▼第10試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント決勝 5分3R
〇トフィック・ムサエフ(70.70kg/アゼルバイジャン)
[判定3-0]
×パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(70.95kg/ブラジル)
ライト級(71kg)GP決勝。
RIZINで矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザ、そしてGP準決勝でジョニー・ケースに勝利してきたムサエフ。対するパトリッキーはBellatorで2階級を同時制覇したパトリシオ“ピットブル”フレイレの実兄。Bellatorで5連勝中と波に乗っている強打者は、RIZINで川尻達也、さらに準決勝でグスタボをいずれもマットに沈めている。
1R、ムサエフ、パトリッキーともにオーソドックス構え。ともにノーダメージで決勝に進出してきた。慎重な出だし。右フックを振るパトリッキーをかわすムサエフ。今度は右ストレートで軌道を変えて打つ。右ローで牽制するムサエフ。さらにワンツーも深追いはしないパトリッキー。ムサエフは右に回りながら、左を振り、右ローをかすめる。
サウスポー構えから右足前にスイッチするムサエフ。左から右のワンツーはパトリッキー。しかし、ムサエフも右から左を打ち込んでいく。ガードの上に左右はムサエフ! 足をふらつけせたパトリッキーにボディロックからテイクダウン狙いはムサエフも、パトリッキーは首をつかんでの投げでテイクダウン! インサイドに入れるムサエフが立つとすぐにサッカーキックを入れるパトリッキー。しかし、ムサエフはダブルレッグテイクダウン! 足を効かせるパトリッキーにムサエフは中腰からパウンドする!
2R、左アッパーはパトリッキー、さらに跳びヒザもそこにムサエフは左ストレートを突く。左ミドルを突くパトリッキーをつかむムサエフ! スタンドバックについてテイクダウンを狙うが、バックヒジから正対し離れるパトリッキーが圧力をかけていく。細かくスイッチするムサエフの左にカウンターの右はパトリッキー! ムサエフはダブルレッグに入るが、そこに手押し車の形で両手でエスケープするパトリッキーはロープの外に。
リングから落ちたパトリッキーにムサエフのセコンドがリングに戻そうとしてイエローカードが出される。再開。ともにオーソドックス構え。ワンツー、跳びヒザはパトリッキー。ムサエフが詰めるとその場跳びでカウンターの跳びヒザを狙うパトリッキー。ムサエフは左ミドルも掴むパトリッキー。今度はパトリッキーがミドルもそれを待っていたムサエフは掴むとスタンドバックからテイクダウン! すぐに立つパトリッキーはコーナーまで歩き、ムサエフのクラッチを切る。しかし、ムサエフもすぐに背後から左足をかけて崩すと、背後からパウンド。パトリッキーが立って正対し、突き放して圧力をかけてゴング。
3R、サウスポー構えのムサエフ。パトリッキーはテイクダウンのフェイントも行かない。ムサエフは右から左をヒット! ここで打ち合うパトリッキーに、スタンドバックを取るムサエフ。正対するパトリッキー。スタンドに。ムサエフは左から右。パトリッキーが左構えになると右ハイを打つ。パトリッキーの左の打ち終わりにシングルレッグに入るムサエフ。しかし片足を抜くパトリッキー。互いに苦しい3R。
右ハイはムサエフ。かわすパトリッキーはスイッチし右足前にする。オーソドックス構えに戻すパトリッキーに左右から左を当てるムサエフ! 下がるパトリッキーを左でなぎ倒したムサエフ! ガードのパトリッキーは下から蹴り上げ! しかし背中を着いたパトリッキー。ムサエフは立たせるとスタンドに。右で飛び込むパトリッキー。ヒジを入れ、怒涛の左右の前進はムサエフ! 倒れないパトリッキーは組み付いて押し込むが、コーナーを背に倒れないムサエフ。トップロープとセカンドロープの間から頭を出して耐えるムサエフ。ボディクラッチするパトリッキーだが、崩しにはヒジをロープにかけるムサエフ。
試合は判定へ。3-0でムサエフが勝利。悲願のGP制覇で初代ライト級王者に輝いた。アゼルバイジャンの旗を背負ったムサエフは歓喜し、マットにひざまづくとベルトを腰に。12月31日は「全アゼルバイジャン人連帯の日」。
国営放送で母国で生中継される中、ベルトを巻いたムサエフは、リング上で、「アリガトウゴザイマシタ、RIZINフェデレーションナンバーワン。この勝利をアゼルバイジャンの国と国民に捧げたいと思います。今日は特別な日なんです。大統領の誕生日でもあります。同時にファンや関係者に心から感謝します。日本の皆さん、アゼルバイジャンの皆さんを愛しています。サポートに感謝しています」とマイク。
30歳でベルトを腰に巻いたムサエフは、リング中央であらためてひざまづき頭をマットにつけて、リングを後にした。