2020年8月10日、横浜ぴあアリーナMMで開催される「RIZIN.23」のメインで「RIZINバンタム級王座決定戦」として、扇久保博正(パラエストラ松戸)が、朝倉海(トライフォース赤坂)と対戦する。
公開練習では、同門で同じくRIZINに出場(8.9『RIZIN.22』で関鉄矢と対戦)する長身の神田コウヤを相手に2分1Rのマススパーリングを見せた。
扇久保は、バックフィストなどで間合いを詰め、テイクダウンから外ヒールフック、蟹挟みからクロスヒールホールドなど足関節を中心に攻撃。相手の立ち際には蹴りを見せるなど、得意のグラウンドのトランジッションを披露している。
極真空手をベースに持つ現修斗世界フライ級王者の扇久保は、2019年12月31日のさいたまスーパーアリーナ『RIZIN.20』にて、「RIZINバンタム級王座挑戦者決定戦」で石渡伸太郎(CAVE)を判定2-1で破ってタイトル挑戦権を手にし、2020年4月19日の横浜アリーナ『RIZIN.22』で王者マネル・ケイプに挑戦するはずだったが、ケイプがUFC入りを決め、王座戦が消滅。さらに新型コロナウイルスの影響で大会自体も中止となっていた。
2016年にはUFC登竜門番組「The Ultimate Fighter」のシーズン24にも出場し、準優勝となるもUFCは扇久保と契約せず。扇久保に敗れた選手がオクタゴン入りを決めるなど、フラストレーションが溜まるなか、RIZINからのオファーで参戦を決めた。
初戦で堀口恭司に敗れるも、元谷友貴、石渡伸太郎に競り勝ち、2連勝。互いに一歩も退かない熱戦は、自身と契約しなかったUFCを見返してやりたいという思いもあるという。
プロ26戦20勝4敗2分、“叩き上げ”の現修斗世界王者は、RIZINで記録にも記憶にも残る試合でベルトを巻くことができるか。
(海と向き合って)短気そうだな、と
【写真】発売中の『ゴング格闘技』でのフェイスオフ写真。撮影時の扇久保の感想は……。
──試合が迫ってきましたが、現在の心境はいかがですか。
「いつも通りワクワクしています。早く戦いたいです」
──パラエストラ千葉ネットワークの岡田遼選手や仙三選手らとの充実した練習環境をアップされていましたね。試合12日前の公開練習での体重は?
「64kgです。もう戦えますね」
──今回は自身のどういった部分に注目してほしいですか?
「いつも通り、生き様を見てもらえれば良いかなと思います」
──公開練習ではほぼ足関節しか見せませんでした。そこには対朝倉海戦用に、足関節技もあるぞというところを見せておこうという意図もありましたか。
「そうですね。秘策です」
──最新の足関節技をやりこんできたと。
「そうですね。今回の試合に向けて、レスリングも打撃も全部やってきましたが、足関節では、(相手の)足を破壊しようと思っています」
──いま発売中の『ゴング格闘技』の表紙用に朝倉海選手とフェイスオフしていただきましたが、実際に向き合ってみて何か感じるものはありましたか?
「向かい合って見て……(相手が)短気そうだな、と思いました」
──本誌のインタビューでは「次の試合も死闘にしようと思っています」と語っていましたが、長いラウンドでの勝負が理想ですか?
「いや、チャンスがあれば僕も全然、試合を決めに行くので、どうなるかは分からないですけど。でも、長くなっても早くても、僕が勝ちます」
──本誌の予想では、ビクター・ヘンリーが扇久保選手の一本勝ちを予想し、堀口恭司選手は海選手の勝利を予想していました。堀口選手の予想の理由は「扇久保選手はビビる時がある」と。「石渡戦はビビらなかったから勝利した」というものでした。このコメントに反論はありますか。
「いや、もう昔の自分じゃないので。まあ、ここを勝ってもう一回、堀口選手とやってそれも分からせたいと思います」
──なるほど。ファンに向けてのメッセージをお願いします。
「8月9日・10日、(パラエストラ千葉ネットワークから)僕ら3人(扇久保、浅倉カンナ、神田コウヤ)出るので、最後(メインイベント)は僕だと思いますが、本当に命燃やして戦おうと思うので、期待していて下さい」
――ところで……皇治選手がRIZINのベルトを肩に下げている写真に「ベルトはおもちゃじゃねえぞ」と怒りのツイートをしていましたね。
「あれは本当に腹が立ちました。あれはMMAのベルトじゃないですか。RIZINバンタム級のベルトですよ。そんな軽々しく持つようなものじゃない。ナメんなよって、マジで腹が立ちました」
――俺がやってやるよ、という気持ちになりました?
「そう言わせたいんですよね(笑)。なんならキックボクシングルールでやってやってもいいです」