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インタビュー

【RIZIN】久保優太と対戦する太田忍が豪快スープレックス&強烈ヒジ!「顔をぶっ壊すくらい。一方的に見せる」

2021/09/02 20:09
 2021年9月19日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される「Yogibo presents RIZIN.30」にて、初代K-1 WORLD GPウェルター級(-67.5kg)王者の久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)と、66kg契約のMMAルールで対戦する太田忍(パラエストラ柏)が9月2日、同ジムの扇久保博正と公開練習を行った。 「減量もないので、しっかりフィニッシュを意識して練習しています」という太田は、ダミー人形をリングに持ち込んで投げ技を披露。母校の日体大では、30kgの人形を20秒で11回投げる動画を公開しているが、この日は様々なスープレックスからすぐにヒジ、パウンドを打ち込む連続技を披露。グレコローマンレスリング銀メダリストの凄みを見せた。 「レスラーらしさを見せたかったのと、あと人間だと思い切りヒジとか当てられないので、人形で試合を想定して、“顔をぶっ壊す”くらいのイメージの動きを見せたいなと」と、その意図を語った。  投げのなかには、反則のスパイキング(頭から垂直に落とす)ものも含まれていたが、「ルールを確認してなかったので。まあ、自分が頭から落とすと危険なので止めておきます」と、余裕の笑顔だ。  8月からパラエストラ柏に所属。かねてからレスリング繋がりで浅倉カンナとも親交があった太田は、自身のチャンネルで「カンナを見ていて、前からいいなと思っていた。チーム力、試合に対する戦術が立てられていて、バンタム級に練習相手がたくさんいる。レスリングで日体大にいたのはそこが世界一の環境で取り組めたから。ここには自分がMMAで必要なものが揃っている」と、移籍の理由を語っている。  実際に練習に合流し、「パラエストラの選手はみんな真面目で、ほんとうに強くなりたいという若くて勢いのある選手も多くて、最初は練習でも極められることが多いくらいでした。その中で揉まれることが一番いい環境だなと感じています」と、成長を肌で感じている。  同階級の扇久保とも組み、「グラップリングのスパーをやらせてもらったんですけど、経験も豊富ですし、どこから何を狙ってくるか分からない。ほんとうにどこからでも極める技を持っていて気が抜けないです」と、修斗二階級王者の実力に舌を巻くが、MMA2戦目のオリンピアンと肌を合わせた扇久保は、「太田選手と組みのスパーをやったんですけど、(脇を)差した瞬間に殺気を感じました。ほんとうに。これはヤバいなと。“ここで勝負したら殺されるな”という力の強さを感じたので、やっぱりオリンピック銀メダルを獲るくらいの人はすごいな、別の生き物だなと感じました」と、素質の高さと四つの攻防での強さを評価している。 [nextpage] 打撃に付き合う気はない、テイクダウンして削る  2020年の大晦日のMMAデビュー戦では所英男と対戦し、2Rに腕十字で一本負けを喫した。右を振ってテイクダウンを奪うも、ガードの中に入ってしまい、所に下から腕を極められた。靭帯を傷め、練習が出来ない期間も続いたが、パラエストラ柏入りし、「テイクダウン後」の動きが出来て来たという。 「年末の試合は、テイクダウンしてからが何の経験も無い状況でしたが、最近はスパーリングのなかで極める形、フィニッシュする形が何パターンか出来てきたので、そこが大きく変わったところですし、試合で見せられたらと思います」と手応えを感じている。  9月19日の対戦相手は、頭脳派ストライカーだ。久保との試合を太田は、「立ち技vs.寝技の分かりやすい試合になる」という。 「久保選手は打撃のスペシャリストですし、一発いいのをもらったら危ないとも思っています。久保選手も賢い選手なので、しっかり調整してくるとは思いますが、オープンフィンガーグローブでの打撃はK-1とは違うとも思っています」と、MMAの組みのプレッシャーのあるなかでの打撃からのテイクダウンに自信をのぞかせた。  サウスポー構えの久保の左の長い蹴り、ボディに散らせての左ストレートなどをいかに掻い潜ってテイクダウンするか。そして立とうとする久保をいかに寝かせて削るか。  太田は、「打撃に関しては付き合う気はないので、しっかりテイクダウンして立たせないようにコントロールして、一方的に見せる試合が出来れば。僕の戦いを貫いて、一番派手でインパクトのある試合をします」と、2戦目での激勝を誓う。  太田vs.久保の試合予想について、扇久保も自身のYouTubeで「組みの実力差がかなりあると思っていて、(久保が)打撃が全く出来ずに上を取られてずっとボコボコに殴られるんじゃないかなと思います。前蹴りとかは警戒して、いろいろスタンドでの駆け引きをもしてくるだろうけど、(太田が)駆け引きを知らない分、思い切りよく戦える。どれだけスタンドで食らっても我慢できれば、失神しなければ負けない。組み技はやってないと対応できないもの。レスリングで削られるのは地獄。ずっとレスリングをやってきた太田選手がパウンドでTKO勝ちかなと思います」と太鼓判を押す。  東京五輪での日本レスリング代表の活躍に刺激を受けたという。  会見で太田は、後輩の銀メダリスト文田健一郎、銅メダルの屋比久翔平について、「文田選手に関しては金メダル確実だと思ったのが銀メダルで勝負の厳しさを学びましたし、屋比久選手はメダルは正直なかなかどうかなと思っていましたが、そのなかで持っている力以上のものを発揮してメダルを獲得して、ほんとうに目標に向かって頑張れば、目標を達成できることを彼が証明してくれたので、いろんな意味で勝負の刺激を受けました」と語っている。  太田に続き、2021年、日本レスリング界から多くのトップレスラーがMMAに転向した。  グレコローマンからは、2017年のU-23世界選手権59kg級金メダルの河名マスト(真寿斗)、練習仲間の魚住彰吾(2015年全日本学生選手権66kg級3位)らがMMA挑戦を始め、フリースタイルでは、2017年U-23世界選手権61kg級金メダルの中村倫也、2019年全日本選手権70kg級王者の原口伸もMMAに転向している。  そのうち、オリンピックでメダルを獲得しているのは太田のみだ。それでも太田は、MMAを戦う上でメダリストの肩書は通用しないという。 「よく『メダリスト』と言われますけど、MMAの世界のなかで、レスリングで世界王者だったバックボーンは全然関係なくて、でも僕が活躍することで、レスリングで五輪でメダルを獲った選手がMMAをやることに価値が生まれると思うので、いま若い選手でオリンピックに出られなくて、あるいはオリンピックで一区切りをつけてMMAに転向してくるレスリングの選手のみんなで、レスリングの強さを見せていければいいんじゃないかなと思います」  久保優太との試合の先に見据えるものがあるという。 「大晦日に試合をしてから9カ月空いての2戦目なので、まずここをしっかり勝って、MMAがしっかり出来ることを見せた上で、また大晦日も戦わせていただけるよう、1戦1戦やっていきます」 “忍者レスラー”と呼ばれた太田忍は、MMAでも忍者ファイターになれるか。
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