【RIZIN】GP2回戦で元谷友貴と対戦、瀧澤謙太「勝てば全部ひっくり返るいい相手」＝9月19日（日）さいたま

　2021年9月19日（日）さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.30』にて、「RIZINバンタム級（61.0kg）トーナメント」2回戦で、元谷友貴（フリー）と対戦する瀧澤謙太（リバーサルジム東京スタンドアウト）が8月31日、都内の所属ジムにて公開練習を行った。 　1分半のミット打ちでは、長い距離のパンチ・蹴りを披露。なかでも後ろ蹴りなど、自身のバックボーンである空手の回転系の技をシャープに打ち込む姿を見せた。 　6月の1回戦では、今成正和に判定勝利したものの、足関節を狙う今成相手に持ち味を出せなかった瀧澤。しかし、相手の足関節を凌いで、可能な場面で打撃を入れる作戦を遂行したともいえる。 　瀧澤は、「今成戦はリング全体を使うということに関しては凄く勉強になったかなと思います。昔の自分の試合はリング全体を使って、距離感を意識した試合も多かったので、それを思い出した試合になりました」と、1回戦を振りかえる。 　ダメージ優先のRIZIN判定は3者が瀧澤を支持した。 「判定を狙ってたというわけではなくて、実は、5分3R（フルラウンドを）今成選手とやりたくないなと思っていたので、一発で倒せたらラッキーだなと思っていました。判定になって自分の中では、一番最悪のパターンは負けること、極められることだったんですけど……勝つとしてもやりたくない展開で勝ったのかなという感じです。集中力、精神的にかなり削られたので。あの試合は緊張感ありました」と、望んだ形ではなかったものの、生き残ったことをよしとした。 　試合後、フィジカルを鍛え直し「バンタムで戦える身体になってきた」という。 「身体がちょっとデカくなりました。大晦日に負けてからフィジカルを滅茶苦茶やるようになって、今までは週2回だったのを3回に増やしました。メニューも倍とは言わないですが、3割、4割増くらいで、栄養もしっかり入れているので、フィジカル的な筋力もそうですけど、スタミナとか筋持久力とか心肺機能とかもだいぶ上がって、バンタムで戦う身体にしっかりなってるなって感じです」と、その手応えを語る。 　これまでは、試合前に本格的な水抜きをしていなかったと言い、「今回水抜きするかどうかもわかりませんが、まだまだちょっと筋肉つけられるなと思っています。19日前のいまで67kgで、あと6kg減量くらい。水抜きするとしても1kgとか2kgくらいですね」と、肉体改造の途中であることを明かした。 [nextpage] （元谷の）組みはそんなに心配ない。回転系も使っていく 　9月さいたま大会での2回戦では、打撃も組みも独特の間合いで強さを見せている元谷友貴と対戦する。 「元谷選手はそんなにやりやすい相手じゃないなと思っていました。タフで結構ガツガツやってくるタイプ、組みも強いし打撃も強いわりに、そんなに穴も無い。やりやすいとは言えないなという感じです」と印象を語った瀧澤。 　それでも、公開練習では殺傷能力の高い打撃のなかで、空手仕込みの回転系の大技も披露した。 「今回も回転系は使っていこうと思っているので、そのための練習です。遠い距離でも近い距離でも両方とも想定して練習しているので、どちらの距離でも全然行けると思っています」という。 　MMAでは散打ベースの選手が多いチーム・ラカイ勢が、バックスピンキックなど回転系の技を駆使するが、瀧澤も対戦相手に組み付かれることなく、得意の後ろ廻し蹴りなどの回転技を当てることもプランに入っているようだ。 　そして、一本勝ちの多い元谷の組みについても「そんなに心配ないと思いますね」という。「そんなに、組みでめちゃくちゃ差があるとは思っていないです。行けたらKOを狙ってますが、一本も狙ってます。やっぱり僕、ストライキングだけじゃないんで」と、今成戦でのデフェンスの特訓を経て、組み技にも自信が増したことを語った。 　組んで上を取ることができれば、パウンドを混ぜてのTKOも「一本」と言うことも出来る。しかし、四つ組みも強い元谷に対して、空手レスリングのベースも持つ瀧澤は、ほんとうに上を取ることが出来るか。 「前回、前々回、RIZIN初参戦のときとか、以前の戦いも含めて常に進化しているので、オリジナルというより、新しい自分を見せられると思います」 　MMA12勝7敗で、2019年以降を見れば、ハファエル・シウバに一本負け後、石井逸人にTKO勝利し、金太郎にスプリット判定勝ち。 扇久保博正、佐々木憂流迦に判定負け後、前戦での今成戦の判定勝ち、が瀧澤の現在地だ。 　ハマれば強いが、ウィークポイントを突かれると後手に回る。そのデコボコの穴が徐々に埋まりつつあり、同時に得意部分の打撃が際立てば、勝機が増す。今回の元谷戦を瀧澤は、「チャンス」と表した。 「元谷選手はRIZINの『四天王』と呼ばれていますけど、僕的には四天王ってそんなに気にしていないんですよ。普通にいち選手として強い。DEEPの二階級王者だった、そして年齢的にもピークである元谷選手と試合が出来て、世間的に下馬評はたぶん僕の方が低いと思います。でもそれはチャンスだなと思っていて、勝てば全部ひっくり返るので、いい相手だなと思います」 　引き出しの多い元谷を「ひっくり返す」には、強力な武器とそれを成功させる戦略が必要だ。「ありますね。作戦は用意してます。ヒントは、一発の破壊力と、タイミングです。そこを見てほしい」と言う。 　目指すは『四天王』のその先だ。 　同日に行われた朝倉海の公開練習も視聴していることが報告された瀧澤は、「1、2分しか見れなかったんですよ、トレーニング前で。ちょっと入ったくらいしか見れてないんですけど……昇侍選手と仲良しだなという感じでしたね。レ点、連続視聴したい（※表示されるチェックマークの色が変わる）ってことだけですね」と、笑い飛ばしたが、元谷戦後の相手を問われると、「朝倉海選手ですね、それはもう。今回、本当はやりたかったんですけど、今回勝ったらそうなる可能性があるんじゃないかなと思います」と、きっぱりと前バンタム級王者の名を挙げた。 　空手王子的なキャラから、はみ出し始めたプロ6年目の“たっきー”は、試合前のゲン担ぎを「アップで瀧澤ダンスです。裏（バックステージ）でやってます」と笑い、最後にファンに向けて、「今回、この公開練習で瀧澤ダンスを見せなかったんですけど、勝利後待ってろ！」と気を吐いた。 　RIZINマッチメーカー柏木信吾氏が「GP最注目の試合」という元谷戦で、26歳の瀧澤は覚醒することができるか。 ◆Yogibo presents RIZIN.302021年9月19日（日）さいたまスーパーアリーナ12:30開場 / 14:00開始 ▼バンタム級トーナメント2回戦 5分3R朝倉 海（トライフォース赤坂）アラン“ヒロ”ヤマニハ（ボンサイ柔術） ▼バンタム級トーナメント2回戦 5分3R井上直樹（セラ・ロンゴ＆ワイドマンMMA）金太郎（パンクラス大阪稲垣組） ▼バンタム級トーナメント2回戦 5分3R扇久保博正（パラエストラ松戸）大塚隆史（T-Grip Tokyo） ▼バンタム級トーナメント2回戦 5分3R元谷友貴（フリー）瀧澤謙太（リバーサルジム東京スタンドアウト） ▼RIZIN女子スーパーアトム級 5分3R浜崎朱加（AACC）藤野恵実（FIGHT FARM） ▼ライト級（71.0kg）5分3R武田光司（BRAVE）矢地祐介（フリー） ▼フェザー級（66kg契約）5分3R佐々木憂流迦（セラ・ロンゴ・ファイト・チーム）堀江圭功（ALLIANCE） ▼フェザー級（66kg契約）5分3R太田 忍（パラエストラ柏）久保優太（PURGE TOKYO/BRAVE/初代K-1 WORLD GPウェルター級王者） ▼フェザー級（66kg契約）5分3R昇侍（KIBAマーシャルアーツクラブ）鈴木千裕（クロスポイント吉祥寺/KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者） ▼RIZINキックルール（※ヒジ無し・掴み攻撃は1回）女子46.5kg契約 3分3Rぱんちゃん璃奈（STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者）百花（魁塾/元ミネルヴァ・アトム級王者、RISE QUEENアトム級3位）