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【UFC】堀口恭司をTKOしたマネル・ケイプ「グラウンドになった時、俺は堀口に好きなように動かせていた」×堀口「ダメージが少なくて済んだ」

2026/06/22 15:06
 2026年6月20日(日本時間21日)、米国ネバダ州ラスベガスのMeta APEXにて『UFC Fight Night: Kape vs.Horiguchi 2』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。  メインイベントはフライ級の5分5Rで、同級2位のマネル・ケイプ(アンゴラ/ポルトガル)と、5位の堀口恭司(日本)が対戦。両者は2017年大晦日RIZIN以来、8年半ぶりに当時のバンタム級からフライ級に、リングからケージに舞台を変えて再戦に臨んだ。  勝者は同級1位のアレシャンドレ・ パントージャと並び、王者ジョシュア・ヴァンへの次期挑戦者候補となる試合。約1000人収容のAPEXの会場ではヴァンも見守るなか、ケイプは前日計量時より、身体を戻してきていた。  通常のオクタゴンより直径が5フィート(約1.52m)小さく、面積が約30%(約3分の1)小さいAPEXのオクタゴン。足を使う選手にとっては、ケージに詰まりやすく(詰めやすく)、間合いを取るためには、マットのグリップのコンディションも気になるなか、ケイプは試合前にオクタゴンのマットに水を撒いていた。 恭司がエネルギーを消耗して疲れることは分かっていた  1Rからサウスポー構えを取ったケイプは、じりじりと詰める慎重な出だし。オーソの堀口もいつもよりステップは控えめ。対サウスポーとしてインローと右ミドルを効果的に当てていった。蹴り足を掴むケイプ。堀口はスイッチしたケイプの左前足にシングルレッグでテイクダウン、ケイプはギロチンも狙いながら後方に回してガードに入れてブザーが鳴った。初回は2者が堀口を10-9で支持し、1者が10-9でケイプを支持していた。  2Rは、明確に堀口のラウンドに。堀口は右ミドルから左フックを当て、ケイプの足を止めると、ケイプのインローを掴んで左フックをヒット、そのままテイクダウンに成功する。堀口はケイプの右足を超える形でハーフガードでトップキープに成功。左足でケイプの右手を押さえてパンチを落としている。  ラウンドをしっかり獲ったが、ケイプもスクランブルをせずに背中を着いて大きなダメージを負わないディフェンスに終始。この攻防で力を使ったのはどちらか。  インターバル。トップにいた堀口だが、コーナーで肩で息をしながら呼吸を整える。ことのきケイプは、落とした2Rは力を温存していたという。  試合後の会見で、「グラウンドになった時、僕は彼に好きなように動かせていたんだ。なぜなら、彼がいずれ疲れると分かっていたから。みんなにも言ったよね。彼は3Rを超えたことがないんだ(※Bellatorで5Rを経験)。日本の試合は3Rまでしかなくて、5Rまではやらないからね。だからグラウンドになった時も、僕は落ち着いていた。エルボーをいくつか入れようと自分の動きをしていたよ。でも、彼がたくさんエネルギーを消耗して疲れることは分かっていた。彼の肩はパンパンになるってね」と振り返る。  陣営から「左(前手)フックに警戒しろ」と注意を受けていたケイプ。 「僕は大人だ。無鉄砲でも恐れを知らないわけでもない。かつてのように戦略もなく、何も持たずにただ突き進むだけの若者じゃない。試合が上手くいかない時“どう立て直すか”を知っている。自分が何をすればいいか、今の自分がどれほど強いかを自信を持って示すことができる」と、序盤を取られながらも“我慢”の展開のなかで、5R通して取り戻す自信も持ち併せていた。 サウスポーからオーソに戻した時、彼は俺の動きが見えなくなっていた  3R、ラウンドを取り返しにきたケイプ。堀口の右の跳び込みをかわしたケイプは、突き放して長い左から入って右。近づいてきたところでかわして組む堀口だが、前のめりになっているケイプだが、それを突き放す。これまで組めていた堀口をケイプが切った入りだった。  さらに追うケイプは、堀口の左フックをかわして詰めるが、堀口も下がりながら近距離で右フックをかすめると、ケイプは連打。これもさばいた堀口は左で差して組み。そのままケージに詰めて左ハイをガードさせて、足を着地させてそのまま左を振っている。  中央に押し戻すケイプ。堀口の右をかわすが、詰めたところに堀口は左。さらに左から右のワンツーを歩きながらさらに左から右を当てて反対側のケージまで押し込んでいる。  この攻防後、互いにさらに間合いが近くなり、両者の足が止まる。陣営から「蹴るな」と言われていた左インローでスリップしたケイプ。実はここでケイプは左足を痛めていた。 「蹴りをチェックされただけだよ。インサイドキックを蹴ったんだ。頭の中でデジャブが起きたよ。コーチに『インサイドキックは絶対に蹴るな、足を骨折する可能性があるから』って言われてたからね。それが起きた時、痛みを感じて“うわっ”てなった」  いったんケージまで下がりながら回復させて、それでももう一度左インローを当てたケイプ。ここでケイプはオーソにスイッチする。堀口の右カーフを警戒して、この日開始からサウスポー構えだったケイプは、序盤を取られている勝負のラウンドで、強打を持つ右を奥手にした。  ケイプはその瞬間を「諦めずに時間をかけて、サウスポーで戦い、そしてオーソドックス構えになった時に自分のパワーをぶつけるんだ」と考えていたことを明かす。 「前回俺たちが戦った時、俺はずっとオーソドックス構えだった。だから今回はサウスポーで長い時間戦ったんだ。そしてオーソドックスに戻した時、彼は俺の動きが見えなくなった。俺がずっと言ってきたのはそういうことだ。“俺の動きは誰にも読めないってね」  いつものリズムを取りながらの打撃が、近い間合いでの連打の交換になっていた堀口。左を突くと、ケイプは右に頭を傾けてかわし、続く右もそのままダッキング。そこに堀口は得意の左フックを振る。右から頭を傾けて左を振って外に抜ける動きは、堀口の得意な動きだ。しかし、足を止めての打ち合いの形となり、ケイプはその内側を前手の右のショートをコンパクトに打ち抜いた。  ダックしてすぐに身体を戻して打ったケイプの体幹の強さ。堀口の左より先に右はアゴを打ち抜いた。 [nextpage] すぐパッて落ちちゃうから、逆にダメージが少なくて済む(堀口)  自身のYouTubeで堀口はこのカウンターを、「1発当たっちゃったなって感じだね。ケイプが得意のスリップしてストレート打った。それが得意でカウンターでもらっちゃったなっていう感じ」と振り返る。  足が泳いだ堀口に、すぐに右の追い打ちで覆いかぶさるケイプ。ダウンして四つん這いの亀になった堀口にサイドバックからケイプは左脇下からアッパー連打。頭をガードする堀口に、さらに右の鉄槌を上から落として、右の脇下からアッパー。この一撃で堀口が頭からマットに崩れ、レフェリーが間に入った。  このフィニッシュについて堀口は、「ダメージが溜まらずに済んだ」という。 「俺あんま打たれ強くないじゃん。だからそのなんて言うのかな……すぐパッて落ちちゃうから、逆にダメージが少なくて済むっていうか。いっぱい耐えられる人はガンガンそれでも食らっちゃう。それでより一層ダメージが蓄積しちゃう。良いのか悪いのかね」と、今回のTKO負けは、記憶もはっきりしていると語った。  5R戦でしっかり大事な序盤を取っていた堀口。APEXのオクタゴンで、試合前から中盤以降の勝負を語っていたケイプ。それを遂行した準備とスタミナ、戦略が前戦から8年半を経て、ラスベガスの住人となった32歳のケイプにはついていた。 「あの時は若すぎた。自分は荒削りで、怖いもの知らずだった。とてもワイルドだったから。今回はペースを落として、もっと賢く戦わなければならなかった。時間は人に知恵を与えてくれるんだ」というケイプ。 「恭司のやることはすべて見えていた。そのスタイルをよく知っている。彼の武器も、何が得意で何が苦手かも分かっていた。彼はすえてにおいて非常に優れているけど、僕にはすごくいいものがあるんだ、力だよ。彼よりも僕の方が力がある」  UFCフライ級史上最多の6つのノックアウトを記録した“スターボーイ”は、ケージの中で「俺が今の自分になれたのは、彼(堀口)と戦ったからだ。2017年の頃、俺は彼のようになりたいと憧れていた。そして今、俺がこのポジションにいるからこそ、日本のみんなに『ありがとう』と伝えたい」と日本でのキャリアへの感謝を語り、「みんな日本に行きたがってるけど、もし日本に行きたいなら、俺という“ブラック・ジャパニーズ”を連れて行かなきゃならない」とUFC日本大会での再会をアピールした。  一方の堀口も、下を向いてはいない。 「俺は、前を向いてるんで。俺に残された時間も少ないから、だからベルトを目指して一直線で行きたいなって感じかな。またやり返すんで見ててください。本当にね、くよくよして後ろを向いてもしょうがない。やることやって前を見て『侍魂』で突き進むだけなんで、よろしくお願いします」と、再起を誓っている。  勝者は、今後について、「少し休むよ。娘に会えていないんだ。だって僕はこの戦いに集中したくて(同じラスベガスにいる)家族と離れてアパートにいたから。この合宿をすごく真剣に受け止めてきた。コーチたちと二人きりで、今起きていることすべてに集中してきた」と、その強さをよく知る堀口との試合に全集中していたこと、今後は王座挑戦のときを待つと語る。  そして試合後のU-NEXTのインタビューでは、「恭司はほかの選手を全員倒して、ここに戻って来ることは分かっている。日本初のチャンピオンを目指して戦っていることも分かっている。でも彼の前に僕がタイトルを獲らなきゃいけない。恭司とは僕の防衛戦で会うだろう。その試合は日本で行われなければならない。東京ドームかさいたまスーパーアリーナで」と、盟友にエールも贈った。  実質的に次期王座挑戦権をかけて戦ったライバルの2人。マネル・ケイプの試合後の会見での一問一答全文は、以下の通りだ。 [nextpage] ケイプ「時間は人に知恵を与えてくれる」 ──スターボーイ、素晴らしい勝利おめでとうございます。今回の勝利はどれほど重要ですか? 何年も前の大一番で堀口恭司があなたに勝っていたことを踏まえて、この勝利はあなたにとってどれほど大きな意味を持ちますか? 借りを返せたことはどれくらい嬉しいですか? 「もちろん、どんな勝利でも人を幸せにするものだけど、この勝利は……リベンジだったからね。自分が取り組んできたことすべてが上手くいったから、すごく嬉しいよ」 ──最初の試合の時よりも、今回の試合ではずっと忍耐強く、落ち着いていましたね。 「少しね。若い頃の自分は荒削りで、怖いもの知らずだった。とてもワイルドだったから。今回はペースを落として、もっと賢く戦わなければならなかった。時間は人に知恵を与えてくれるんだ。いつだって、時間が知恵を与えてくれるんだよ。あの時は若すぎたんだ」 ──堀口は最初の2ラウンドの序盤でいくつか成功を収めました。多くの人が、あのラウンドは彼のものだったと見ています。しかし明らかに、フライ級におけるあなたのパワー、つまりあなたのサイズであなたのように打てる選手は多くありません。勝利を掴むために、そのパワーが必ず活きると最初から分かっていましたか? 「分かっていたよ。自分がこういう状況になることも、彼が(打撃で)僕を傷つける可能性があることも分かっていた。彼には良いタイミングがあるからね。試合がこういう展開になることは予想していたんだ。試合で起きたことすべてが、僕の頭の中にあった通りだった。こうなることは分かっていたけど、ただ諦めずに、時間をかけて、サウスポーで戦い、そしてオーソドックス構えになった時に自分のパワーをぶつけるんだ」 重要なのは「どう始めるか」ではなく「どう終わらせるか」 ──先ほど最初の2ラウンドについて言及していましたが、足にブーツを履いているのが見えます。その怪我について、何か医師などから言われましたか? 「ああ、ただ(蹴りを)チェックされただけだよ。インサイドキックを蹴ったんだ。インサイドキック(インロー)を蹴った時、頭の中でデジャブが起きたよ。コーチに『インサイドキックは絶対に蹴るな、足を骨折する可能性があるから』って言われてたからね。それが起きた時、痛みを感じて“うわっ”てなった。でも、大丈夫だよ。ただ腫れてるだけで、アイシングすれば良くなるさ」 ──マネル、明らかにあなたは堀口恭司が仕掛けてきたこと、特にグラウンドの展開にうまく対処できたと感じていると思います。今週初めにもそのことについて話し、「あの時期の自分は間違ったガレージにいるフェラーリだった」と言っていましたね。先ほど「時間が知恵を作る」と仰っていましたが、今夜のように状況に適応し、恭司のプレッシャーを凌ぎ切ることができた要因は、他には何がありますか? 「いや、グラウンドになった時、俺は彼に好きなように動かせていたんだ。なぜなら、彼がいずれ疲れると分かっていたから。みんなにも言ったよね。彼は3ラウンドを超えたことがないんだ(※Bellatorで5Rを経験)。日本の試合は3ラウンドまでしかなくて、5ラウンドまではやらないからね。だからグラウンドになった時も、僕は落ち着いていた。エルボーをいくつか入れようと自分の動きをしていたよ。でも、彼がたくさんエネルギーを消耗して疲れることは分かっていた。彼の肩はパンパンになるってね。そして、3ラウンドに入った時にまさにそれが起きた。彼は疲れていたんだ。だから、あそこで僕がやったことすべて、起きたことすべては、そうなるって分かっていたし、すべて上手くいったんだ。一番重要なのは“どう始めるか”ではなく、“どう終わらせるか”だということだよ」 [nextpage] 僕の実績はヴァンよりもずっと上 ──チャンピオンのジョシュア・ヴァンが会場に来ていて、あなたの試合を見ていました。明らかに、あなたとパントージャの二人が次に戦うべきだと皆が考えています。今夜の勝利で、ジョシュアと戦うのに十分なアピールができたと思いますか? 「十分だったよ。十分だ。前回ブランドンと戦った時でさえ十分だった。ケージの中で僕がやることすべてが十分なんだ。なぜなら、僕は常に素晴らしいパフォーマンスを見せているからね。相手をフィニッシュしてきた。まあ、彼らには戦わせておけばいい。僕は少し休みを取って、やるべきことを片付ける必要があるんだ。家族とゆっくり過ごして、友達にも会いたい。少し休みたいだけなんだ」──分かりました。ジョシュア・ヴァンはここしばらく、あなたのことをあまり良く言っていません。彼はあなたに対して失礼だと感じますか? 「何も感じないよ。何も感じない。僕は今、彼よりもずっとずっと優れた選手を倒したばかりだ。僕のレジュメ(実績)は彼よりもずっと上だよ。彼が今いるポジションにつけたのは、僕が足を骨折したからだ。それで彼は(ブランドン)ロイバルとの試合に駒を進めたんだ。彼が負けていた試合だけど、ノックダウン(※最終回にヴァンがダウン奪い判定勝ち)でショーを奪った。もちろんね。でも聞いてくれ、僕はブランドン・ロイバルを1ラウンドでノックアウトしているんだ。だから、彼が何を言おうと、彼は僕の子供みたいなものさ。彼は僕の子供だし、彼のおむつを替えてやるのが待ちきれないよ」 ──もしヴァンと戦ったら、ノックアウトできると思いますか? 「もちろんだ。当然だよ。絶対にね」 僕のホームタウンである日本にUFCを持ち込もう ──そして、あなたのパワーは常に話題の中心です。あなたは現在、UFCフライ級史上最多の6つのノックアウト記録を持っています。これはあなたにとってどんな意味がありますか? 「“最も少ない試合数での最多ノックアウト”だろ? 想像してみてよ。もし相手が棄権した他の試合がそのまま行われていたら、もっともっとノックアウトの数を稼げていたはずだ。僕はUFCでまだ10試合(※今回で11試合)しかしていないと思うんだ。10試合で6回のノックアウトさ。だから、いい数字だよ。いいアベレージだろ。デリック・ルイスを超えたいんだ。デリック・ルイスの記録(16回)を抜きたいし、自分にはそれができると分かっている」 ──それは素晴らしいですね。今日はCR7(クリスティアーノ・ロナウド)のセレブレーションをやりましたか?「Siu(スー)」をやりましたか?(※ジャンプして空中で回転しながら両手を広げて着地し、Siuと叫ぶ) 「もちろんだ。当然だよ。これは僕の文化、ポルトガル文化の伝統でもあるからね」 ──最後にあなたの名前がコールされた時、あなたはジャンプするような動きをして、意図的にキョージの目の前に着地しましたよね。あれは明らかに何らかのメッセージやシグナルだったのか、それとも過去の悪魔を祓い落としていたのでしょうか? あの瞬間の意味は何だったのですか? 「いや、ただのそういう瞬間じゃなかったよ。好きに解釈してくれればいい。たまたまそっちの方向に行っただけさ。たまたまそっちに行ったんだ。誰にも分からないよ」 ──はい。平良達郎や堀口恭司がUFCを日本に持ち帰るというような話もありましたが、あなたがUFCを日本に持ち帰ることはできますか? 「もちろんだ。日本じゃ僕は彼らよりもずっと人気があるからね。だから、僕はまたUFCの計画をぶち壊してやったんだよ。実際、最初はヴァンが平良相手に計画をぶち壊して、今度は僕がUFCの計画をぶち壊すした。2回目さ。だから、もし彼らが日本に行きたいなら、僕のブラックキャット、日本人ファンと一緒に行かなきゃならないんだ。だから、ハンター(キャンベル・UFC幹部)と話して、日本に持ち込もう。日本は僕のホームタウンでもあるからね」 ──実現することを願っています。ありがとうございました。 「ありがとう」
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