▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49.0kg)5分3R
〇伊澤星花(Roys GYM/RIZIN女子スーパーアトム級王者)=48.65kg
[2R 0分37秒 サイドチョーク]
×山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)=48.85kg
25歳の伊澤は、MM11勝無敗の王者。2022年12月の「RIZIN.40」大晦日大会での女子スーパーアトム級ワールドGP決勝戦では、パク・シウと約1年2ヵ月ぶりに再戦すると判定2-1で勝利。GPを制した。2023年5月の「DEEP JEWELS 41」でアム・ザ・ロケットを1R 三角絞めで一本勝ち。7月の『超RIZIN.2』でクレア・ロペスにニンジャチョークを極めている。GPで伊澤が辛勝したパク・シウは山本とも練習しており、伊澤にとっては警戒すべきKRAZY BEE勢との試合になる。
山本は、日本女子レスリング黎明期に軽量級の女王として君臨し、42歳にしてMMA転向後はRENAと2度対戦するなど女子格闘技の人気を押し上げる活躍を見せてきた。2018年から2019年にかけて4連勝をマークも、2020年大みそかの浜崎朱加戦以降、RENA、大島沙緒里を相手に3連敗中で、49歳でMMA最後の試合に臨む。両者は当初、5月の『RIZIN.42』での対戦が決まっていたが、山本の怪我で延期となっていた。レスラー相手に強い山本が、伊澤のテイクダウンをいかに防いで自身の強いポジションを奪うか。サブミッションファイターの伊澤はいかに組んで極めるか。
引退試合でKIDと同じ『I Believe』で入場の山本美憂、カイル・アグオンとアーセンがセコンド。対する伊澤はK-Clannを離れ、夫COROと弟・風我がつく。
1R、拳を合わせなかったサウスポー構えの山本。遠間からダブルレッグテイクダウン! 伊澤はそこにアームインギロチンチョーク! 下から4の字ロックの伊澤に手のクラッチを外して首を抜いた山本は左でパウンド。腕十字もかけさせず、下から再びギロチンチョークを狙う伊澤にここも極めさせずトップキープ。
首を外して立ち上がった伊澤はヒザ。コーナーに押し込む山本はなおもヒザ。伊澤はコーナー背に登ってギロチンチョーク狙いも頭を下げない山本は作らせず。ブレーク。
再びシングルレッグでテイクダウンは山本。ギロチンチョーク狙う伊澤に極めさせず。
2R、足を痛めたか、ギアを上げた伊澤。右前手を突いて、右の蹴りで前に。山本が足を手繰りに行くと、その首を取り、右足でかわずがけで極めると、サイドから門脇チョーク改め伊澤チョーク! タップを奪った。
試合後、伊澤は、リングを去る山本に「山本美憂選手は私が小っちゃい頃からレスリングで活躍していた選手で、総合格闘技を始めた理由のひとつです。いつになっても強くて素敵でかっこよくて、山本美憂選手のようにもっともっと盛り上げて、新しい世代にバトンを繋げられるように頑張ります。私は女子格闘技が大好きですが、あまり好きじゃないという人が多くて悔しいです。もっともっと頑張るので、女子格闘技もよろしくお願いします」と惜別のマイク。
続けて、山本美憂の引退式で、アーセンは「母ちゃんはまた新しいことを見つけて挑戦すると思うので、挑戦を観たら応援よろしくお願いします、I LOVE YOU MAMA!」とコメント。
そして、最後に美憂にマイクが渡され、「まだ悶々としているというか……勝ってリングを降りるつもりだったので。最後と同じで戦績的には良くない選手だったにもかかわらず、RIZINの皆さん、ファンの皆さんがずっと応援してくれているので、こんなに幸せなアスリートがいるのかなと思います。ほんとうに寂しいです。まだいろんなことに挑戦していきます。ここまで支えてくれたコーチ、家族、皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございます」と挨拶。10カウントゴングを聞いた。