▼第14試合 RIZINキックボクシングルール 3分3R
〇那須川天心(TARGET/Cygames)
[判定3-0] ※30-28、30-27×2
×クマンドーイ・ペットジャルーンウィット(タイ)
那須川は2014年7月にRISEでプロデビューして以来、キックボクシング37戦全勝、MMA4戦全勝、ミックスルール1戦全勝といまだ無敗を誇る“神童”。ムエタイ選手とはこれまで5戦(スアキムとは2戦)して全て勝利を収めている。
クマンドーイは9歳からムエタイを始め、これまでに150戦を経験。現在ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級1位(ルンピニーでも5位)にランキングされ、日本でもその強さを見せつけた王者サオトー・シットシェフブンタムのライバルである。2020年3月には11連勝中だったサオトーから勝利を奪っているほか、本人の証言によれば4~5年前にロッタンから勝利を収めたこともあるという。
2014年にオムノーイスタジアムのフライ級王者、2018年にはWBCムエタイ世界スーパー・バンタム級王者となっている。サオトーの兄であるサオエークとも対戦し、敗れてはいるが左フックでダウンを奪っている。パンチ&ローキックが得意。
試合前にリングサイド席に現れた武尊。場内が騒然となる。
1R、サウスポーの那須川に、クマンドーイはオーソドックス構え。那須川最初の左ハイの牽制は避けたクマンドーイ。強い右ミドルを当てるも、那須川も右から左ローで軸足をこかす。ワンツー&ローをまとめる那須川。クマンドーイの二段蹴りは当たらず。
クマンドーイの右ミドルを掴んで右を狙う那須川。左ミドルを効かす那須川にクマンドーイは右を強振も空振り。左の跳びヒザは那須川もクマンドーイはつかんで投げる。その攻撃に注意を受けるクマンドーイ。
右ミドルを突くクマンドーイ、その打ち終わりに右から左ストレートを突く那須川は若干慎重。武尊の目の前で手の内を見せ辛いか。那須川は左ハイをブロック上に当てる。
2R、右ジャブから突く那須川。右から左ストレートを突く那須川。クマンドーイも右で奥足ロー。那須川の左右にクリンチから後方に回して投げる。右ローを打ち込むクマンドーイ。さらに右ミドルもすぐにコンビネーションで返す那須川は、クマンドーイの右ミドルからの右スーパーマンパンチに那須川は左フック! バランスを崩しすぐに立ち上がる。ノーダウン。
コーナーに追い込む那須川だが、左を強振し押し戻すクマンドーイは右ミドル! その打ち終わりに那須川は左右を狙い胴廻し回転蹴りも。
避けるクマンドーイに左ボディ打ち、さらに至近距離の左ハイ! クマンドーイも右ハイをブロック上に返す。
3R、右ミドルを当てるクマンドーイ、さらに左をかわして右を打ち込む那須川。クマンドーイの左をかわして左ハイは那須川! さらに連打もクリンチ。コーナーに詰めてトリケラトプス拳を見せた那須川。
クマンドーイは右ミドルのダブル! しかし那須川は左ジャブ、左ストレート! 下がるクマンドーイに左ボディを突きコーナーに詰める。クマンドーイのミドルをカットする那須川。
さらに左右を詰めるとクマンドーイは蹴りながらも後退。クマンドーイの左ジャブに連打を返す那須川。左ハイで追い込んだところでゴング。
判定は3-0(30-28、30-27×2)で那須川が勝利。38戦全勝をマークしながらも笑顔は見せず。試合後、那須川はマイクを取り「ちょっと硬くなってしまって。クマンドーイ選手、これまで戦った選手で一番蹴りが硬くて長くて苦戦してしまって。今回、急なオファーを聞いていただきありがとうございます」と試合を振り返った。
続けて、「まだまだ未熟で会長からも怒られるんですけど、もっともっと強くなっていきたいです。こういうコロナ禍の中、やりたいことがやれない状況、たくさんあると思います。格闘技は闘う競技で、いろんなことと戦っていくんですけど、格闘技以外でも前に進んでいくことが最高の人生を送れると思います」と続けると、「今日、武尊選手、会場に来てくれてありがとうございます。何も決まってないですけど、一緒に格闘技を盛り上げましょう」と、呼びかけた。
また、リングサイドで観戦した極真空手時代の友人で2歳上の横浜流星に「互いに切磋琢磨してこうして会えて嬉しい、幸せだよ」と話すと、横浜流星も「テレビで見るより迫力あった、ゾクゾクした」と勝利を祝福した。
If you can dream it, you can do it. pic.twitter.com/wdMhMEB3H2
— 武尊 takeru (@takerusegawa) December 31, 2020