2026年3月14日(土)タイ・ルンピニースタジアム『ONE Fight Night 41』(U-NEXT配信)では、全9試合中4試合のムエタイ&キックボクシングが行われる。
当初、メインイベントで決まっていたアリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル/Phuket Fight Club/王者)vs.ペッディージャー・ルッカオポーロントン(タイ/Team Mehdi Zatout/挑戦者)のONE女子アトム級ムエタイ世界タイトルマッチは延期に。
代わってメインイベントはONEライト級(-77.1kg)ムエタイ3分3R、シンサムット・クリンミー(タイ/Venum Training Camp)vs.ジョージ・ジャービス(英国/Lumpini Crawley)となった。
シンサムットはムエタイジムを営む家庭に生まれ、4歳から練習を開始。兄は海外で活躍し来日経験もあるスッドサコーン。21歳で徴兵されるとボクシングでナショナル王者にも輝き、2019年の国際ミリタリースポーツカウンシルでのトーナメントではオリンピックボクサー2人から勝利を収めた。兵役を終えてムエタイに復帰すると2022年3月にONE初参戦を果たし、ニキー・ホルツケンをカウンターの右でKO。
2022年10月にはONEムエタイ世界ライト級王座決定戦をレギン・アーセルと争い、判定2-1の僅差で敗れ、2023年3月の再戦でのタイトルマッチではKOで返り討ちにされた。その後は2蓮敗を喫したが、2025年1月にナウゼット・トルヒーリョを初回KOで破り復活。3月に初のキックボクシングルールに挑むもホルツケンに初回KO負けでリベンジを許した。
ジャービスは2023年9月のONE Friday Fights初参戦ではタイのチャンナッジョンに判定負け、2024年2月はムスタファ・タクレティにスプリット判定で勝利し、8月にはリカルド・ブラボの連勝をストップした。11月には強敵ルンラーウィーをKO。2025年4月にムーシネ・チャフィに判定勝ちで4連勝を飾り、2025年8月にレギン・アーセルが保持するONEライト級ムエタイ世界王座に挑むも、初回KO負けを喫した。
これまでWBCムエタイ英国王座、WBCムエタイ世界スーパーミドル級王座、同ヨーロッパ王座、ISKA世界スーパーミドル級世界王座、WBCムエタイ・インターナショナルライトヘビー級王座を獲得。戦績は25勝(7KO)5敗。
共にKO負けからの再起戦。フィニッシュ能力の高い2人の決着はやはりKOか。
第7試合のONEフェザー級(-70.3kg)キックボクシング3分3Rでは、ジョン・リネカー(ブラジル/American Top Team)がベン・ウーリス(英国)と対戦。
リネカーは元UFCで元ONE世界バンタム級王者。2023年2月のファブリシオ・アンドラージとの再戦で4R TKO負け後、キム・ジェウォン、ステファン・ロマンに連勝も、2024年1月に青木真也に1R 一本負け。
9月にONEムエタイルールに初挑戦するとエイサー・テン・パウを2Rに右フックでKOしてみせ、10月のアレクセイ・バリカ戦でも1RでKO勝ち。2025年1月にはクラップダムに挑み1Rに左アッパーでダウンを奪ったが、クラップダムの逆襲に判定負け。3月の日本大会では秋元皓貴にスプリット判定で敗れ、しばらく試合から遠ざかっていたが、ONE初参戦のウーリスと再起戦を行う。
ウーリスはテクニカルなスタイル。リネカーのパワーを封じることが出来るか。
第5試合のONEフライ級(-61.2kg)キックボクシング3分3Rでは、スーブラック・トー・プラン49(タイ/NP Suablack)に日本の陽勇(=ひゅう/Team Mehdi Zatout/TEAM3K)が挑む。
陽勇は第1回全日本学生フルコンタクト空手道選手権1部男子軽量級(65kg未満)優勝、第7回JFKO全日本フルコンタクト空手道選手権大会軽中量級優勝などフルコンタクト空手で数々の成績を残してキックボクシングに転向。RISEを経て2024年9月からONEに参戦して4戦全勝。2025年9月、ジョーダン・エストゥピニャンとの無敗対決もTKO勝ちで制した。通算戦績は12勝(5KO)無敗。
スーブラックは2023年6月の『ONE Friday Fights 20』で初参戦。9月に鈴木真治にKO勝ちするなど4連続KO勝ち&3連続ボーナスの激闘ぶりで人気を博す。ONEでの戦績は6戦全勝(4KO)だったが、2024年6月から2025年1月までに3連敗。6月に鳴り物入りでボクシングから転向したサンガルティットに判定勝ちし、9月にはセクサンに判定勝ちで再起。しかし、12月にパコーンに判定負けを喫した。今回はバンタム級からフライ級に階級を落として臨む。キックボクシングルールは2度目。
陽勇にとっては、初のビッグネームかつキャリアで大きな差がある相手との対戦。空手仕込みの多彩な蹴り技に、Team Mehdi Zatoutで培ったステップワークとコンビネーションが加わり、相手にとってかなり戦いにくいスタイルへ進化している陽勇は、至近距離での飛びヒザ蹴りや顔面前蹴り、左ストレートと武器が多い。特にボディへのヒザを得意とする。
スーブラックはムエタイ戦士には珍しく後ろ廻し蹴りを使い、多彩な技で相手を翻弄する。伸びるジャブ、左ストレート、左右フック、左ハイ、バックスピンエルボーと使う技の種類が多く、最大の特徴はそこに崩し技を混ぜてくるところだ。また、ボディワークで相手の攻撃をかわすのも上手い。
第2試合のONEアトム級(-52.2kg)ムエタイ3分3Rでは、アンナ・ジャルーンサック(タイ/Jaroonsak Muaythai)がユー・ヨウ・プイ(中華人民共和国香港特別行政区/KF 1)と対戦。
スーパーガールことアンナはエカテリーナ・ヴァンダリーバやララ・フェルナンデスら世界の強豪たちから勝利を収めているONEアトム級世界トップファイターの一人。スタンプ以外に負けたことはなかったが、2023年11月にクリスティーナ・モラレスに初回TKO負けとなり、試合から遠ざかっていた。女性用水着ブランド『LA MICHAUX』でモデルを務めたことも話題に。
プイは2023年からONE Friday Fightsに出場し、5試合中4試合のKO勝利を経て本戦契約を獲得。2024年3月のONE Fight Night初戦ではララ・フェルナンデスを打ち破ったが、8月のエイミー・ピルニー戦でKO負け、2025年3月のマルティナ・ドミンチャク戦でスプリット判定負けと連敗中。
モラレス戦の後、アンナはネット上で激しい批判にさらされ、引退も考えたというが復帰を決意。しかし、下馬評ではプイを相手に勝利を収めるのは困難と予想されている。アンナがスーパーガールぶりを取り戻すか、プイがパンチを主体としたアグレッシブファイトでアンナを奈落の底に突き落とすか。