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レポート

【RTU】松嶋こよみがイー・ジャーにスプリット判定負け、中村倫也が野瀬翔平をKO、風間敏臣と決勝で対戦へ、SASUKEが涙の勝利「まだ俺は生きている!」、風間はミンウが体重超過で決勝進出

2022/10/23 19:10

中村が衝撃のKO勝利で野瀬との日本人対決を制し 風間の待つ決勝へ

▼ROAD TO UFCバンタム級トーナメント準決勝 5分3R
〇中村倫也(日本)5勝0敗 136lbs/61.69kg
[1R 2分21秒 KO] ※左フック

×野瀬翔平(日本)9勝2敗2分 136lbs/61.69kg

 バンタム級では、6月の1回戦でググン・グスマン(インドネシア)に1R アメリカーナで一本勝ちした中村倫也(日本)がLDH martial artsを離れ、フリーとして参戦。当初、同じ1回戦でケレムアイリ・マイマイチツォヘチ(中国)に判定勝ちした風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)との試合が決まっていたが、カードはシャッフルされ、準決勝で野瀬翔平(マスタージャパン福岡)と対戦する。

 中村は、2017年のレスリングU23世界選手権フリースタイル61kg級で優勝。2021年に『格闘DREAMERS』を経て、プロ修斗でデビュー。LDH martial artsを離れて以降は、フリーとして、パンクラスイズム横浜のプロ練習に参加し、マモルのパーソナル、津田勝憲のミット、KRAZY BEEでの山本アーセンとの練習、タケ大宮司のファンクショナルトレーニングと、出稽古を中心に、自身でそれをMMAのなかに落とし込んできた。すべてを背負う形で人生を賭けて臨む、27歳の準決勝となる。

 対する野瀬は柔道出身で25歳。高校2年生のときに、団体戦無差別の試合で重量級を相手に首の骨を骨折。地元の九大病院では手術が出来ないほどの重症のなか、ドクターヘリで福岡の病院に緊急搬送されている。

 脊椎損傷センターで足の骨を削って頸椎をつないで固める大手術を行ったが、『殺してくれ』と叫ぶほどの痛みのなか、車椅子に乗るためのリハビリから開始。奇跡的に1年後に痛みや痺れが和らいだものの、1年経っても懸垂1回もできず、腕立て伏せ10回もできない状態から『拾った命・身体だからやりたかったMMAをやろう』とMMAの道を進んだ。



 修斗でプロデビューし2分け後、4連勝をマークも、2020年9月に工藤諒司にKO負け、2021年2月のRoad to ONEで吉野光(※10月20日午後11時~「UAE Warriors34」でジャマル・ラステムと対戦)にスプリット判定で敗れ初の連敗も、以降はMMA5連勝中。3月にはRISE WESTでのキックでも1R KO勝ちを収めている。



「ROAD TO UFC」では、1回戦でウリジ・ブレン(中国)に1R TKO勝ち(※ブレンが右足負傷)し、準決勝でキム・ミンウと対戦予定だったが、9月になって中村に対戦相手が変更された。同門の先輩SASUKEとの福岡での練習を経て、レスラー中村との戦いに向け、身体に沁み込んだ柔道、そして、元UFCの弘中邦佳代表ゆずりの柔術もMMAのなかで駆使して戦う。

 1R、サウスポー同士の両者。いきなりハイキックで入る野瀬に中村は左フック。これで野瀬が転倒するがすぐ立つ。タックルのフェイントからパンチ、さらに詰めてダブルレッグの野瀬。レスリングエリートの中村相手にも果敢にタックルを仕掛ける。

 近距離になると首相撲から中村が左ヒザ、これで野瀬が尻餅を着くようにダウンする。すぐ立った野瀬は前手の右フックを打ち返すが、四つの展開から崩してバックに付いた中村は、振り向いた野瀬に再び左ヒザ! これが効き中村がぐらつくと中村はパンチで畳み込む。左ストレート、左フックを続けて当てると野瀬がダウン。金網にもたれかかり尻餅の状態のまま何とか組み付こうとする野瀬だが、中村がパンチをまとめるとレフリーがストップ。レスラーながら強烈な打撃を見せて中村が風間敏臣の待つ決勝へ進出を決めた。

 試合後インタビューで中村は試合プランについて聞かれ「MMAは流れだと思う。臨機応変にアジャストしていかなきゃいけない。何発か打撃をもらった」と話すと、フィニッシュへと繋がった左ヒザが当たった時の手ごたえについては「彼は本当にタフだからあれで終わるか分からなかった。止められるまで集中していた」と最後まで気を抜かなかったと明かした。

 そして日本人同士となった決勝戦について聞かれると「決勝で日本人と戦えることは誇りに思うので、風間選手、決勝戦最高に試合にしましょう」と話し、ケージに足を踏み入れた風間と握手を交わした。

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