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【修斗】大激闘! 藤井が石井を下し初戴冠、清水清隆引退試合で無敗の山内渉がTKO勝ち、須藤が後藤をヒールで極める、フライ級で新井丈、内藤が勝利、女子アトム級で澤田が初代王者に、柔道五輪代表・緒方がMMAデビュー戦TKO勝ち

2022/11/27 16:11
 2022年11月27日(日)東京・後楽園ホールにて「プロフェッショナル修斗公式戦 2022 Vol.7」が開催された。 プロフェッショナル修斗公式戦 2022 Vol.7 速報 2022年11月27日(日)後楽園ホール(※ABEMA配信)[開場]17:15[開始]18:00 ※17:30よりオープニングファイト ▼メインイベント・第10試合 清水清隆引退試合 フライ級 5分3R×清水清隆(同級世界3位/TRIBE TOKYO MMA)[1R 0分44秒 TKO]〇山内 渉(同級世界5位/FIGHT FARM)  メインイベントは「引退試合」となる清水清隆(TRIBE TOKYO MMA)と山内渉(FIGHT FARM)の一戦。  2008年のプロデビュー以来、長きに渡り日本MMA軽量級の軸としてトップ戦線で活躍し続けた清水。その清水が最後の相手にリクエストしたことはただ一つ「今最も勢いのある若手」。  選ばれたのはデビュー以来負けなしの4連勝、世界ランク5位の山内渉だ。“番長”高谷裕之から受け継がれる“津田沼直系”の倒されずに倒すスタイルを継承する山内だが、清水も早い出入りからの一撃必倒のパンチを秘めているだけに、KO決着も十分考えられる。  山内は“番長”高谷裕之と元世界王者・田村彰敏の武闘派津田沼直系の遺伝子を継ぐ者。そのファイティングスピリットと打撃のセンスに定評があるフライ級注目のニューカマー。2021年7月に植木令和新に一本勝ちでプロ修斗デビューを果たすと、以降も高橋SUBMISSION雄己、大竹陽、内藤頌貴を相手にいずれも判定勝ちで4連勝をマークしている。   清水は、PANCRASEでプロデビューを果たし、キングにまで上り詰め、輝かしい実績を手に修斗に戦場を移してきた。PANCRASEでのファイナルマッチを終え、正真正銘、最後の戦いに挑む。  山内が未来の扉を開くのか? 無敗のプロスペクトを相手に「勝って締める」という清水が有終の美を飾るのか? これが本当に最後の最後。清水清隆と山内渉の戦いに注目だ。  1R、ともにオーソドックス構え。清水の得意の飛び込みをかわした山内は左ミドル。さらに左ミドル、左ジャブ、左ハイとオーソから左の攻撃。ハイをかわす清水。  山内は右フックを打つとその拳がテンプル付近をかすめたか、ダブルレッグに入った清水だが両足をスプロールする山内にそのままマットに倒れて動きが止まると、山内がパウンドラッシュ。レフェリーが間に入った。  試合後、山内は「清水さん、戦ってくれてありがとうございます。僕がMMAを始めた頃から憧れた選手です。勝てたことが嬉しいし、とても自信になりました。僕がフライ級を引っ張っていくのであとはゆっくり休んでください」とマイク。  清水は、「すみません。負けた人間がマイクを持つのはアレですが……自分は腹いっぱいの現役生活でした。結果は出せなかったんですけど、忘れられない一日でした。自分が皆さんにしていただいたことを返せるように頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼セミファイナル・第9試合 環太平洋バンタム級チャンピオンシップ 5分3R×石井逸人(王者・初防衛戦/TRIBE TOKYO MMA)[判定2-1] ※27-30, 29-28, 28-29〇藤井伸樹(挑戦者・同級4位/ALLIANCE)※石井が初防衛に失敗、藤井が新王者に  第11代環太平洋バンタム級王者・石井逸人(TRIBE TOKYO MMA)が、挑戦者に藤井伸樹(同級4位/ALLIANCE)を迎え、初防衛戦を行う。  石井は、2021年9月に安藤達也に2R 肩固めで敗れたものの、2022年3月に石橋佳大に2R リアネイキドチョークで一本勝ちすると、2022年5月に小野島恒太に判定勝ちで環太平洋バンタム級王者に輝いている。  対する藤井は、2020年9月に後藤丈治に判定勝ち、2021年1月に加藤ケンジにも判定勝ちで2連勝も、2022年1月の「環太平洋バンタム級王者決定戦」で小野島に判定負けで戴冠ならず。2022年5月の前戦で齋藤翼に判定勝ちで再起を遂げている。 “最も戦いたくない男”と言われる“ゾンビ”藤井を相手に王者として迎え撃つ石井はどう戦うのか。藤井が2度目のタイトルショットで悲願の王座奪取となるか? それとも石井が同門の先輩でもある清水のファイナルマッチに勝利のバトンを繋ぐ事ができるか。「最激戦区」と言われるバンタム級で最も熱い戦いがチャンピオンシップで実現する。  1R、ともにオーソドックス構え。左ハイを打つ石井は右の打ち終わりも。藤井は右カーフからダブルレッグテイクダウン。しかし石井は首投げから袈裟固め。立つ藤井に離してスタンドになる石井。互いにワンツーがしっかり伸びる。  ジャブをダブルで突く石井。藤井の入りに左ジャブを当て、ワンツーの右! 藤井は詰めるが石井は左ミドル。ジャブから右に繋ぐ。藤井も左ストレートを返すと、詰めて、互いにジャブの刺し合い。右ミドルの石井に、右カーフを当てる藤井。最後は右から左フックを当てる石井に、藤井もワンツー。ブザー直後に右が入り、一瞬石井の片ヒザが落ちる。  2R、ダブルレッグから立つ藤井を大腰で投げる石井に、藤井はすぐに立ち、バック狙いに藤井も脇を潜る!  金網で体を入れ替えた藤井がスタンドバックも、アームロックにとらえる石井はストレートアームバー。しかし潰して上を取ろうとする藤井。抜けるとボディ打ち。そこに石井はダブルレッグも、切ろうとする藤井が鉄槌! 強引な首投げの石井をすかしてパウンドする藤井! バックマウントからパウンド。リアネイキドチョークへ。しかし、後ろ手を剥がす石井。腕を入れ替える藤井だが、アゴ上。パームトゥパームで絞る藤井に、手を剥がす石井がスクランブルで立ち上がりブザー。なんという激闘!  3R、咆哮する石井。跳びヒザで飛び込む石井。ジャブからストレートは石井! 下がる藤井は組みに。右で差す石井は離れ際にヒジ! しかし藤井もジャブ。打ち返しをもらうが、石井はのダブルレッグを切り、シングルレッグで尻を着かせてバックに!  腰をずらす石井に後ろ三角から腕十字は藤井! 下になるも腕を巻き込み鉄槌を突き、三角を絞める藤井に、中腰からパウンドする石井。首を抜くと、すぐに藤井もスクランブルで立ち上がり。互いにフラフラになりながらワンツー。石井のダブルレッグを切った藤井がバックに回るも落とした石井。最後は両者が殴り合い。石井が左ミドルを打ち込みブザー。石井は大の字に。  判定は2-1(30-27藤井、29-28石井、29-28藤井)のスプリットで藤井が勝利。崩れ落ちた石井に藤井はすぐに駆け寄り言葉をかわした。藤井が修斗参戦10戦目にして王座を巻いた。  判定は2-1(30-27藤井、29-28石井、29-28藤井)のスプリットで藤井が勝利。崩れ落ちた石井に藤井はすぐに駆け寄り言葉をかわした。藤井が修斗参戦10戦目にして、ついに王座に就いた。  試合後、藤井は「ほんとうに皆さんの前で勝つことが出来てよかったです。ただ、疲れるな……(苦笑)。どっちが勝ってもおかしくない、こういう試合が出来たのも石井選手のおかげです。高阪さんやいつもサポートしてくださっている皆さん、感謝しています。今日はあと1試合、清水さんの引退試合を見届けたいと思います」と語った。 [nextpage] ▼第8試合 フライ級 5分3R〇新井 丈(世界ストロー級王者/キングダムエルガイツ・和術慧舟會HEARTS)[1R 4分10秒 KO]×大竹 陽(HAGANE GYM)  世界ストロー級王者となったばかりの新井丈が大竹陽を相手に「フライ級」戦に挑む。新井は、9連敗という類のない不名誉なレコードを打ち立てるも破竹の7連勝でストロー級世界王座を戴冠。しかも4連続KO勝利と拳一つで全てをひっくり返し、文句のつけようがない覚醒ぶりでストロー級の頂点に立った。  そんな新井が次に見せたアクションは階級をアップしての戦線布告。フライ級1位の関口祐冬(修斗ジム東京)をSNS上で挑発したが、すぐさま反応したのが“ミスター第2試合”と言われている大竹陽(HAGANE GYM)だ。大会に勢いをつける火付け役としてここ2戦はKO&一本勝利で連勝中と波に乗っている。  大竹は、新井戦の黒星後、高岡宏気とドロー、青井心ニを1R KOに下すも、関口祐冬、内田タケル、山内渉には敗北。しかし、2022年5月に須藤晃大を2R KOに下すと、7月には佐々木駿友を1R リアネイキドチョークで極めて2連勝で復活を遂げた。  両者は2019年に一度対戦しているが、その時は新井がKO勝利を収めており、奇しくも新井の連勝ロードが始まったのがこの大竹戦からだった。その後、新井は牧ヶ谷篤、津村有哉、飯野タテオ、木内 “SKINNY ZONBIE”崇雅、黒澤亮平、そして猿丸ジュンジを下し、ベルトを巻いている。  追う立場から追われる立場となった新井がネクストステージへのターニングポイントとするには打ってつけの対戦相手と言えるだろう。逆に失う物がない大竹にとっては話題の世界王者との対戦にリベンジまで出来るとあってはこんなにオイシイ相手はいない。1発で展開が変わる格闘技の醍醐味と恐さを知る世界王者・新井。そこに牙を向く大竹。3年ぶりにケージで再会を果たす2人の試合に注目だ。  1R、オーソから圧力をかける新井。体格は大竹が上回る。サウスポー構えの左ボディ、左ハイを打つ大竹。新井の入りに左を狙う。しかし新井が右を当てると、大竹は引き込みに。金網使い立つ大竹を追う新井は右ボディストレート! しかし、大竹も左ストレートを放つ。  強烈なプレッシャーをかけ続ける新井は、左ロー、左ストレート、左ハイの大竹を金網に詰めて右のショート! 大竹がダウンしたところにパウンドを連打し、レフェリーが間に入った。  フィニッシュ勝利した新井は、試合後、「もらっていいと思っているんで俺は。その方が楽しいでしょ。フライ級でも倒しちゃうみたいなんでどこまで行けるか、自分も楽しみで。坂本代表、お願いがあって。(左肩にストロー級ベルトを肩に)右肩が軽いな、と。平良くんが持っている(フライ級の)ベルト。ストロー級チャンピオンの俺と、1位の関口(祐冬)くんと俺だったら相応しいんじゃないかと。修斗ジム東京が嫌いなわけじゃないんで」と、関口との対戦をアピール。  そこに関口がケージインし、新井とフェイスオフ。関口は「あんまり誘いに乗るの好きじゃないので冷静に。試合が決まれば全然、自分は受けるんで決まればぜひ。(「誰?」のヤジに)誰、誰、うるさいな。1月に観に来い。試合を観に来れば分かるから」と返答。  新井は「彼がフライ級1位の関口くんです。あまり試合面白くないけど、俺が面白くするんで、決まったら観に来てださいね」と語った。 [nextpage] ◎根津優太 引退セレモニー [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 5分3R×後藤丈治(同級世界5位/TRIBE TOKYO MMA)[2R 2分01秒 ヒールフック] ※レフェリーストップ、テクニカル一本勝ち〇須藤拓真(X-TREME EBINA)  修斗初参戦がアナウンスされていた“レッグハンター”須藤拓真(X-TREAM EBINA)と、世界ランカー“アンストッパブル”後藤丈治(TRIBE TOKYO MMA)がいきなり激突。  須藤は6勝のうち足関節での一本勝ちが実に5回を数え、足を捉えたら最後、どこからでも一本を狙ってくる“極め”主体のファイトスタイル。2022年4月の『RIZIN TRIGGER 3rd』で渡部修斗を相手にヒールフック、ヒザ十字と攻め込み、スプリット判定で接戦を勝利。続く8月の『Fighting NEXUS vol.28』 では、バンタム級王者・河村泰博に挑むもダースチョークでレフェリーストップ負け。今回が再起戦となる。  対する“左の殺し屋”後藤は、開始から終了まで常に動き続けながら打撃を中心に打ち込んでいくファイトスタイル。2022年は3月にダイキライトイヤーに判定勝ち、9月に加藤ケンジに2R TKO勝ちと2連勝中。超足関節特化型vs.超打撃特化型の対決で、修斗黄金のバンタム級がさらに熱くなる。  1R、サウスポー構えの後藤はキャッチされにくい左ハイをガードの上に当てる。オーソから右インローは須藤。キック歴4年の経歴も持つ須藤は、右ミドルを返す。須藤の右の蹴りの打ち終わりに速い左ハイでアゴをかすめる後藤。  須藤は滑り込んでロールの動きを見せるが、深く入らず。まずは牽制。すぐに立ち上がる。左ボディストレートを突く後藤。間合いでかわす須藤は、右ハイも空振り。須藤の右ストレートに後藤は右前蹴りでストッピングする。  遠い間合いから足の戻しの速い左ハイは後藤。左ボディストレートは遠い。須藤も右ハイを打ち返すが届かない。右から歩いて左の蹴りで牽制し、さらに踏み込んで左ミドルを当てる須藤。  後藤も左ハイをブロック上に返す。須藤の右の蹴りと後藤の左の蹴りが交錯も、そのまますぐに左右のワンツーも打ち込む後藤。  須藤も右の蹴りを半身気味にダブルで上下に突く。その蹴り足を外に払いながら掴む後藤は片足立ちの須藤に右を狙う。金網に詰めて左ボディ打ちは後藤!  金網づたいに右に回る須藤にさらに左ミドルハイは後藤。右にサークリングする須藤は、前足を取りに行くが、頭を押さえ、足を上げて抜いて離れる後藤。  そのままシッティングガードで尻をマットに着けて近づく須藤。いったん立ち上がるとさらにロールして滑りり込みも遠い。  ならばと、須藤は後藤の左ストレートの踏み込みに右のアリキック! 片ヒザを着いてバランスを崩した後藤の足を取りに行く須藤だが、ここは足を掴ませない後藤。  シッティングガードで近づくも立ち上がる須藤。立ち合いになると後藤は左ハイをガード上に当てて左ストレート。ブロックする須藤は右足をスナップを効かせてジャブ代わりに。近づいたところで後藤の左右はガードを固める。後藤の左の蹴りの打ち終わりに左右を狙う須藤だが空振り。最後に互いに右の蹴りを打ち込みブザー。  2R、左サイドキツクで牽制する須藤。右ローを打つ後藤。右のダブルから左ストレートを突く須藤にバックステップでかわす後藤。須藤の前蹴りに左ハイを合わせて前に。  どっしり構え、圧力をかける後藤にセコンドの長南亮代表は「(金網)背負ってるから行っていい」と声。須藤のストッピングの左前蹴りを掴むと、左ストレート! すぐに右も突くが頭をかすめる。さらに左ボディにも繋ぐ速射砲の後藤だが、そこにシングルレッグは須藤!  ヒザをマットに着いて右前足を掴むと右に捨て身で巻き込みながら後転で後藤を引き込むと、後藤は手を着いて転倒。  回りながら右で脇を差し、右足を股の間に差し込んでいる須藤。後藤の左足にインサイド三角で組んで自身の左足とヒザ裏でロック! さらに後藤の左足を左脇に挟むと、肩抜き後転。  対角の足を取られうつ伏せにさせられる後藤はいったん仰向けに戻し、須藤の腕を掴みクラッチを緩めようとするが、その手を切る須藤はなおもサドルロックを組んだまま足首を捻り内ヒールフックで腹ばいに!  後藤は組まれた足を押して左ヒザを抜こうとするが、横回転して後藤の左ヒザより上で左足をかける須藤に、なおも後藤は正対して踵を捻られながらも両足の三角の間に左手を差し込むが、右足は須藤の左足に制されて突っ込めず。すでに後藤の踵は、ヒザとは真逆に向いており、捻るたびに「バキッバキッ」と音が鳴る。  左脇で足首を固定している須藤はレフェリーの顔を見て、「止めないのか」という表情。さらに絞ると、ヒザか足首が抜けたか、レフェリーが間に入った。後藤はタップしなかったものの、須藤の内ヒールによるテクニカル一本勝ち。須藤は「やったぞ!」と咆哮しいた。 [nextpage] ▼第6試合 フライ級 5分3R〇内藤頌貴(同級世界6位/パラエストラ松戸)[判定3-0] ※29-28×3×高岡宏気(FORCE GYM)  2021年10月の『RIZIN LANDMARK Vol.1』で、欠場した伊藤空也の代わりに階級上のバンタム級で渡部修斗と急遽対戦した内藤頌貴(パラエストラ松戸)。体格差によるダースチョークに敗れると、7月の山内渉戦で判定負けと、ここ2戦で連敗を喫している。再起戦の相手は、四国・香川を中心に開催されているプロ修斗「FORCE」の看板選手、高岡宏気(FORCE GYM)となった。  高岡は、2022年7月大会で齋藤奨司に判定負けも、9月の四国大会でメインを務め、約4年ぶりに復帰したニシダ☆ショー(総合格闘技道場BURST)との熱戦を判定3-0で制し、“聖地”後楽園ホールへの切符を手入れた。  四国・香川から這い上がり、格上のランカー内藤に挑む高岡のハングリー魂が勝つか? 静かに燃える内藤が熱き拳で返り討ちにするか? 新井vs.大竹に並ぶ、フライ級の好カードだ。  1R、サウスポー構えの内藤はオーソの高岡に、ジャブ&ローで出入りし、制空圏を取る。右を振る高岡はヒザを触る。内藤の右前手フックをかわす内藤。高岡は左ローから右を狙い、遠間からダブルレッグで組んで押し込むもブザー。  2R、前手の左フックが内藤の頬をかすめる高岡。内藤は右ジャブ。高岡は後ろ手から入り、前手を狙う。右オーバーハンドの高岡はバランスを崩した内藤にクリンチアッパー、スタンドバックにつき崩して手を着かせるが、立ち上がる内藤。そこをコントロールする高岡。  3R、高岡の入りに右ジャブを突く内藤。右回りでローも。右ボディストレートから左フックと繋ぐ内藤。さらに右カーフ。高岡は右を振ってヒザ着きのシングルレッグも触れず。ジャブ&ローの内藤にダブルレッグから組む高岡だが、崩れない内藤は突き放して左右をヒット。サークリングしてアウトキックボクシング。高岡のダブルレッグを差し上げ、スタンド勝負でブザー。判定は3-0(29-28×3)で内藤が勝利した。 [nextpage] ▼第5試合 インフィニティリーグ2022 女子アトム級 5分2R〇澤田千優(勝ち点8/AACC)[判定3-0] ※20-18×2, 20-17×小生由紀(勝ち点4/グランドスラム沖縄APP)※澤田が優勝、初代王者に 1年に渡り熱戦を展開してきた初代世界女子アトム級王者を決める「インフィニティリーグ2022」の優勝者が今大会でいよいよ決定する。  優勝の可能性があるのは、現在勝ち点8で首位を走る澤田千優(AACC)。そして9月に久遠から2R 腕十字で一本勝利を収め、勝ち点を4にした小生由紀(グランドスラム沖縄APP)の2人。全勝でトップを独走する澤田は、引き分け以上で優勝が決定。  対する小生は1RでKOもしくは一本勝利すれば大逆転優勝となる。両者は2021年5月に対戦し、スコアレスドローに終わっており、今回最高の舞台で決着戦となる。インフィニティリーグ優勝と初代世界女子アトム級王者に輝くのは下馬評通り本命の澤田か? それとも小生がグレートアップセットを起こすのか?  1R、すぐに詰めるサウスポー構えの澤田。小生は右ヒザ蹴りを当てるが、そこにテイクダウンを合わせる澤田。ハーフガードの小生は、二重がらみも背中を着かせられる。下から腕十字、三角絞め狙いの小生をさばく澤田は立ち上がり、首相撲ヒザ。さらに首投げテイクダウン! 袈裟固めからアメリカーナ狙いの澤田に、足を戻す小生は立ち上がり。右の前蹴り、ミドルを突く。左ストレートを当てる澤田に前がかりで打ち返した小生。そこに組んでテイクダウンは澤田。ハーフの小生を押さえ込む。ブザー。  2R、優勝はなくなった小生。右の蹴りもその足を掴んでテイクダウンは澤田。ガードから立ち上がる小生を小外でテイクダウンは澤田。ハーフから足関節狙いの小生を潰してサイド奪い左で脇を差し、両足に小生の左腕を挟んで固定し右手でパウンド! ディープハーフからクローズドガードに戻した小生は四角から引き付けるが、体を離した澤田。  スタンドになる小生の右の蹴りを掴んで大内刈テイクダウンは澤田。小生の足関節をさばいてサイドを奪い、腕十字に入ったところでブザー。  判定は3-0(20-18×2, 20-17)で澤田が優勝。初代修斗世界アトム級王者となった。MMA4戦目でベルトを獲得した澤田は「デビュー戦2戦目からインフィニティリーグ参戦の機会を与えていただきありがとうございます。毎日サポートしてくれた皆さん、家族のみんな、友達のみんな、ありがとうございます。まだまだ足りないことばかりで未熟なのですが、やりいたいことがあるのでこれからも精進します。応援、よろしくお願いします。とうてい及びませんが、兄の取れなかったベルトを2つも取れて嬉しいです。もっと認めてもらえるように頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 インフィニティリーグ2022 女子アトム級 5分2R〇中村未来(勝ち点8/マルスジム)[1R 4分59秒 TKO]×久遠(勝ち点4/ZERO)  もう1試合のリーグ公式戦も熱い。久遠vs.中村未来のストライカー同士の一戦。どちらも倒せる打撃の持ち主だが、勝利の鍵を握るのはテイクダウンか? ここで勝利し、2023年のタイトル戦線に向けてビッグインパクトを残すのは中村か久遠か。  1R、サウスポー構えの中村に。オーソドックス構えの久遠。ともにローから打ち合いのなかで中村が入ったところで片足となり久遠の右がヒットし、中村がダウン。すぐに立つ中村は右で差して押し込み。しかし、久遠も近距離でヒジ狙い。中村はダブルレッグでテイクダウン奪うが、すぐに金網使い立つ久遠。  そこにボディロックからテイクダウンは中村! マウントを奪い、激しいパウンド! ケージを蹴るも半身となりパウンドを浴び続ける久遠を見てレフェリーが間に入った。1R決着の中村は勝ち点4を追加し「8」に。 [nextpage] ▼第3試合 女子フライ級 5分3R×ライカ(日本/RIGHTTHING ACADEMY)[3R 2分18秒 リアネイキドチョーク]〇キム・ソユル(韓国/MOBTraining Center)  ライカはプロボクシングで30戦を超える戦績を持ち、3階級で世界タイトルを獲得。2014年からMMAに転向し、11勝8敗1NC。DEEP、REAL、PANCRASE、TTF、ROAD FC等を経て、2018年からPANCRASEに継続参戦。  2019年にグレイシ・ファリア、アニー・カロリネを相手に国際戦で2連勝も、2020年7月に端貴代に、2021年5月に法DATEにいずれも判定負けで2連敗中。その間、2021年1月にはRISEのキックルールにも挑戦し、浅井春香に判定負けを喫している。2022年4月の修斗初参戦では、キムの欠場により緊急参戦した階級下の杉本恵と修斗で対戦し、ドローとなっている。  対するキム・ソ・ユルは階級下の韓国のコンプリートファイター。2016年11月のMAX FCでキックボクシングでプロデビューを果たすと、6勝1敗。2017年にMMAキャリアをスタートさせ、2019年2月に桐生祐子に判勝ち、10月の日本大会では、現女子スーパーアトム級世界王者のSARAMIにもアトム級(※52.2kg)で判定勝ちを収めている。  オーソドックス構えから繰り出すシャープなワンツーに加え、SARAMIの内股を潰して、ボディロックからテイクダウンを奪うなど、組みの強さ、フィジカルの強さも見せている。  2021年12月には「Double GFC女子ストロー級(47.62kg)王座決定戦」で、ホン・イェリンの欠場を受けて代役出場したソン・ヘユンを相手に暫定アトム級ではなくストロー級で対戦し、1R 腕十字で一本勝ち。王座に就いている。  ライカとの一戦はフライ級(56.7kg)での試合となるが、修斗参戦の先に、SARAMIの持つスーパーアトム級(50.0kg)の世界タイトルも見据えるか。ソユルは「階級を超越した異次元女子バトル」と銘打たれた試合で、ともにどんなキャリアを目指すか。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローのソユル。さらに左ミドルも。前手を回すライカは右から左フックを打ち込むが、手数の多いソユルは上下に蹴りも交えてボディロックから小外がけテイクダウン! ハーフから金網まで這い立つライカ。左前手のフックを当てて圧力をかけるがソユルの蹴り返し。その蹴り足を掴んでライカも右ストレートを突く。  2R、詰めるのはソユル。右を振って、ボディ打ちから顔面と打ち分けてストレートからフックで前に出るライカ。左前手フックで飛びこむ。その打ち終わりに組むソユルは右で差して払い腰テイクダウン! いったん腹ばいになって立ち上がるライカ。右で差すソユルがヒザ。ライカが前に出ると、互いの右が交錯。ライカから腰に組み押し込むと、ソユルは細かいパンチ。そこにライカは右ストレートを当てる。  3R、頭を振って右を打ち込むライカ。ボディ打ちから顔面と打ち分け、ソユルも下がりながら右オーバーハンド。左フックのライカ。しかしソユルはサイドステップでさばくと右前蹴りからダブルレッグで金網までドライブしてテイクダウン! パウンドに背中を見せて立つライカにソユルはバックにつき、足を巻いてリアネイキドチョーク! 喉下に腕は入っており、ソユルの引き込みにライカは崩れながらタップした。  階級下のソユルはこれでMMA5連勝。 [nextpage] ▼第2試合 2022年度新人王決定トーナメント準決勝 バンタム級 5分2R△齋藤奨司(FIGHT FARM)[判定0-1ドロー](18-20, 19-19×2)△新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)※結果はドローも、トーナメントは優勢ポイント1-2で新井が決勝進出。  4連勝中の齋藤と2連勝を目指す新井が対戦する新人王決定トーナメント準決勝。  1R、サウスポー構えの新井は左の蹴り、ストレートを突き低いダブルレッグで金網に詰めるが切る齋藤。新井の2染めのダブルレッグもバックを譲らず立ち上がった齋藤。後ろ手で対角の腕を掴む新井に斎藤はリストを切って立ち上がり。  なおも詰める新井はダブルレッグで尻を着かせるが立つ齋藤が新井の右をかわして左をヒット! しかしなおも左ハイから近づきテイクダウンは新井。立つ齋藤に右で小手巻き投げも残す斎藤はスタンドで右をヒット! しかしここも打ち終わりに新井がテイクダウン。シングルレッグで引き出すとそこに齋藤はニンジャチョークを合わせるが、すぐに新井が首を抜きブザー。  2R、新井は初回の波状攻撃の疲労がどうか。齋藤の左右にヒザ蹴り、すぐに組みに行く新井。テイクダウンから腰を引く新井に、齋藤は下から腕十字! 一瞬ヒジが伸びるが、ずらした新井が上のまま。金網使い立つ齋藤はヒジを頭部に打つが、新井は粘り強くダブルレッグ。  立つ齋藤は右を打つが、新井も左の蹴りを打って間合いを潰して組み。その際でヒザも突き、齋藤の打ち返しにカウンターの組み。シングルレッグに左で小手に巻く齋藤はバックは許さず。腰を抱く新井に片足を掴まれながらパンチを落とす齋藤に、新井も空いた手で顔面にパンチでブザー。  判定は1-0(20-18, 19-19×2)のドローの結果も、新人王決定トーナメントは優勢ポイント2-1で新井が決勝に進出した。 [nextpage] ▼第1試合 2022年度新人王決定トーナメント準決勝 フライ級 5分2R〇須藤晃大(EXFIGHT)[判定3-0] ※20-17×2, 19-18×打威致(有永道場Team Resolve)  今年度新人王トーナメントの頂点まであと一つに迫ったフライ級準決勝戦、須藤晃大(EXFIGHT)vs.打威致(有永道場TeamResolve)もラインナップされた。 「格闘DREAMERS」出身、EXFIGHTでキャリアを積んできた須藤は、プロでは5月に大竹陽に2R KO負け後、9月に大谷あっくんボンバーに2R リアネイキドチョークで一本勝ち。  打威致こと水田大智は、2021年12月のTORAOで丸山幹太に2R TKO勝ち。2022年5月に平賢二郎に1R TKO勝ちと2連勝中だ。  1R、ともにオーソドックス構え。打威致は左をヒット! 須藤は蹴りを上下に突く。打威致は組んでボディロックからリアネイキドチョーク狙い。両足をかけた打威致は絞るが、須藤は正対して上に。金網使い立つ打威致を今度は須藤がボディロックからバックで引き込み4の字ロック。スクランブルする打威致に足を解きマウント、腕十字狙いでブザー。  2R、打威致のテイクダウンフェイントに右のカウンターを当てて前に出てダブルレッグテイクダウンは須藤。サイドから両足を上げて支点を無くすと、両足を束ねてまたいで4の字でマウント狙い。しかし須藤も動けず足を解てサイドに。そこにアームロック狙いは打威致。  腕を掴んで立ち上がる打威致にボディロックからバックに引き込む須藤が4の字ロックからおたつロックでヒザ裏にかけて打威致の正対を阻止。バックマウントから打威致の身体を伸ばしてパウンド、hジを打ち下ろすも下の打威致もブリッジから上体を上げたところでゴング。  判定は3-0(20-17×2, 19-18)で須藤が勝利した。 [nextpage] ▼オープニングファイト トライアウト 女子ライト級 3分2R ×上田真央(修斗GYMS直心会 UBF)[2R 0分18秒 TKO] ※レフェリーストップ〇緒方亜香里(AACC)  2012年ロンドンオリンピック柔道女子78kg級日本代表として活躍し、2011年パリ世界選手権銀メダルや、柔道グランドスラム金メダルなど数多くの大会でメダルを獲得している緒方亜香里(AACC)が満を持してMMAの世界の扉を開く。   柔道時代に、2013年に体重無差別で争う全日本女子選手権で優勝。14年ぶりに最重量級以外の選手として制する快挙を成し遂げている緒方は、左組み手から内股、大内刈、小外刈などを得意とし、寝技でも三角絞めを使うなど、グラップリングに向いていた部分もある。女子で柔道出身ファイターが多いAACCでMMAデビューの準備を進めていた。  対戦相手は、DEEP JEWELSなど様々なプロモーションでのプロ戦績を数多く持ち、前職は大阪府警で警察官としてのキャリアを持つ異色のファイター上田真央(修斗GYMS直心会 UBF)だ。  上田も3歳から柔道を始め講道館杯8位、全国警察選手権2位の記録を持っており、レスリングでも全日本マスターズ優勝を飾る等、組み技の経験は豊富だ。  しかし、柔道での実績は緒方が上。一方、MMAでの経験値では上田が上回る。この一戦は緒方の希望により「トライアウト」(3分2R)として行われる。  1R、いきなり左右を強振して前に出る上田に緒方もワンツーの連打で応戦。距離が近づいたところで、投げを狙うも、首相撲に切り替えヒザを突き、上田を金網に詰めると右ストレートをヒット。  額で受けていた上田のアゴが上がり、鼻から出血。上田も左を返し金網から押し戻す。  2Rも打ち合いに出る上田。しかしパンチの回転と威力は緒方が上。徐々に金網に詰まる緒方が左右を浴び、右を被弾したところでレフェリーが間に入った。
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