▼第2試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント準決勝 5分3R
×ルイス・グスタボ(70.65kg/ブラジル)
[1R 0分28秒 TKO]※グラウンドキック→レフェリーストップ
〇パトリッキー・“ピッドブル”・フレイレ(70.95kg/ブラジル)
グスタボは2014年に18歳でプロデビュー。16年にヴァンダレイ・シウバにそのポテンシャルを評価され、アンドレ・ジダの率いるチームEVOLUCAO THAIに移籍。往年のシュートボクセスタイルを彷彿させるアグレッシブな突進力が持ち味だ。矢地祐介をKO後、朝倉未来には判定負けも、上迫博仁を1R TKOに下している。重心が高い大きな打撃は徐々に精度を増している。また強いパウンドも併せ持ち、グラウンドも強いパトリッキーにその局面を作れるか。
対するパトリッキーはBellatorで2階級を同時制覇したパトリシオ“ピットブル”フレイレの実兄で、Bellatorで5連勝中と波に乗っている強打者。RIZIN初参戦となった10月の川尻達也戦では1RTKO勝ちしている。殺るか殺られるかの野生味溢れる戦いに加え、抜群の距離とタイミングで、トムソンやヘンダーソンといった強豪たちも下している。
グスタボについては「とても優れたアグレッシブな選手だと思う。しかし、私は“ピットブル”。私より優れている選手はいないよ。私はチャンピオンになるために生まれてきた。相手をボコボコにするために生まれてきた」と豪語している。
1R、グスタボから圧力をかけた左ローに、いきなりワンツーの右をヒットさせるパトリッキー! 下がるグスタボにさらに左から右でダウンを奪うと、すぐにサッカーキック! RIZINルールにも完全な対応を見せると、立ち上がってきたグスタボに右フックのダブル! コーナー際にうずくまるグスタボに再びサッカーキックを決めて、パトリッキーが28秒・秒殺で決勝進出を決めた。
▼第1試合 RIZIN FIGHTING WORLD GP 2019 ライト級(71kg)トーナメント準決勝 5分3R
×ジョニー・ケース(70.70kg/米国)
[1R 2分47秒 TKO]※パウンド→レフェリーストップ
〇トフィック・ムサエフ(70.70kg/アゼルバイジャン)
※ムサエフが決勝進出
米国レスリングベースのケースはUFC初戦で徳留一樹をギロチンチョークを極めているオールラウンダー。矢地祐介、北岡悟、ホベルト・サトシ・ソウザをいずれもTKOに下すタイミング抜群の打撃も持つ。攻防一体のスタイルはワンデートーナメント向き。テイクダウン、スクランブル、寝技と全局面で発揮される総合力の強さで優勝を勝ち取るか。
28日の個別取材では、「過去2試合で1回も被弾していないことだけは言っておく」と防御力の高さを誇るが、「鼻を折り、テイクダウンを奪われても、ほかの3人全員と戦うつもりで練習してきた。骨が折れても戦うよ」と強い心構えで臨む。
対するムサエフは母国アゼルバイジャンで国営放送での生中継も決まるなか、ユライア・フェイバーのもとでも練習を積み必勝を誓う。強打と切れ味鋭い蹴り技が持ち味。圧倒的なフィジカルと組み力で大尊伸光をパウンドアウト後、クルックシャンクに判定勝ち、ダミアン・ブラウンには左ミドル、左ハイを効かせてのTKO勝ちを収めている。特にオーソドックス構えからの左ミドルは様々な体勢から放たれ、相手を削るため、防御力の高いケースにいかに当てるか。
まだ底を見せていないムサエフ。元UFCのケース相手に新たな強さを見せるか。優勝までにはいかにダメージを残さず決勝に進出するかも大事だ。
1R、ともにオーソドックス構えから。ケースは左ジャブから右ロー。ムサエフはスイッチしながらかわす。ケースのローに右を狙うムサエフ。さらに左ミドルを先に打つ。ケースのジャブの打ち終わりを右、左を狙うムサエフ。
ケースの左の打ち終わりに大きな右のオーバーハンドを当てるムサエフ! コーナーにダウンするケースだがダブルレッグテイクダウン! しかし亀から立つケースにムサエフはさらに左フック! コーナーに沈んだケースにムサエフは鉄槌を連打! レフェリーが間に入った。
1Rで決勝進出を決めたムサエフは、国営放送で生中継中のアゼルバイジャンの旗を背に、「アゼルバイジャン!」と咆哮し、リングを後にした。