MMA
レポート

【RIZIN】朝倉海が扇久保を1R TKO、バンタム級新王者に。元谷が一本勝ち。フェザー級で斎藤が摩嶋にTKO勝ち、青井が朴を下す。原口が大雅との再戦制す=RIZIN.23

2020/08/10 04:08
【RIZIN】朝倉海が扇久保を1R TKO、バンタム級新王者に。元谷が一本勝ち。フェザー級で斎藤が摩嶋にTKO勝ち、青井が朴を下す。原口が大雅との再戦制す=RIZIN.23

(C)ゴング格闘技

 2020年8月10日(月・祝)、神奈川・横浜みなとみらいの「ぴあアリーナMM」にて「RIZIN.23- CALLING OVER -」が開催された。

 横浜2デイズの初日に続く2日目のメインの第9試合で「RIZIN第3代バンタム級(61kg)王座決定戦」に臨む朝倉海(トライフォース赤坂)は60.75kg、扇久保博正(パラエストラ松戸)は60.20kのともに契約体重のアンダーで前日計量をパスしている。

▼第9試合 RIZIN第3代バンタム級(61kg)王座決定戦 5分3R ※ヒジあり
○朝倉 海(トライフォース赤坂)60.75kg
[1R 4分31秒 TKO]
×扇久保博正(パラエストラ松戸)60.20kg/修斗世界フライ級(56.7kg)王者
※朝倉海が新王者に。


 横浜2デイズのオオトリは「第3代RIZINバンタム級(61kg)王座決定戦 5分3R(※ヒジ有り)」。扇久保博正(パラエストラ松戸)と朝倉海(トライフォース赤坂)が対戦する。


 極真空手をベースに持つ現修斗世界フライ級王者の扇久保は、2019年12月31日のさいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』にて、「RIZINバンタム級王座挑戦者決定戦」で石渡伸太郎(CAVE)を判定2-1で破ってタイトル挑戦権を手にし、2020年4月19日の横浜アリーナ『RIZIN.22』で王者マネル・ケイプに挑戦するはずだったが、ケイプがUFC入りを決め、王座戦が消滅。さらに新型コロナウイルスの影響で大会自体も中止となっていた。


 2016年にはUFC登竜門番組「The Ultimate Fighter」のシーズン24にも出場し、準優勝となるもUFCは扇久保と契約せず。扇久保に敗れた選手がオクタゴン入りを決めるなど、フラストレーションが溜まるなか、RIZINからのオファーで参戦を決めた。


 初戦で堀口恭司に敗れるも、元谷友貴、石渡伸太郎に競り勝ち、2連勝。互いに一歩も退かない熱戦は、自身と契約しなかったUFCを見返してやりたいという思いもあるという。公開練習では陽動作戦か、足関節でのトランジッションを披露している。


 対する朝倉海は、初代THE OUTSIDER 55-60kg級王者。ROAD FCを経て、RIZINに参戦。2019年8月の『RIZIN.18』で、RIZIN&Bellator世界バンタム級王者・堀口恭司を1R1分08秒、KOで破り、一躍“時の人”に。2017年12月のRIZIN参戦以来、才賀紀左衛門、マネル・ケイプ、トップノイ・タイガームエタイ、ムン・ジェフン、堀口恭司、佐々木憂流迦に勝利し、6連勝を飾るも、2019年12月31日「RIZIN.20」のバンタム級王座決定戦で、ケイプに2R TKO負けし王座獲得に失敗。今回が再起戦となる。


 海は、パワー不足を感じたケイプ戦の敗戦を経て、バンタム級仕様にいったん身体を大きくした状態から落としてきている。パワーアップに加え、扇久保の確認できる全試合の研究、打撃・レスリング・寝技と全局面を融合してきている。

 半年ぶりに再開するRIZINでベルトを巻くのは、扇久保博正か、朝倉海か。


 先に入場は青コーナーの扇久保。吉田拓郎の『落陽』をバックにリングに駆け上がり、観客席に向かい、両手を挙げてからイングイン。十字を切った。続けて赤コーナーの朝倉海が入場。朝倉未来が脇を固める。リングを登り、右手を上げてからリングイン。リングを一周、サイドステップで回る。榊原信行CEOによるタイトルマッチの認定宣言後、両者コールでゴング。

 1R、対峙すると身長差が際立つ。ともにオーソドックス構え。左ジャブ、フックを振る朝倉に、左を返す扇久保! 朝倉は左ハイ! ブロックする扇久保。海は右ストレート。さらに左跳びヒザも扇久保はキャッチ。離れる海はボディを突く。左ローは扇久保。さらに左ハイとダブルで突く。左ボディを当てる海。さらに左の攻撃で攻めると右! 下がる扇久保はサークリング。コーナーから出ると左ロー。左ボディから右フックの対角線攻撃は海。回る扇久保は左ハイを返す。


 右跳びヒザ、右カーフキックを打つ海! 右アッパーを効かせた海はコーナーに詰めて左跳びヒザ! 効かされた扇久保はダウン。亀になったところからの立ち上がり際に、海は左のサッカーキック! 2発目のサッカーキックも防御しながらも後方に飛ばされたところでレフェリーが間に入った。


 リング上で朝倉海は、「こんにちは朝倉です。今回、たくさんの人の支援のおかげで大会を開催することができてほんとうに感謝しています。(ベルトは)ほんとうは去年の大晦日に獲りたかったですけど、皆さんお待たせしました。ほんとうに悔しくて、ほんとに必死こいて練習してきました。自信を持って戦うことができました。やっていたことは間違いなかったなと」と戴冠を語った。


 さらにフィニッシュを振り返り、「扇久保選手が下を向く癖があったんで、アッパーとヒザは狙っていました。効いたら一気に畳みかけようと思ったので、一発効いたら絶対仕留めるつもりした」と勝因を語った。

 続けて、「ほんとうに気持ちいいです。でもみんながみたいのは僕と堀口(恭司)選手の試合なので、実現させてください。何度も言っていますが、僕は日本の格闘技を盛り上げたいので、僕が先頭に立って盛り上げます! 応援よろしくお願いします」と力強く語った。


 また、バックステージで海は「素直に嬉しいですね。やっとチャンピオンになれて。マネル・ケイプにもやられてるし、やり返さないといけないし。こっからが勝負、勝ち続けないといけないと思います」と王者の抱負を語った。

 さらに解説で出稽古先であるアライアンスジム代表である高阪剛代表から「距離設定」について問われ、「リーチ差があるので、自分だけ当てて、相手の攻撃は当たらないところで戦いました」と明かした。


 また、新型コロナウイルスの自粛期間の影響について、「いい時間でした。自分を見つめ直すことが出来ました。ここから身を引き締めて、もっと僕自身も強くならないといけないと思います」と振り返り、今後について、「今回、負けたら終わりくらいに考えていました。(次は)いつでもできますが、堀口選手との試合を実現したいので、それに向けて調整したいと思います。来週くらいには練習に行きたいと思います」と語った。

 一方、敗れた扇久保は、「強かったです。(リング上で海に)強かったね、と言いました」と語ると、今後について「ちょっとまたゆっくり考えたいと思います。(フィニッシュについて聞かれ)あと何秒くらいでした?(30秒の声に)うーん、思ったより速くて打撃が強かったです」とあらためて王者を称えた。


 そして最後に、「こんな大変ななかご来場いただき、クラウドファンディングにも協力していただき、また、個人的にもファンの方に応援・サポートしていただき、感謝しています」と、感謝の言葉を述べた。

 扇久保は試合後の会見場ではレフェリーストップについて「立ち上がるところでした。でも動画で振り返ると止められても仕方ないかなと思いました」とも語っている。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.335
2024年11月22日発売
年末年始の主役たちを特集。UFC世界王座に挑む朝倉海、パントージャ独占インタビュー、大晦日・鈴木千裕vs.クレベル、井上直樹、久保優太。武尊、KANA。「武の世界」でプロハースカ、石井慧も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント