MMA
インタビュー

【RIZIN】矢地祐介と対戦する武田光司「疲れる試合になる。最後の最後で競り勝ちたい」=9月19日(日)さいたま

2021/09/07 16:09
 2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.30」第5試合のライト級(71kg)5分3Rで、矢地祐介(フリー)と対戦する武田光司(BRAVE)が、「僕が絶対に勝ちます」と必勝を誓った。  BRAVEジムからリモートで練習を公開するという武田。しかし、ケージの中で黒マスクを被って待つ男性に質問を投げかけるも無言。マスクを取ると、そこにいたのは同門の伊藤空也だった。 「武田選手は?」と聞くと、伊藤が指したのはジムの外。そこには曇天の屋外にアヒルが浮かぶ子供用プールで、日サロならぬ天サロ(天然サロン)を行う武田光司の姿があった。 「背中周りを重点的に焼いています」という武田。  雨模様だが、「でもやっぱ、紫外線ってあるんですよ。少しも無駄にしたくないので焼こうかなと。足とかも黒いんですけど、お腹がやっぱ黒いんですよ。わかりますか? 黒いの」と、黒光りの肉体を披露した。  かねてより日焼けサロンのスポンサーを募集している“漆黒のヘラクレス”だが、まだスポンサーは付いていない、という。 「もうちょい僕が有名になったら付くんじゃないですか……」と寂しげな表情を浮かべるが、そのチャンスが、次戦に訪れた。対戦相手は、“RIZINのお祭り男”矢地祐介だ。  しかし、人気者のヤッチくんとの対戦決定にも、もろ手を挙げて歓迎というわけではない。 「僕は川名(雄生)選手と久米(鷹介)選手に勝ったので、順番的に矢地選手は、次は久米選手と戦うべきなんじゃないかなと思いました」と、不満も吐露する。しかし、「ここで矢地選手とやらないと、二度と戦うことはないと思ったので、試合を受けました」と、決意を示した。  矢地戦での勝算はいかに? プールから上がった武田に聞いた。 [nextpage] 矢地選手は、出来なかったことが出来るようになっていた ──今日の公開練習の意図を教えてください。 「前回はお金をかけてマシーンで焼いてるところをお見せしましたが、今回は大自然のエネルギーを取り入れようかなと思って、プールで天サロという形でやらせていただきました」 ──焼き具合いとトレーニングは順調ですか。 「毎日焼いてしかないです。それしか練習してないです。強くなっただけです」 ──大会本番では、さらに黒い姿になると。 「会場で見えないかもしれないです(笑)」 ──……ええと、前回の試合、3月大会では久米選手との壮絶な戦いを勝利しましたが、反響はいかがでしたか。 「批判もありましたが、反響の方がすごい多かったですね」 ──批判? どんな言葉を掛けられましたか。 「『黒過ぎだろ』『皮膚ガンになりそう』とか、心配な言葉もいっぱいありました。ハハハッ(笑)」 ──前回から今回に向けて、半年ほど期間が空きましたが、ご自身でトレーニングの方法や技術面など、変えた部分はありますか。 「久米選手との試合の話ですよね。やっぱりあれだけ壮絶な殴り合いが出来たのは、試合の中で僕がスキルアップできた部分が凄く大きくて、客観的に久米選手との試合を見直してたんですけど、こういうところでパンチが出せる自分がいるな、とか、こういうところで貰っちゃってる自分がいるなとか、一個一個取り入れた上で練習を行ってきました」 ──メンタル的な部分は何か変わりましたか。 「日本で一番強いと言われていた久米選手に勝つこと出来たので、すごい自信がつきました、あの試合で」 ──今回の試合に向けての練習環境を教えて下さい。これまでと変わらずBRAVE、また出稽古などもされていますか。 「前回の時くらいからトライフォース赤坂に行かせてもらっていて、朝倉未来選手とかと変わらず、週に1回、やらせてもらっています。プラスアルファで、久保優太選手が太田忍選手と試合をするので、久保選手も週に3回くらい三郷BRAVEにプロ練に来ていただいていて、そこで、やっぱり僕はどちらかというと組みの方が強いですし、久保選手は打撃の方が強いので、WIN-WINな関係で、僕が久保選手に組みを教えて、逆に僕は久保選手から打撃のアドバイスをもらって、だから練習の環境が変わったわけではないんですけど、練習の相手がすごいレベルの高い相手とばかりやらせてもらっています」 ──動画では、久保選手の距離によってのディフェンスの使い分けなどレクチャーを受けていたようですけど、久保選手と練習して一番身になっているというのはどんなところですか。 「大まかにまとめて言うと、打撃ですね。久保選手はやはりディフェンシングが凄くうまい方なので、いかに的確に殺せるパンチをどこに当てるかっていうのは、タイミングをズラして打ったりとかすることが僕も出来るようになったので、だから僕のオフェンス力がすごく高くなったかなと感じています」 [nextpage] 順番的には矢地選手は次は久米選手と戦うべきなんじゃないかなと思ったけど── ──前回の試合から時間が空きましたが、その間はどの様に過ごされていましたか。 「怪我があった期間はスパーをやらずに技術練習ばっかりをしていました。怪我したのが5月末くらいなので、1カ月くらいで練習が再開出来ました」 ──対戦相手が矢地選手と決まった時、どう感じましたか。 「ここで矢地選手か、という感じでした」 ──「ここで」とは、久米選手に勝った中で矢地選手との試合ということに納得いかない部分もあると? 「そうですね。僕は川名選手と久米選手に勝ったので、順番的には矢地選手は次は久米選手と戦うべきなんじゃないかなと思いましたが、ここで矢地選手とやらないと二度とやることはないだろうと思ったので、試合を受けました。あと、僕は8月26日でプロになって4年経ったんですけど、戦績もキャリアもまだまだ(MMA12勝1敗)だと思っていて、オファーが来た試合は全てやりたいなと思ったので、矢地選手との試合を受けました」 ──前回、矢地選手は川名選手に競り勝っています。どの様に感じましたか。 「率直に上手いなと思いました。身体の使い方がすごく上手くなっているなと感じましたし、出来なかったことが出来るようになっていましたね。矢地選手も(八隅孝平)コーチが付いて、一個一個教わっているので、一つひとつのディフェンス能力だったり、行くところで行くオフェンス能力も高まっている。だから、僕も気を抜いたらやられちゃうなと思ってます」 ──その「上手くなっている」部分は、武田選手との相性的にどの様に感じますか。 「噛み合うと思います。それは多分相手も思っているんじゃないかなと思います。お互いに噛み合う展開になると思います」 ──その中で勝ち切る手応えはありますか。 「矢地選手も感じていると思いますが、たぶん疲れる試合になると思います。そういうところで最後の最後で競り勝ちたいなと思います」 ──ところで矢地選手が日焼けしていないことに関しては、気にならないですか。 「そういうのはあまりないですね。黒くて強いことは“僕個人の問題”なので。あんま興味はないです」 ──なるほど。ところで、BRAVEに2019年全日本選手権フリースタイルレスリング70kg級王者の原口伸選手が加わり、修斗では中村倫也選手(2017年U-23世界選手権フリースタイル61kg級優勝)もプロデビュー。グレコローマンでは、RIZINで太田忍選手(リオ五輪グレコローマン59kg級銀メダル)、河名マスト(真寿斗・グレコローマンU-23世界選手権59kg級優勝)選手もMMAデビューしました。  オリンピック級のレスラーたちが次々とMMAに入ってくるなかで、高校四冠の武田選手はグレコローマンからMMAに転向して4年、どの様な部分に苦労し、そしてそれがいまは強さにつながっていますか。 「フリースタイルはタックルがメインで、遠間からのタックルだとかいろいろあるのですが、グレコローマンは組んでからの技術が一個一個すごく大事で、重心の位置や足のプッシュするタイミングとか、いろいろあるんです。僕はグレコローマンでやっていた時から前に出るスタイルだったので、パンチを出していく中で、いい形でレスリングからMMAに繋げられるようになりましたね」 ──早くからMMAに転向した武田選手は前に出るスタイルが活きたと。逆に遠間からのダブルレッグ、シングルレッグとは異なり、組んでからが勝負のグレコで、太田選手は昨年末に所英男選手に敗れました。あの試合をどう見ましたか。 「レスリングは組んで投げて倒すのですが、MMAは組んで投げて倒すだけじゃなくて、倒されてからグラップリングだったりパウンドだったりがあるので、太田選手はあの時点では、所選手とグラップリング能力で圧倒的に差があるなと思いました。時間が必要なのかなと思いました」 ──それが、武田選手の場合はもともとのレスリングのスタイルとMAMが融合してきていると。 「出来上がってきたというのもあるし、やっぱりレスリングをMMAに活かすことを教えてくれる人がいるというのが、僕はすごくデカいなと思います。宮田先生から一個一個教えていただくことが的確で、説明もすごく分かりやすくて、僕のダメな所も全部理解してくれる。僕のスタイルの理解者です。一番最初に1から10まで宮田先生に教えてもらって、そこを軸に、プラスアルファで出稽古先の選手たちにも教えてもらっていることでさらに幅が広がっています」 ──矢地戦を超えた後に、この階級で目指すのは? 「目指すのはトップ、一番になりたいです。それだけです」 ──ということは、現時点ではホベルト・サトシ・ソウザ選手が持つベルトですね。矢地選手もサトシ選手へのリヴェンジを狙っているでしょうし、負けられない戦いになりますね。 「ここで負けたら、ここまで積み上げたものが全部無くなっちゃうので、絶対、何がなんでも負けられないです」 ──今回の試合で注目して欲しいポイントは? 「僕は技術もそうですが、ガッツや根性、ガンガン前に出るスタイルが持ち味なので、最後の最後までガンガン常に前に出続けるところを見て欲しいです。『RIZIN.30』の武田光司vs.矢地祐介の試合は、僕が絶対に勝ちますので、応援よろしくお願いします!」
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