▼第10試合 バンタム級 5分3R
〇井村 塁(Nexusense)61.45kg 9勝2敗・#1位/2020年NBT同級優勝・MVP
[判定3-0] ※29-28×3
×石井 逸人(TRIBE TOKYO MMA)61.55kg 17勝6敗3分・第11代環太平洋バンタム級王者
石井逸人は3年半ぶりのPANCRSE参戦。前回は2019年11月にいまなきスタジオコーストで現RIZINの瀧澤謙太と対戦し、3R TKO負けを喫している。
その後、石井は修斗に戻り、5勝2敗2分。2021年9月に現ONEの安藤達也に肩固めで敗れるも、2022年3月に石橋佳大に2R リアネイキドチョークで一本勝ちすると、2022年5月に小野島恒太に判定勝ちで環太平洋バンタム級王者に輝いている。
前戦は同王座防衛戦で藤井伸樹を挑戦者に迎え、激闘の末にスプリット判定で敗れ、初防衛に失敗したが、どちらが勝ってもおかしくない接戦だった。
地元・立川で迎え撃つ同級1位の井村は、2020年NBT優勝者。プロデビューから怒涛の6連勝をすべてフィニッシュ勝利でトップ戦線に駆け上がったが、2021年12月に実力者・中島太一との「バンタム級 暫定王者決定戦」で2R TKO負けで戴冠ならず。続く、2022年4月のTSUNE戦でも判定負けで2連敗に。
しかし、2022年9月に平田丈二を2R、リアネイキドチョークで極めて一本勝ちで再起を遂げると、12月の佐久間健太戦でも判定3-0で勝利。2連勝で再び王座戦線を登っている。
野球から植松直哉仕込みの柔術、CAVEでも練習する井村に対し、柔道ベースでTRIBEの猛者たちとMMAのスタイルを磨いた石井は、組み技もスクランブルも強く、井村の寝技を断ち切るか。
井村は、同級ランカーには“招かれざる客”である石井を地元で押し返すか。それとも石井があっさりとランキング1位を奪い取るか。
井村「元修斗チャンピオンと試合ができるということで、僕が勝ってまたタイトル戦線にたどり着けるように頑張ります」
石井「瀧澤謙太に負けてからの3年半が自分にとって何だったのかを確かめに行きます」
1R、ともにオーソドックス構え。先に詰める井村に石井は右カーフ。組む井村に首投げテイクダウン。すぐに井村は腰切り腕十字狙いも石井は鉄槌。足をかけさせず両手をロックし防御。頭を下げて右足をかけさせない石井。
石井が正面に回ると井村は脇を潜り一瞬バックを奪いかけるが、すぐに横に落とした石井がニーオンでヒジ、パウンド! カットした井村にドクターチェック。再開。左右の石に井村も右を振るが、そこに石井は卓矣にシングルレッグ。尻を着かせて井村の立ち際にスタンドバック。背後から顔にヒザを突く。ジャッジ3者10-9で石井を支持。
2R、詰める井村のシングルレッグに右脇から右手首をコントロールする石井。しかし、脇を潜った井村はバック! 両足をかけてフルバックを完成させるとリアネイキドチョーク狙い。しかし組ませない石井に井村はパームトゥパームで絞めに。ここも凌ぐ石井は背後の井村にパンチ。正対しようとする石井をさせずに井村は後ろに乗ってリアネイキドチョークで絞めるが、その都度後ろ手を剥がす石井!
前転気味に井村落とそうとする石井だが、ついていく井村がバックキープ。石井も背後の井村にパンチ。またも井村に出血でドクターチェック。額の左のカットの血が止血され、3Rへ。ジャッジ3者10-9で井村のラウンド。これでイーブンに。
3R、右カーフの石井。さらに右のオーバーハンドも大きい。詰める井村にシングルレッグに。左腕を1本入れている井村は背中に乗ろうとする石井を落としてシングルレッグから脇を潜り背中に乗って両足をかけることに成功。しかしすぐに腰をずらして正対した石井は立ち際の井村をダブルレッグテイクダウン!
ここで背中を着いた井村はフルガードから脇差し立ち上がりシングルレッグへ。ここもネルソン狙いの石井の脇を潜る井村。すぐに前に落とす石井だが、ここも井村はシングルレッグ、バック! 両足をかけて完全バックを作りリアネイキドチョークへ。
喉下には腕は入らず。4の字ロックで組む井村の渾身の絞めも石井は指を立てて極まっていないとアピール。背後にパンチでホーン。
判定は3-0(29-28×3)でバックを奪った井村が勝利。ガッツポーズで咆哮すると福井幸和PANCRASE代表と金網ごしにフィストバンプをかわした。