相手の腰も強くて、テイクダウンに上手くいけなかったので、もっと練習しないといけないと思います。もっと強くなって、オールラウンダーになりたいですね。打撃でも寝技、投げも出来るようになりたいです」と成果と課題を語った。
地元の観客からは応援の指笛も飛び出し「こんな大勢の観客の中で試合ができたので、とても泣きそうでしたね。(RIZINに)憧れてずっとファンとして観に行っていたので、自分が出るんだと思って。沖縄で格闘技といえばボクシングだったので、総合格闘技をもっと沖縄の人に知ってほしいです」とアピール。
今後については、「大島沙緒里さんと戦いたいです。やり返したいと思います(※2020年9月のDEEP女子ミクロ級王者決定戦で大島にTKO負け。その後、大島は10月のRIZINで浅倉カンナに判定勝利)。まずは色んな選手と戦ってしっかり勝っていきたいです」と語った。