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【UFC】平良達郎、日本人初のUFC世界王座獲得ならず。王者ジョシュア・ヴァンが5R TKO勝ちで初防衛に成功。ストリックランドがチマエフにスプリット判定勝ちでミドル級王座奪還。グーティエがUFC5連勝、元Bellator王者アモソフが連続一本勝ち、UFC最多出場ミラーが22個目の一本勝ち。ススルカエフが12戦無敗に=『UFC328』

2026/05/10 05:05

▼UFC世界フライ級(56.7kg)選手権試合 5分5R 
〇ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)王者 17勝2敗(UFC10勝1敗)※UFC7連勝
[5R 1分32秒 TKO]
×平良達郎(日本)挑戦者 18勝2敗(UFC8勝2敗)3位
※ヴァンが初防衛に成功

 平良は、Theパラエストラ沖縄(現THE BLACKBELT JAPAN)に入門し、2017年の全日本アマチュア修斗フライ級優勝から18年にプロデビュー。21年に修斗世界フライ級王座を獲得し、22年からUFCに参戦。オクタゴンで6連勝を記録後、24年10月に同級1位のブランドン・ロイバルにスプリット判定で敗れプロ初黒星を喫したが、25年8月に当時無敗のパク・ヒャンソンに2R リアネイキドチョークで一本勝ちで再起

 25年12月の前戦で2位のブランドン・モレノに2R TKO勝ち。王座挑戦をアピールしていた。身長170.2cm、リーチ177.8㎝。MMA18勝(6KO・TKO/8一本)1敗。沖縄のTHE BLACKBELT JAPAN所属、26歳。

 ミャンマー出身のヴァンは、母国の情勢悪化のため、10歳の時にマレーシア難民キャンプへ移住し、2013年に米国テキサス州ヒューストンへ移り住んだ。21年のMMAデビューからわずか1年2カ月の8戦(7勝1敗)でUFCとの契約を決めると、23年6月から3連勝。24年7月にチャールズ・ジョンソンに3R TKO負けで初黒星を喫した。しかし、その後も連勝街道に。エドガー・チャイレス、コーディ・ダーデン、鶴屋怜に判定勝ちすると、25年6月にブルーノ・シウバを3R 右フックでTKO。

 わずか3週間後、マネル・ケイプの負傷欠場による緊急オファーを受けて1位のブランドン・ロイバルと対戦。残り10秒でダウンを奪い判定3-0で勝利。25年12月、王者アレシャンドレ・ パントージャに挑戦し、1R、右ハイキックを掴んでテイクダウン、パントージャがマットに着いた左ヒジを脱臼した為、棄権TKO勝利。6連勝でミャンマー人及びアジア男性選手として初のUFC世界王者となった。身長・リーチともに165.1cm。MMA16勝(8KO・TKO/2一本)2敗。4oz. Fight Club所属、24歳。

 当初4月11日(同12日)の『UFC 327』マイアミ大会で行われる予定だったこのタイトルマッチは、ヴァンが負傷欠場で1カ月後の今回のニューアーク大会に延期されていた。

 これまで日本人では、山本喧一、近藤有己、宇野薫、桜井“マッハ”速人、岡見勇信、堀口恭司、朝倉海がUFC王座に挑戦も敗れている。

 今回のUFC世界フライ級タイトルマッチは、UFCの歴史上、初めてアジア人男性アスリート同士によるタイトルマッチであり、さらに、2000年代生まれ同士の王座戦としてもUFC史上初。平良が勝てば、日本人初のUFC世界王者誕生となる。

 日の丸を背負って入場の平良のセコンドには、松根良太TBJ沖縄代表、岡田遼、兄・平良龍一がつく。笑顔も見せる平良はケージに入る前に満員の会場を見渡し両手を挙げて観客を煽る。落ち着いた表情。続いて王者ヴァンはミャンマー国旗を背負って花道を進む。ジャッジに地元ニュージャージーの元パンクラス王者のヒカルド・アルメイダの名前、レフェリーはシャオリン、ヴィトー・ヒベイロがさばく。

 1R、ともにオーソドックス構え。中央から右カーフを蹴った平良。ヴァン左ジャブも伸ばすと右カーフからダブルレッグでケージまでドライブ。ボディロックテイクダウン! そのまま足を束ねてマウントに!

 背中を着かせて押さえ込む平良にブーイング。脇は差していない平良は左で枕に。ブリッジから足を入れようとするヴァン。身体を起すとがぶりの平良はバック狙い。ヴァンは自ら座る。

 組み手を切って立ったヴァン。左のダブルから右を突くヴァン。ステップバックの平良。左ジャブをダブルで突き、テイクダウンフェイントの平良。ヴァンのジャブに平良がダブルレッグテイクダウンもケージ背に座るヴァン。

 腰を抱き、横に寝かせようとする平良は足を束ねに左手を持つ平良。左差しの平良に、右小手のヴァンは立ち上がり。細かいヒザの突きあいから小内刈テイクダウンの平良はマウント。パウンドを受けながら立つヴァンは徹底して背中を見せない。平良のラウンドだが、初回で力を使ったのは平良。

「熱くなったら相手の思うつぼだ」という松根代表の声。

 2R、互いに中央へ。圧力をかけるヴァン。左回りの平良。ワンツーからジャブを突いてダブルレッグでケージまでドライブ。左で差して押し込む平良に差し上げて体を入れ替えるヴァンはヒザ。

 ヴァンはジャブを当てて前に。さらに右に繋ぐ。平良は左に回ってワンツー。胴に組んでドライブしてテイクダウンの平良はケージ中央で倒す。

 ブーイングの中、両足を束ねる平良。ヴァンは下から平良を押し上げてヒザを入れ鶴屋戦のようにバタフライガードまで戻す。左で脇差す平良は脇差しパスガード! マウントからパウンドもすぐに骨盤を押してブリッジで跳ね上げハーフにするヴァン。脇にヒジを突く。

 背中を着いたヴァンは左脇を差させない。起き上がりにがぶりの平良だが、首を抜いたヴァンに平良は右ストレートも、ヴァンはその内側に左を打ち込む。平良は右ロー。そこにヴァンは踏み込んでの右オーバーハンド! ダウンした平良は被弾しながらもラバーガードに入れるとパウンドを凌ぐ。ヴァンのラウンド。

 3R、左ジャブで前に出るヴァン。平良の組みを切る。フェイントを入れた平良に、右を当てるヴァン。さらに右から左の回転。

 左ジャブからシングルレッグに入る平良だが切るヴァン。右アッパーも。左ジャブを空けした平良は右カーフを返す。シングルレッグを切られた平良は鼻血。左右で詰めるヴァンは右オーバーハンドをヒット。

 顔を赤くする平良に右を当てたヴァン! ダウンした平良があえてか背中を見せて立とうとすると、ヴァンはスタンドよりも組んでバックに回ってくる。組みの展開は平良にとって時間をおける。しかしヴァンも横にずれながらも平良の左手を左足で縛ってリアネイキドチョーク。平良は右手一本でディフェンス。左手も抜いて腰をずらして外した。

 スタンドに。残り1分40秒。テイクダウンフェイントの平良に、「USA」コールの中、ヴァンが前に。しかし平良はコンビネーションから左右で前に! 詰めて左で差して崩して押し込み。戻すヴァンは右小手。平良は小外でテイクダウン! すぐに立つヴァンに、出血している平良は前に詰めてブザー。ダメージが見える平良はグローブタッチがわりにヴァンの胸を押して闘志を見せる。しかしポイントは2点差がついてもおかしくない。10-8でヴァンか。

 4R、チャンピオンシップラウンド。両手を挙げた平良。左ジャブから右カーフ! 足が流れたヴァン。平良の右アッパーに左を打ち返すが、平良はヴァンをボディロック&小外でテイクダウン! バタフライガードで両足を股間にフックするヴァン。右で差したい平良に、ヴァンは足を跳ね上げるが、そこに足を束ねて左で差して寝かせた平良。マウント!

 残り3分20秒。ブーイングのなか、平良は左枕でヴァンのブリッジにバック狙い。しかし再び仰向けになって背中を着くヴァン。パウンドを入れたい平良。右で差して立ち上がりのヴァンに三角絞めを合わせる平良だが、左手も中に入れているヴァンはずらして首を抜く。

 スタンド。左から右を当てるヴァン。平良は自身の顔を叩いて来いと鼓舞。フェイントを入れながら右カーフの平良。左ジャブの打ち合いから遠間からダブルレッグでケージまでドライブした平良。左で差すと、右小手のヴァン。残り20秒。左足をかけると足を抜くヴァンが突き放し。平良は鼻血。3Rのピンチから戻してきた平良だがどのくらい力を使ったか。ブザー。セコンドの松根代表は「絶対一本獲れる」と迎える。

 5R、顔を腫らしながら笑顔を見せた平良。右カーフは空振り。右ストレート当て、左ジャブで額を上げさせて前に詰めたヴァン。左回りの平良のカーフをかわすと、平良は右を当ててヴァンの打ち返しにいいタイミングで組むが、スプロールするヴァンになおもダブルレッグでケージまでドライブ。

 しかし差し返して体を入れ替えたヴァン。ヒザを突く平良。さらにダブルレッグも手前で切ったヴァンが前に。左ボディ、右アッパー。平良は右ヒザから押し戻し。首相撲にとらえるが、そこに左右ボディ打ちはヴァン。

 ヒザ打ち組みを解除の平良に、ヴァンは左三日月蹴りを腹に突き、平良のダブルレッグをスプロール。頭を押さえて左に回って離れる。ヴァンのターン。左から右ボディ、左三日月蹴り。さらに左ジャブにケージに詰まる平良。右アッパー、左ボディと腹を攻めて、右フック! 打ち抜かれた平良はケージにくぎ付けになり半身に。さらにヴァンの右から左を被弾し崩れたところで右手をマットに着いて崩れた平良。

 レフェリーが間に入った。平良は片ヒザを着きながらも止められた直後に両手を広げてまだ戦えると示す。その後、マウスピースを外して投げて悔しさを隠さなかった。

 ヴァンが最終ラウンド、1分32秒 TKO勝ち。初防衛に成功。平良は悲願の戴冠ならず。

 試合後、母国のチン族で迫害を受けて米国に移住した、敬虔なクリスチャンのヴァンは「まず最初に、私の主であり救い主であるイエス・キリストと、あの日の男に感謝したい。僕はただ、みんなに伝えようとしている、名前はイエス・キリスト」と神に感謝。

 続けて平良について「3ラウンドで終わらせようとしていて、あと少しのところまで来ていたんだけど、いやあ、タツロウは本当にタフな野郎だ。あと、コーチのダニエル・ピネダに感謝を伝えたい。彼は『ボディを狙って仕留めろ』って言ってたんだ。ボディを狙った途端、勝負は決まった」と勝因を語り、ケージサイドのパントージャとの因縁について「しっかり準備しておいたほうがいいぞ。お前が望むならもう一度やり直すこともできる」と、前王者との再戦を語った(※ジョシュア・ヴァン試合後インタビュー)。

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