（C）RIZIN FF
2021年9月19日（日）さいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.30」第5試合のバンタム級（61kg）トーナメント2回戦（5分3R）で、金太郎（パンクラス大阪稲垣組）と対戦する井上直樹（セラ・ロンゴ＆ワイドマンMMA）が9月9日、横浜港南台のSONIC SQUADで公開練習を行った。
リズムよくステップを踏み、安田けん代表が持つミットにパンチ・キック、首相撲＆ヒザを叩き込んだ井上は、最後にアンソニー・ペティス（元UFC世界ライト級王者）ばりに、跳び上がって壁を蹴ってからミットにキックを叩き込む、三角蹴りを披露。
「（RIZINは）ケージではないのでコーナーで、もしそういう場面があれば見せられたらいいかなと思います。練習では危ないんで、いまはミットでやるくらいですが」と、笑顔を見せた。
日本人史上最年少の19歳で契約したUFCではフライ級で戦い、1勝1敗。同級の縮小に伴い、主戦場を日本に移し、RIZINでバンタム級に参戦した。RIZINではトレント・ガーダム、渡部修斗、元谷友貴、石渡伸太郎を相手に4連勝。GP二回戦に向け、「コンディションはばっちりで、すぐにでも試合をしたい気持ちです」という。
横浜・上大岡に新ジム「BERVA」を起ち上げた水垣偉弥氏、そして永末“ニック”貴之氏とのトレーニングにより、バンタムでの肉体改造にも取り組んでおり、「すごく力が上がってきて、身体もすごく大きくなってきているなというのが、見た目で分かるようになってきています。結構、順応してきているなと思っています」と手応えを得ている。
試合10日前で減量にも入っており、好物のパンは控え、「胸肉、野菜とかを摂り、ご飯とかも炭水化物を調整中」という。
2021年6月のGP1回戦では、“バンタム級四天王”の石渡伸太郎をカウンターの右ストレートでダウンを奪い、サッカーキックで1R TKOに降した。
7月20日の2回戦のカード発表会見では、対戦相手の金太郎から「まいど。井上選手と対戦が決まったことでむちゃくちゃテンション上がりました。（周囲の予想は）関係ないんで、しっかり井上のタマ獲ったろと思っています」と言われ、フェイスオフ無しの撮影では、いきなり睨みつけられた。
一瞬、戸惑いの表情を浮かべた井上だが、「すごい戦闘態勢に入っているなと思いましたね」と淡々と振り返る。「そのときは、そんなに……というか、“ああ、怖い目で見てきているな”という感じだったのですが、その後で……普通に“来るならやってやろうかな”という感じですかね」と、静かな闘志を覗かせた。
金太郎の印象を、「最初ちょっと……やっぱり刺青とか入っていて、見た目は怖いかなという感じですけど、試合になれば全然問題ないので、しっかり自分の好きなように出来たらいいと思います」と、さらりと“自分の好きなように”戦う自信も見せる。
前戦の石渡と同じ、サウスポー構えの金太郎の思い切りのいい打撃と組みについても、「全然……前回（石渡戦）の試合のときもそうでしたが、“当たらなければ問題ない”し、もちろん組みでも、全然問題ないので、しっかり自分の出来る戦い方をして、勝っていきたいと思います」と、問題ないとした。
朝倉海と並ぶGPの“本命”として注目されるが、「いやあ、もう自分が勝って当たり前みたいな感じに（周囲が）なっている感じなので……」と戸惑うばかりかと思いきや、「今回は“勝ち方”に狙いを定めて、しっかり対策をしてきました」という。
「勝って当たり前」のプレッシャーは無いかと問われても、「四天王の選手とかともやってきて、いい勝ち方をしてきているので、次もそういう、いい勝ち方をしないといけないなと思っています」と淡々と意気込みを語る。
年末の準決勝、決勝の2連戦を考え、「もちろん怪我があった方が不利になると思うので、勝つには勝つけど、しっかり怪我無い勝ち方で順調に進んでいければいいかなと思っています」と、ダメージを残さずに勝ち上がることを目指し、「やっぱり判定じゃなくて、しっかりKO・一本でフィニッシュして、このトーナメントで差をつけられたらいいかなと思っています」と、周囲とは“差をつけて”勝ち上がりたいとした。
優勝したら堀口恭司が持つベルトに挑戦、「『井上直樹ならやってくれるんじゃないか』というところを見せられたら」
1回戦では、シャイな井上のマイクの代わりに勝利の“未来予告”フリップが話題となったが、2回戦でもフリップを使うかどうかは未定なようだ。
「どうですかね、そのときのお楽しみということで。姉（※UFCファイターの魅津希）から……あのフリップ芸が終わったときに、『次やるの？ 止めた方がいいよ』という感じで言われました」と苦笑する。
見据えているのは大晦日、ではなく“その先”だ。
「優勝したらタイトル戦が出来るかもしれないので、しっかり差をつけて挑戦へ──“井上直樹ならやってくれるんじゃないか”というところを見せつけられたらと思います」と、ベルトを持つ王者・堀口恭司に辿り着き“怪物”越えを果たすこと、その期待感を持ってもらえるような勝ち方でGPを制したいという。
ファンから「憧れの格闘家」を問われても、「いろいろUFCとかも見ていますが、“憧れ”という感じは無くて、自分がやっているのが好きなので」と、等身大でとらえている。
戦ってみたいファイターは、「UFCのチャンピオンレベルの選手とはやっぱりやってみたいです。試合じゃなくても練習でもやってみたいなと」と。
井上のその言葉は、すでに現実のものとなっている。現UFC世界バンタム級王者のアルジャメイン・スターリング、同級11位のメラヴ・ドバシシビリは、セラ・ロンゴジム時代に練習仲間としてスパーリングを行っており、日本で志朗らと打撃練習を積む井上は、彼らを相手に再び、その進化を試したいと考えているのだ。
そのための再渡米も視野に入れながら、日本で環境作りを整えてきた井上。最後は、「このSONIC SQUADが新しくなって、出来たばかりなので、近い方はぜひ遊びに来てください」と、PRも欠かさなかった。
果たして、井上はGP2回戦で、金太郎を相手に“差をつけて”勝ち上がることが出来るか？
Yogibo presents RIZIN.30
2021年9月19日（日）さいたまスーパーアリーナ
12:30開場 / 14:00開始 ※選手名からインタビュー、会見コメントへリンク
▼第10試合 バンタム級（61kg）トーナメント2回戦 5分3R
朝倉 海（トライフォース赤坂）
アラン“ヒロ”ヤマニハ（ボンサイ柔術）
▼第9試合 バンタム級（61kg）トーナメント2回戦 5分3R
井上直樹（セラ・ロンゴ＆ワイドマンMMA）
金太郎（パンクラス大阪稲垣組）
▼第8試合 バンタム級（61kg）トーナメント2回戦 5分3R
扇久保博正（パラエストラ松戸）
大塚隆史（T-Grip Tokyo）
▼第7試合 バンタム級（61kg）トーナメント2回戦 5分3R
元谷友貴（フリー）
瀧澤謙太（リバーサルジム東京スタンドアウト）
※第6試合後（休憩前）に「石渡伸太郎引退セレモニー」
▼第6試合 女子スーパーアトム級（49kg）5分3R
浜崎朱加（AACC）
藤野恵実（FIGHT FARM）
▼第5試合 ライト級（71kg）5分3R
武田光司（BRAVE）
矢地祐介（フリー）
▼第4試合 フェザー級（66kg）5分3R
佐々木憂流迦（セラ・ロンゴ・ファイト・チーム）
堀江圭功（ALLIANCE）
▼第3試合 フェザー級（66kg）5分3R
太田 忍（パラエストラ柏）
久保優太（PURGE TOKYO/BRAVE/初代K-1 WORLD GPウェルター級王者）
▼第2試合 フェザー級（66kg）5分3R
昇侍（KIBAマーシャルアーツクラブ）
鈴木千裕（クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者）
▼第1試合 RIZINキックルール（※ヒジ無し・掴み攻撃は1回）46.5kg契約 3分3R
ぱんちゃん璃奈（STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者）
百花（魁塾/元ミネルヴァ・アトム級王者、RISE QUEENアトム級3位）
