河名マストがチハヤフルにTKO勝ち「打撃下手と言っていたヤツ黙れ!」
▼第13試合 GLADIATORフェザー級 5分3R
×チハヤフル・ズッキーニョス(MIBURO)66.15kg
[1R 2分35秒 KO]
〇河名マスト(ロータス世田谷)66.25kg
フェザー級戦。ともに6月の王座決定トーナメント準決勝で惜敗し、9月大会で成長を見せて勝利を手にした河名とチハヤフルが対戦する。
河名は、元グレコローマンレスリングU-23世界王者。全日本社会人選手権優勝・国体二連覇などの実績を引っさげて、MMAに転向も、初戦でジェイク・ウィルキンスのハイキックを受けてカットしドクターストップ。苦い敗戦を経験した。しかし、その後は約2カ月毎に試合を行い、怒涛の5連勝。武器であるグレコローマンレスリングをMMAにアジャストし、急激にMMAファイターとして成長し、2022年8月には北米LFAでUFCのマイルズ・ジョンズと兄弟のイラジャ・ジョンズと対戦。判定負けを喫した。
2022年11月のNEXUSで寿希也を2R TKOに下すと、2023年6月のGLADIATOR 022でPANCRASEで透暉鷹、亀井晨佑を苦しめたパン・ジェヒョクにスプリット判定負け。9月の前戦でユン・ダウォンを相手にスタンド、組みでも進化を見せて判定勝ち。再起を飾っている。
河名は、「トーナメントで負けて、改めて伸びしろに気づくことができ、それに向き合いながら前戦に臨むことができました。試合するたびに掴めている感覚があるので、今回も新たな自分を見せようと思います。チハヤフル選手は、頑丈で粘り強く戦う選手なので、徹底的に自分のフィールドに引き摺り込んで、心が折れる音を聞くのが楽しみです。自分自身のために勝って、大切な人と喜びを分かち合います!」とコメント。
一方、前戦でハンセン玲雄と対戦し、左ハイを効かせて左右ラッシュで2R TKO勝ちしたチハヤフルは、「前大会でフェザー級トーナメントが一旦終わりました。死闘を勝ち抜いたパン・ジェヒョク新チャンピオンのことは尊敬しています。が、決勝はダギースレンの計量オーバーでいまいち締まらなかったので、もう一丁盛り上げたいと思っていました。
ここに来ての河名マストとの対戦は必然だと思っています。トーナメント参戦の噂を聞いた時から戦いたいと思っていたので、前回互いに生き残り、ようやくその時が来たという思いです。河名マストの印象は、タフなエリートアスリート。レスリング時代とLFAでの試合も含め、世界を知っている選手だと思います。そのような選手に触れるのは初めてなので、非常に楽しみです。
対して僕はエリート要素ゼロの、彼から見れば野良犬みたいな存在でしょう。さっさとUFCに行きたい彼にとっては負けられない相手であることは確かです。しかし、GLADIATORには今後も国内外から新たな実力者が参戦してくるでしょうから、僕もここで負けてはいられない。河名マストを誰の目にも分かる形で倒せば、ベルトにも一気に近づくと思っています。
最後に、彼は純粋に結果を求めるアマチュア競技の延長としてMMAをやっているように見えます。一方で自分にとって試合は単純な競い合いではなく、命を燃やす祭です。対照的な僕ら2人、面白い化学反応が起きると思います。お見逃しなく!!!」と、河名とは立場の差と試合のとらえかたに違いがあることを語っている。
この試合の勝敗が、フェザー級タイトル戦線に大きな影響を及ぼすことは間違いないマッチアップだ。
開始早々圧力をかけて組む河名に、チハヤフルは前転亀の巻き込みも狙うが、コントロールし続ける河名。立ち上がったチハヤフルをすぐに追い左右の連打で危なげなく仕留めた。
試合後、河名は「KOしちゃいました!『打撃下手』と言ってたやつ黙れ! グローブ壊しちゃってたんで新しいグローブいただきありがとうございました」と語った。