キックボクシング
レポート

【ビッグバン】城戸康裕がハイキック一閃KO勝ち、体重超過で王座はく奪の龍斗がハイキックKO勝ち、駿太がダウン応酬の激闘を制す、愛鷹亮が引退式でプロレスラー転向を発表、谷山俊樹がKO勝ち、山際和希はドロー

2023/12/03 15:12

▼第18試合 愛鷹亮 引退記念スーパーエキシビションマッチ 2分2R
愛鷹 亮(力道場静岡/初代Bigbangヘビー級王者)
勝敗無し
実方宏介(真樹ジムAICHI/第2代Bigbangヘビー級王者)


 愛鷹は中学・高校時代は柔道を学び、高校卒業後は静岡県警に就職して機動隊員になった。しかしプロ格闘家になる夢を諦められずに除隊、キックボクシングを始めて2016年12月に初代Bigbangヘビー級王座を獲得。2017年8月にKrushに初参戦すると同年11月からはK-1にも参戦。2019年8月にK-1初代クルーザー級王者シナ・カリミアンとノンタイルマッチで対戦すると、カリミアンを右フックでマットに沈める“ジャイアントキリング”を起こして一気に注目を集めた。


 2020年3月にタイトルマッチでの再戦が実現したが、判定で敗れタイトル奪取ならず。その後、6月に両眼網膜剥離で手術。2021年3月に復帰戦を行うもANIMAL☆KOJIに判定負け。連敗からなかなか脱出することが出来ず、2023年3月のRISEで南原健太にKOで敗れた試合後、「10年間格闘技が出来て幸せでした。ありがとうございました」と涙を流した。これが最後の試合となった。生涯戦績は22勝(10KO)13敗。妻は元AKB48・元SKE48の佐藤すみれで、9月に第二子をもうけたばかり。


 最後のリングは2017年10月に対戦した実方宏介と、2分2Rの引退記念スペシャルエキシビション。


 1R、ヘビー級の迫力ある打撃音が会場に響き、場内はどよめく。愛鷹は左フックのダブル、さらに左右フックと左ミドル。実方も左ミドルを返す。


 2R、愛鷹は左右フックからの右ロー、さらに後ろ廻し蹴りを見せると実方も後ろ廻し蹴り。両者ともブレイクを命じた和田レフェリーに襲い掛かり、笑いを誘う。ラスト1分、実方は左ミドルを連発、愛鷹は左右フックと左右ボディ。サイトは足を止めて交互に左右フックを叩き合った。


 エキシビションを終えた愛鷹は引退セレモニーに臨んだ。「ありがとうございました。自分はここまで来れたのは自分には師匠ともう一人会長がいます。深沢会長、渡辺代表、自分の方からお礼の花を渡させてください」と力道場静岡の深沢会長、KRESTの渡辺代表に愛鷹からお礼の花束贈呈。


 続いて実方より「本当は最後に公式戦で戦いたかった」とのメッセージ。

 愛鷹には後援会、元AKB48の佐藤すみれ夫人と長女から花束が贈呈された。


「こうやってリングの上で話させてもらうのは2年ぶりです。網膜剥離を患ってから連敗を重ねてこのようにリングの上からご挨拶させていただくことがかないませんでした。警察官を辞めて格闘家になって気づいたら10年経っていました。10年は短いような長いような、この10年を過ごせたのは応援してくれるファンの皆様、スポンサーの皆様、仲間たち、家族のおかげです。連敗中はどうしたらいいか分からなくて何度もやめようと思いましたし、練習に行くのも怖くて格闘技を見るのも怖くて逃げ出したかったんですけれど、そこに家族がいるから俺は6回も諦めずにリングに立ち続けることができました。言いたいことたくさんあるんですが、この10年間、本当にありがとうしかないです」と愛鷹。


 続けて「次の道についてですけれど、この場で言わせていただくのは少し違うのかなと思ったんですが、皆さんと顔を合わせて自分の声を伝えられる場がないので、この場で発表させていただきます。次は、自分はプロレスラーに転向します。一度リングを降りようと思ったんですが、やっぱり俺はリングでしか生きられないです。まだまだ戦いたい。その時にある方から声をかけていただけてプロレスラーの道を示していただきました。今後は飯伏プロレス研究所のメンバーとしてデビュー戦も決まっています。12月30日にGLEATのTDCホールでデビュー戦をやります。次の道でも俺は愛鷹亮の道を生きていきます」と、プロレスラーになることを発表。

 最後に10カウントゴングを聞き、格闘家・愛鷹亮はリングを降りた。

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