▼第9試合 フェザー級 5分3R ※ノンタイトル戦
×牛久絢太郎(K-Clann)66.20kg
[2R KO] ※右ヒザ
〇中村大介(夕月堂本舗)66.10kg
柔道出身の牛久は25歳。PANCRASEのランカーとして、2019年5月にDEEP初参戦。ザック・ベナベンテを1R KOに下すと、9月に横山恭典に判定勝ち、12月にハリー・スタローンに1R サッカーキックでTKO勝ちし、MMA5連勝・DEEP3連勝で王座挑戦を決めた。
2020年9月に王者・弥益ドミネーター聡志に判定勝利し、DEEPフェザー級王座を獲得。今回は4カ月ぶりの試合となる。
(C)DEEP
現王者にノンタイトル戦で挑むのは、40歳の中村大介。MMAで50戦近いキャリアを持つ中村は、この2年ほどは「QUINTET」でグラップリングマッチに出場し、2019年11月の秋田大会では現RIZIN&修斗世界王者の齋藤裕にヒザ十字で一本勝ちするなど、変わらぬ極めの強さを見せている。
前戦は牛久と同じ9月DEEPにライト級で出場し、長倉立尚を2R右フックでKO。4年ぶりMMA復帰戦を白星で飾っている。中村のライト級以外の試合は2014年4月の廣田瑞人戦(68kg契約)以来。階級を落としたフェザー級でどんな力を発揮するか。
牛久にとっては、年末には同階級で、弥益が朝倉未来の相手としてRIZINに出場し、印象を残しているだけに、王者として、存在感を示したいところだ。
(C)DEEP
6連勝の牛久は、組みの強さに加え、強い体幹から放たれる打撃にも磨きをかけてきた。粘り強く組んでドミネートする牛久の組みに対し、中村はときに体勢を譲りながらもサブミッションを仕掛けながら優位な形に持ち込む組み技師だ。さらにタフで独得のタイミングを持つ老獪な打撃も見逃せない。
ノンタイトルながら牛久がきっちり勝利し、次に繋ぐか。四十路の中村のフェザー級での挑戦が実るか。
1R、オーソドックス構えの中村に、サウスポー構えの牛久。先に圧力をかけるのは中村。牛久の前進をステップバックでかわし、前手の右フックもかわす。中村の入りに頭から入る牛久の頭が鼻に入り、中村は声を挙げてバッティングをアピール。中村は鼻から出血する。5分のインターバル。
(C)DEEP
長い時間をかけて再開。牛久の左ローをカットする中村。頭を下げて入る牛久の入りに、またも頭が当たってしまう。牛久にイエローカード。再開。牛久は金網まで押し込んでいくが、体を入れ替える中村がヒザを突く。両脇を差してヒザを突き上げる。左を差し返した牛久は小外がけから投げてテイクダウン!
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ニーシールドからアームロックを狙う中村。牛久はいったん体を離してパウンドの際で立ち上がる中村は、キムラクラッチに組むと、ケージを蹴ってストレートアームバー、キムラで狙いで回そうとするが、際で上を取ったのは牛久でゴング。
2R、じりじりと詰める中村。ともに頭を下げて突っ込むとゴツン! と音がしてバッティング。両者大の字から正座してダメージ回復を待つ。再開。左ローを打った牛久が頭を下げて右を振って入り際、中村は右ヒザ蹴り! 後方にもんどりうって倒れた牛久は失神! すぐにレフェリーが間に入った。
(C)DEEP
意識を戻した牛久は状況が掴めない様子。ノンタイトル戦ながら王者をKOに下した中村は、ケージの中で、「プロレスリングノア・杉浦軍の中村大介です、試合がちょっと硬くなってしまってすみません。牛久選手、強くてなかなか行けなかったです。フェザー級、まだまだいけるなと思っているので、盛り上がっていますし、中村大介、よろしくお願いします。40歳、ここからが全盛期です」と力強くマイクで語った。
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