2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナ『Yogibo presents RIZIN.30』にて、フェザー級(66kg契約)に転向し、堀江圭功(ALLIANCE)と対戦する佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイト・チーム)が9月8日、公開練習を行った。
2020年大晦日にRIZINバンタム級の61kg契約で瀧澤謙太を判定で降している元UFCの佐々木のフェザー級は、2010年のプロデビュー時以来、11年ぶり。
公開練習では、Me,Weの山崎剛代表が持つミットに、サウスポー構えからステップを使い、近い距離でのワンツーフック、さらに遠間からの左オーバーハンドなども見せ、試合11日前の減量期ながら、力強い動きを披露した。
8月11日のカード発表会見では、ワクチン接種による副反応により欠席した佐々木。一時は高熱となったが、現在は問題なく回復したという。
「いやー、めっちゃキツくて。1回目は熱も出なくて腕が痛いな、くらいだったんですけど、2回目のワクチン接種で、ファンの人から解熱剤を持っておいた方がいい、と言われたんですけど、大丈夫でしょ、と思っていたら結構ヤバくて。2日間くらい熱が収まらなくて、38.5度から39度近くまで上がって、妻は40度くらい上がっちゃって、2人とも同時期に受けたから、滅茶苦茶、ウーバーイーツに感謝しました」と苦笑した。
「ちょっと体重が減ってスタミナが落ちましたが、いまはもう全然大丈夫です」という佐々木は、今回からフェザー級で戦うことになる。
もともと177cmの骨格ながら、UFCではフライ級で戦ったこともある佐々木だが、フェザー級は身体にフィットしているという。
「通常体重が重いし、年齢(31歳)が高くなるにつれて、ナチュラルな体重で試合に行けるような感じでやりたいなと思っていました。もう1週間後に試合で今回の公開練習なんですけど、やっぱりフレッシュですね。いまは減量の後期で、以前みたいな減量幅ではないので、ストレスが無くなって、内臓もまあまあ(笑)。スパーリングも落とさなくてよくて、スタミナ、力の入り具合もバンタムのときとは違うから、よりナチュラルに近い感じです」と手応えを感じている。
さらに、「フェザーは(RIZINでは)初めてだから、100パー(セント)の状態でぶつかったときの“肌感”が一番楽しみなんですけど、そこが試合の中でどう感じるかでまた変わると思います」と、実際に本番でぶつかることを「楽しみ」とした。
対戦相手の堀江圭功は、伝統派空手とフルコンタクト空手の両方を経験し、オーソドックス構えで遠近双方で戦えるハードヒッター。前戦ではZST王者の関鉄矢を右のカーフを効かせて右ストレートで3R KO勝ちしている。
佐々木は、ストライカーである堀江との試合で、スタンド勝負も見据えているという。
「堀江くんの印象は、やっぱり打撃がいいのと気持ちもフレッシュでバーッとグッと攻めて来るような感じですね。それは警戒すべき点ではあるんですけど、慢心とかナメているわけでもなくて、打撃も含め、全体的に僕の方がレベルが高いと思うので、120パーセントをぶつけてやろうかなと思っています」
8月31日に行われた公開練習で堀江は、「自分はテイクダウンのデフェンスにかなり自信があるので、そういった相手のやりたいであろうことを封じたいと思います。相手は自分の後ろに回ってくると思います。そこもしっかり対応して、剥がして殴って、それの繰り返しです」と戦術を語っていたが、佐々木は「テイクダウンありき」では無いという。
「戦術? 言いますよ。堀江くんもたしか公開練習で戦術を言ってたから、俺も全部言っちゃおうかと(笑)。打撃をやらないつもりはないので、打撃でバッチリ、プレッシャーをかけて行って、理想としてはテイクダウンを取って寝技の展開ですけど、打撃で行けたらそのまま打撃で行っちゃう」
SNSでは、堀江がスパーリングパートナーを相手に、オープンフィンガーグローブで、脛あて無しの「怖すぎるスパーリング」動画を公開し話題となったが、その動画を佐々木も見たという。
「見ました、見ました。ファンの方が俺にメンションしてくれるから(笑)、印象? スネ当てつけ面(無し)で殴る! 打撃の感じとかはイメージしていたのと変わらないですね」とイメージ通りと語る。
そのスタンドでは、MMA5年目の堀江と、11年目に入る佐々木の違いが出る、と語る。
「堀江くんはどっちかと言うと、バチッと綺麗にきめる打撃。そういう(綺麗な打撃の交換)試合にならないと思います。僕はそんなに綺麗な打撃ではないですけど、MMAの打撃としては適していると思っています。(攻撃と攻撃の)“間(あいだ)が無い打撃”は使えるんで、そこは見てほしいですね」
MMA10勝3敗の堀江の黒星は、元UFCの田村一聖戦、UFCで5連勝したハキーム・ダオドゥ戦、PANCRASEで王座戦に進んだ手足の長い中島太一戦の3戦のみ。これまで一本負けが無いように、強打とともにグラップリングの受けの強さにも定評がある。
そんな堀江の組みについて、佐々木は「組みをまったくやらない選手ではないと思っているので、組みのプレッシャーだったり、フェザーの中でも身体の強さも強い方だと思います。腰が強いからそこで頑張ると思います。いくらでもやりようがあるんじゃないかなと思います。ほんと初戦でめっちゃいい相手を当ててくれたなと思います」と、「腰が強いからそこで頑張る」際のなかで、「やりようがある」と語った。
フェザー級転向は、身体の変化と王座戦線を見据えてのこと。
「フェザーにいいタレントが揃っているんで、今回、いい勝ち方をして、前線に殴り込みじゃないですけど、いい選手とやりたいですね。いっぱいいるじゃないですか。斎藤(裕)選手、クレベル(コイケ)選手、今度、朝倉(未来)選手と萩原(京平)選手もやるでしょ?」 サンスクリット語で天狗を意味する憂流迦は、試合前のゲン担ぎとして「もともと静岡出身で伊豆生まれなので、自然と戯れに休みには奥多摩や蔵王など山に行っています。自然が無いとちょっと窮屈」と、リフレッシュも行った。
フェザー級転向で大晦日に続く連勝なるか。最後に、佐々木は「9月(19日に)フェザー級の初戦、僕も超楽しみにしています。みんなが期待してくれている一本勝ちか、もしくは打撃でいい形で行けたらKOか、どちらかでフィニッシュしたいと思います。みんなで楽しんで、滅茶苦茶いい一日になればいいなと思います。応戦、よろしくお願いします」と、意気込みを語った。