修斗修斗
MMA
レポート

【UFC】堀口恭司がTKO負け、マネル・ケイプが3R 右で倒してパウンドアウト「堀口と戦ったから今の俺がいる」。スターリングが10戦無敗・UFC5連勝に、フェザー級キルギスのマゴメドフが77秒、ツイスターで11勝無敗・全フィニッシュ勝利に! オリヴェイラがフィリをTKOでUFC5連勝、キャッチ戦でリマがボルハスに判定負けで連勝止まる、メスキータが腕十字で8勝無敗・UFC3連勝に

2026/06/21 06:06
【UFC】堀口恭司がTKO負け、マネル・ケイプが3R 右で倒してパウンドアウト「堀口と戦ったから今の俺がいる」。スターリングが10戦無敗・UFC5連勝に、フェザー級キルギスのマゴメドフが77秒、ツイスターで11勝無敗・全フィニッシュ勝利に! オリヴェイラがフィリをTKOでUFC5連勝、キャッチ戦でリマがボルハスに判定負けで連勝止まる、メスキータが腕十字で8勝無敗・UFC3連勝に

(C)Zuffa LLC/UFC

 2026年6月20日(日本時間21日朝6時~)、米国ネバダ州ラスベガスのMeta APEXにて『UFC Fight Night: Kape vs.Horiguchi 2』(U-NEXTUFC Fight Pass配信)が開催された。

 メインイベントはフライ級の5分5Rで、同級2位のマネル・ケイプ(アンゴラ/ポルトガル)と、5位の堀口恭司(日本)が対戦。両者は2017年大晦日RIZIN以来、8年半ぶりに当時のバンタム級からフライ級に、リングからケージに舞台を変えて再戦に臨んだ。勝者は同級1位のアレシャンドレ・ パントージャと並び、王者ジョシュア・ヴァンへの次期挑戦者候補となる。会場ではプレリム出場のアズウェルJrと同門のヴァンがメインを見守った(※試合後のマネル・ケイプと堀口恭司のコメントはこちら)。

▼フライ級 5分5R ※プレビュー
〇マネル・ケイプ(アンゴラ/ポルトガル)2位 23勝7敗(UFC 8勝3敗)※UFC4連勝 126lbs/57.15kg
[3R 2分42秒 TKO] ※右フック→パウンド
×堀口恭司(日本)5位 36勝6敗(UFC 9勝2敗)125lbs/56.70kg ※選手名からインタビュー

 2017年10月にRIZINバンタム級トーナメントでRIZINに初参戦したケイプは、1回戦で山本アーセンを1R 左ハイキックKO。12月29日の2回戦でイアン・マッコールを1R TKO。翌々日の大晦日の準決勝で堀口恭司と対戦し、自身のバッティングで一時中断もあるなか、3Rに堀口の肩固めで一本負けも、そのポテンシャルが注目された。

 その後、朝倉海と1勝1敗でリベンジを果たし、2021年2月からUFCにフライ級で参戦。24年7月のムハンマド・モカエフ戦の判定負け以降、ブルーノ・シウバ、アスー・アルマバエフ、ブランドン・ロイヴァルを相手に3連続TKO勝ち。25年12月の前戦ロイヴァル戦では、サウスポー構えになって前手の右をヒットさせてダウンを奪い、パウンド連打で1RでTKO勝ちしている。UFC直近8試合で7勝1敗。32歳。

 対する堀口は、2013年からのUFC4連勝で2015年4月に王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦も5R 一本負け。その後もUFCで3連勝し、フライ級戦線縮小に伴い、 2017年4月からRIZINに参戦。2017年7月からのバンタム級トーナメントでは、前述の通り準決勝でケイプに3R 一本勝ち後、同日の決勝で石渡伸太郎をKOに下し、優勝。その後、ダリオン・コールドウェルに2度勝利しBellator王座も防衛。

 23年にRIZINフライ級王座も獲得すると、2025年11月からUFCにフライ級でカムバック。タギル・ウランベコフを3R リアネイキドチョークで極めると、26年2月の前戦で当時6位のアミル・アルバジと対戦。1Rに右手を骨折も判定3-0で2連勝。同門のアレシャンドレ・パントージャに負傷TKO勝ちでベルトを巻いたジョシュア・ヴァンに対戦を要求していた。

 2月7日のアルバジ戦で右手を骨折していた堀口だが、全治6週間の怪我は手術は無しで、固定だけで治療。約4カ月半でオクタゴンに復帰。マネル・ケイプとの約8年半ぶりの再戦に臨む。35歳。

 初対戦時はともにバンタム級。今回は適正階級のフライ級で、ケイプは試合当日により大きく、堀口はよりスピーディーに戦っている。

 そして、APEXでの一回り小さなオクタゴンは、ともにステップを武器とするどちらに有利に働くか。また、前回堀口が「滑って作戦を変えた」とステップを制限したAPEXのマットのコンディションは、今回どうなるか。

 ともに打撃を主な武器とした前回から、この8年半で堀口もケイプもより組み技に進化を見せており、堀口は打撃と組みのトランジション、そして打撃のみならず寝技でも削っての判定勝ち、直近7連勝のうち3つの一本勝ちをマークするなど決定力も高い。

 また、ケイプはよりテイクダウンディフェンス、ガードワークに磨きをかけ、UFCでのテイクダウンディフェンスは81%。さらに打撃ではUFCでの打撃精度は56%で1分間の有効打数は5.04。これは堀口のUFC打撃精度47%、1分間の有効打数3.77を上回る。一方で有効打ディフェンスはケイプの57%に対し、堀口は64%と防御力が高く、被弾数が少ないことが分かるが、ズールー戦、アルバジ戦のフラッシュダウンのような打撃のダメージは気になるところ。

 UFC7勝中5つのKO・TKO勝ちを誇るケイプが打撃の決定力を高めているのは明らかだが、その破壊力ある打撃をいかに堀口は、自身のステップで当てられずに当てるか。ケイプは右利きだが、オーソとサウスポー構えをスイッチして戦っており、堀口の得意なカーフキックを警戒してくるだろう。また、小さめのオクタゴンは詰めやすく、ケイプがロイヴァルをスイッチステップでKOしたのもAPEX。一方で堀口が、相手にケージを背にさせての打撃や組みにも活用できるはず。

 そして、メインイベントの5分5R。堀口は22年4月のBellatorでのパッチー・ミックス戦以来の5R戦で、そのペース配分は経験済み。ケイプにとっては前戦が5Rマッチだったが、1Rでロイヴァルを仕留めているため、2015年4月のフランスでのKnock Out Championshipでの4R一本勝ち(腕十字)以降、3R以上は戦っていないことになる。しかし、ケイプはインタビューで「堀口は1R目は強い。エネルギーがあって、逃げ回る。3R目に堀口は失速する。それが僕のゲームで、僕は5Rが好きなんだ。他の多くのファイターと違い、僕は失速しない。どんどんペースを上げていく」と自信を見せている。とはいえ、勝負どころを逃さない両者は、5R戦でも序盤からチャンスがあれば仕掛ける展開がどう作用するか。

 遠間からの空手の飛び込みに加え、近い距離でのボクシングの堀口はケージを大きく使いたいが、ケイプは中間距離から近い距離での連打、追い足もあり、前に出ているときのテイクダウンディフェンスも強い。堀口は上下の蹴り、アングル、突きと同じタイミングのテイクダウンも含め、ケイプよりも高いMMA力で、8年半ごしの再戦を返り討ちにしたいところ。ただ、2月7日のアルバジ戦で右手を骨折し、全治6週間の怪我は手術は無しで固定だけで治療し、約4カ月半でオクタゴン復帰で、試合への不安も残る。

 8年半前に堀口の飛び込みを肌で体幹しているケイプは、いかに立ち合うか。序盤からの注目は、スタンドからいつもの圧力をかけるのはどちらになるか、だ。カーフキックも含め、堀口が打撃でコントロールできれば、より強化された組みに繋ぎやすくなるし、ケイプが角度をつけた入りで圧力をかけられれば、テイクダウンディフェンス、スタンドにも生きる。

ミドルで蹴ってテイクダウンの堀口に、ケイプは3R スイッチから右でダウン奪いパウンドアウト

 マイク・ブラウン、コディ・ダーデンらがセコンドの堀口。マネル・ケイプは日の丸の「全国制覇」のハチマキで入場。マットに水をまき、コールに両手を広げる。タッチグローブ。

 1R、グローブタッチ。サウスポー構えのケイプに堀口はインロー。右ミドルをヒット。その蹴り足を掴んで崩したケイプだが追わない。

 立つ堀口。オーソから左の蹴り。ケイプは左インロー。さらに左インロー。互いにフェイントを入れながら慎重な入り。レベルチェンジを見せるケイプに右ミドルを当てる堀口。右を突くが、ケイプも左をヒット! 少し下がった堀口だが立て直す。

 左インローのケイプ。さらに左ミドル。そこに堀口も左を突く。近目の距離に立つ堀口。ケイプのワンツーはサイドステップでかわして右ロー! ケイプの打撃に堀口がダブルレッグも突き放したケイプ。ケイプの入りに組みを合わせる堀口。ここも突き放すケイプだが、堀口は右ミドルをヒット!

 スイッチしたケイプの左前足にシングルレッグテイクダウンの堀口、ケイプは後方に回してガードでブザー。堀口のラウンドか。ミドルキックはマイク・ブラウンコーチから「掴まれるから止めよう」の言葉。

 2R、右前蹴りの堀口。ケイプから組みの動きも切る堀口。右ミドルを当てて、左フック! バランスを崩したケイプ。テイクダウンを混ぜることでケイプは狙いが定まりにくい。シングルレッグテイクダウンの堀口! ハーフガードのケイプは頭を抱えて引き寄せ、フルガードにする。クローズドガードのケイプ。下から細かいパンチ。堀口は左を打つ。下からヒジ打つケイプ。堀口も右の細かいパウンド。ケイプも左ヒジ。中腰になって右ヒジを落とす堀口は左足をまたぎハーフに。

 右手をヒザで踏んで左のパウンド! 立ち上がり飛び込んでパウンドもケイプもかわす。堀口のラウンドもインターバルで堀口は息が上がっている。

 3R、汗が見える堀口。右で飛び込む堀口をかわして左右で詰めるケイプ。そこにヒザの堀口。ケイプの連打をさばいて、右ストレート! ケイプにケージを背にさせる。中央を取るケイプは左を振るがかわす堀口、さらに右インロー。サウスポー構えのままのケイプは左ミドルもブロックの堀口。自らの左ローにバランスを崩す。しかし戻したケイプ。

 サウスポーからオーソドックス構えにスイッチしたケイプ。堀口の左から右のワンツーの入りをダックでかわしたケイプは、すぐに体軸を戻して右フック! 左を振っていたところにもらい、足が泳いだ堀口をケイプはさらに右の追い打ちでダウンを奪いパウンド連打! 亀になり四つん這いで動けない堀口は、ケイプの背後からのパウンド、左右の脇下からのアッパーを顎に受けて頭がマットに落ちたところでレフェリーが間に入った。

 試合後、ダニエル・コーミエーから「勝つだけでなく、あのような形で勝つのは、どんな気分ですか?」と問われたケイプは、「まず第一に、すべてのことに感謝する。神(アラー)のお許しがなければ、俺はここにいなかった。これが俺の文化です。ありがとう。自分の人生で最高の試合だったと思う。俺が今の自分になれたのは、彼(堀口)と戦ったからだ。2017年の頃、俺は彼のようになりたいと憧れていた。そして今、俺がこのポジションにいるからこそ、日本のみんなに『おめでとう』ではなく『アリガトウゴザイマシタ』と伝えたい」とコメント。

 続けて「あなたにとって、立ち上がりは決して楽なものではありませんでした。彼に何度かテイクダウンを奪われましたね。3ラウンドに向かうとき、どんなことを考えていましたか?どのようにして流れを自分の方へ引き戻そうと考えたのでしょうか?」と問われると、「俺について一つ言えるのは、俺は“絶対に諦めない”ということだ。絶対にだ。俺はこれまでの人生で、もっとひどい逆境や困難に直面してきた。だから、彼がどこかのタイミングで俺に触れてくることは分かっていたんだ。以前戦った時もそうだったからね。でも、俺の最大の特徴は“一度でも相手に触れれば、相手は死ぬ”ってことだ。信じてくれ」と一撃の強さを誇った。

 また、「その圧倒的なパワーこそが、他のフライ級選手とあなたを分けるものです。見事な右を当てて彼にダメージを与えました。そして彼をダウンさせた後、アッパーを何度か当てて、完全に仰向けにさせました。彼はレフェリーのストップに少し不満そうでしたが、完全に終わっていたように見えました。試合の序盤では彼を捕まえるのに少し苦労していた中で、あの打撃が当たった時、どれくらい手応えを感じましたか? 彼はここでダメージをごまかそうとしましたが、その後のアッパーカットで完全に意識を飛ばされましたよね」と問われると、ケイプは、カーフを警戒してのサウスポー構えからフィニッシュ前にスイッチしたこと、試合前に語っていた日本大会について再度アピールした。

「ああ。前回俺たちが戦った時、俺はずっとオーソドックス構えだった。だから今回はサウスポーで長い時間戦ったんだ。そしてオーソドックスに戻した時、彼は俺の動きが見えなくなった。俺がずっと言ってきたのはそういうことだ。“俺の動きは誰にも読めない(予測不能だ)”ってね。本当に読めないんだ。ハンター(キャンベル)、そしてデイナ(ホワイト)にシャウトアウト(よろしく)。もう一度言うぜ。俺はぶち壊してやったんだ。みんな日本に行きたがってるけど、もし日本に行きたいなら、俺という“ブラック・ジャパニーズ”を連れて行かなきゃならないぜ」

 最後に「今回のパフォーマンスでタイトル挑戦権を得られたと思いますか? もしあなたの前に別の試合が組まれた場合、ベルトに挑戦するチャンスを待つ気はありますか?」の質問には、「分からないな。UFCがどんな計画を持っているかは分からない。前回の試合がタイトルマッチになるはずだったって話はしたよね。でもどうだ? 予定通りにはいかなかった。だが、アラー(神)は俺にもっと良い計画を与えてくれたんだ。トップにいる連中よりも、もっと優れていてタフな相手をね。分かる? だから俺はこの階級で最高の試合をしたんだ。この階級で最高の試合をしたんだから、ベルトを懸けて戦う必要がある。あともう一つ。俺たちはホテルに滞在してるんだが、そこでアフターパーティーをやる。みんな愛を届けに来てくれ。DJを呼んで、食べ物も用意してパーティーをするよ。全部俺のおごりだ。ビールもドリンクもある。それから、もう一つ。スポンサーに御礼を。モンスターエナジーにも。俺をサポートしてくれたすべての人に感謝する。ポルトガルにもシャウトアウトだ。俺たちはワールドカップで勝たなきゃならない。レッツゴー、ポルトガル!」と語った。

 また、試合後、堀口はXを更新。「皆さん応援ありがとうございました。 派手にぶっ飛ばされました。本当にすみません。 ケイプ選手強かった。 ありがとうございました! これだから格闘技は辞められないよね。 鍛え直してまたすぐに戻ってきます! まだ俺の夢は諦めない」と再起を誓っている。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.344
2026年5月22日発売
日本人初のUFC世界王座獲得を目指した平良の挑戦を追う。ロッタン撃破で引退の武尊特集、悲願のRIZIN王座戴冠のグスタボ、扇久保博正、鶴屋怜も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント