(C)Keisuke Takazawa/GONG KAKUTOGI
2025年3月9日(日)神奈川・横浜武道館で『PANCRASE 352』が開催された。13時45分試合開始(19時30分頃全試合終了予定)。試合の模様は、U-NEXTにて配信、英語解説版はTIGET PPVにて配信された。
▼クイーン オブ パンクラス チャンピオンシップ フライ級 5分5R ※選手名からインタビュー
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)第4代QUEEN OF PANCRASIST 23勝8敗1分 56.45kg
[1R 2分15秒 TKO] ※右フック
〇渡邉史佳(FIGHTER'S FLOW)挑戦者 1位 3勝1敗 56.35kg
※渡邉が第5代フライ級クイーンオブパンクラシストに
2024年3月にPANCRASEに初参戦し、ライカを相手にスタンドでも巧みに左の蹴りを当てて、テイクダウンからコントロール。フルマークの判定勝ちで初陣を飾った杉山は、2024年7月立川大会の2戦目で重田ホノカを1Rフロントチョークで絞め落とし、第4代クイーンの座に就いた。
そして、2024年11月24日には、『ベストボディジャパン日本大会』のフィットネスモデル部門レディースクラス(35歳~49歳)の部に出場し初優勝。さらに同部門の各年齢クラスの優勝者で競われるオーバーオールで総合優勝し、日本一に輝いている。
14kg減量の末、コンテスト当日の体重は54.9kg。MMAのフライ級は125ポンド(56.7kg)のため、格闘技の試合時より、さらに1.8kg絞った美ボディでベストボディジャパンを制している。この研ぎ澄まされた“魅せる”身体作りにより、新たに強化された部分も含め、ファイトする身体はどのように進化したか。注目だ。
対する挑戦者の渡邉は、2023年3月のプロデビュー戦でライカにスプリット判定勝ちすると、2024年3月にキャリア2戦目で当時ランキング3位のNORIに判定勝ち。9月立川大会で第2代王者の端貴代をフルマークの判定で破り、プロ4戦目にしてタイトルマッチの舞台に駆け上がってきた。
渡邉はテニスで活躍後、ボクシングのプロライセンスを取得。MMAではOOTA DOJOを経て、FIGHTER'S FLOWで渡辺華奈らとトレーニングする逸材との呼び声が高く、アグレッシブな闘いを信条とする。RIZINで杉山に2度勝っている渡辺華奈(米国PFL参戦中)はジムの先輩にあたる。華奈の後押しも受けて、一気に時代を掴むか。
それともベストボディジャパンで日本一に輝き、さらに肉体を研ぎ澄ましてきたベテラン杉山が、本職のMMAでも女王の座を守るか。
杉山「明日は大きな壁となって吹き飛ばすつもりで、しっかりリカバリーして戦いたいと思ってい
渡邉「明日は全力でベルトを奪いに行きます。応援よろしくお願いします」※渡邉会見コメント
1R、サウスポー構えの杉山にオーソの渡邉は左ローも空振り。続く杉山の右ローに渡邉はいきなり右でダウンを奪う。
足を効かせて蹴り上げの杉山は立ち上がり、そこに右をフルスイングする渡邉もかわす杉山。左を振ってシングルレッグに入る杉山に切る渡邉。
杉山は左ハイ、ガードした渡邉は、右アッパーのフェイントで杉山の組みをけん制する。杉山の左の蹴りにカウンターの右を当てる渡邉! ローシングルの杉山を切る。
右前手フックの杉山だが、足に力が入らないか滑らせる。杉山の左ミドルを右で狙い打ちする渡邉。被弾した杉山は後退しながらも左ハイは遠い。
先に右を出した渡邉に杉山も右を返そうとするが、そこに左フックを突く渡邉。後退した杉山にさらに右ストレート。足が泳ぐ杉山だが、ここでダブルレッグに。顔を剥がして突き放す渡邉。
杉山は覚悟を決めて左から右を返す。渡邉の左ローを掴んでニータップ&左ストレートでテイクダウンを奪うもすぐに立つ渡邉が、立ち際の杉山に右フックをヒット。
ワンツーの踏み込みが鋭い渡邉。杉山も果敢に左ストレートを返しに行くが、そこに渡邉は外から右をかぶせると杉山は後方にガードを取れずダウン、レフェリーが間に入った。
渡邉が第5代女子フライ級王者に。試合後、新王者は「試合までいろいろありましたが、チームのみんなの応援のおかげで覚悟を決めて試合をすることができて、ベルトを獲れて感謝の気持ちでいっぱいです。これからベルトの価値を上げられるよう、強い選手とどんどんやって頑張っていくんで、今後も渡邉史佳とFIGHTER'S FLOWの応援をよろしくお願いします」と語った。