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【UFC】平良達郎、日本人初のUFC世界王座獲得なるか、王者ジョシュア・ヴァンに挑戦。メインはミドル級王座戦チマエフvs.ストリックランド、元Bellator王者アモソフvs.4連勝アルヴァレス、UFC最多出場記録ミラーが22個目の一本勝ち。チマエフの練習仲間のススルカエフがサントスを絞め落とし12戦無敗に=速報中

2026/05/10 05:05

▼UFC世界フライ級(56.7kg)選手権試合 5分5R 
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)王者 16勝2敗(UFC9勝1敗)※UFC6連勝中
平良達郎(日本)挑戦者 18勝1敗(UFC8勝1敗)3位

前日計量でフライ級リミットの125ポンド(56.7kg)ジャストでともにパス。その後の公開計量&フェイスオフでファンの前でベルトにかける意気込みを語った。

 体重計の上で日の丸を背に広げてガッツポーズし、右手を胸に置いて軽く叩いた平良。対するヴァンは、胸を左右の腕で4発ドラミングしてガッツポーズ。

 フェイスオフでは互いに握手をかわしてから、両者目を逸らさずに向かい合い、ヴァンが右手を挙げると平良もうなずく。ダナ・ホワイト代表に両者背中を叩かれて分かれた。

 司会のジョー・ローガンから先にマイクを向けられた平良。「挑戦者のタイラ・タツロウがいます。これはあなたにとって素晴らしいチャンスです。あなたはUFCフライ級タイトルをかけて戦います。これこそが、あなたがここに来た目的です。その瞬間は明日の夜(日本時間朝)です。今の心境を聞かせてください」と聞かれると、ファンの前で平良は英語で語った。


(C)Zuffa LLC/UFC

「Yeah, I'm ready. I'm here to prove I'm the best and bring the belt back to Japan.(準備はできています。自分が“ベスト”であることを証明し、ベルトを日本へ持ち帰るためにここに来ました)」

 歓声のなか、次は王者が初防衛の心境を問われた。

 ジョシュア・ヴァンは「準備は万端だ。いや、待ちきれないよ。明日の夜が待ちきれない。明日は、殺るか殺られるかだ。俺たちはそんなことには巻き込まれない」と自信の表情。

 両者ともに朝の水抜き後の本計量時のこけた頬は通常に戻り、肌艶も良い状態で、ステージを降りた。

 U-NEXTの『UFC 328』前日特番での事前インタビューでは、平良は、1カ月延期を経てこぎつけた王座戦に、「1回作り上げてたので、(4月11日に)やれなくなったのは残念でしたけど、そこから毎週毎週、来週ジョシュア・ヴァンと戦うくらいの気持ちで試合をよりイメージして作ってました」と、濃密な時間を過ごしてきたという。実際に平良は、ヴァンの4月大会欠場の報を受けて、4日ほど休息を入れて身体を戻し、延期をポジティブにとらえ、再び今回の5月決戦に仕上げてきた。

 そして、大一番に向けて、「ヴァン(の武器)がボクシングというのはみんな知っているし、僕の寝技が強いのもみんな知ってるし、お互い手の内が分かった上で、自分の柔術のスキルをどう使おうかなという風には思っています。ヴァンは自分より若いし、“何か”を持っている選手。もちろんボクシングとタフネスを持っているし、僕はリーチだったり、ヴァンにはない柔術スキルを持っているので、そのアドバンテージを使いつつ、タイトルマッチなので25分間(5分5R)、集中するっていうことが一番です」と勝機を語っている。

「どうなる? ヴァンvs 平良」試合はスタンドで始まる──


(C)Zuffa LLC/UFC

「打撃の王者と組みの挑戦者」の構図にはあるが、MMAの試合はスタンドから始まる。最初の注目は、それぞれの立ち合いにある。

 ともにオーソドックス同士で、長距離で長いジャブ、右の真っすぐを持つ平良はスタンド技術の向上が目覚ましい。対するヴァンの打撃は強い圧力から距離が近く、打たれ強さもあるなかで相手の打ち終わりに当てるのも巧み。MMAのトータルでこなせて極めの強さを持つ平良が、さまざまなフェイイントとともに、ヴァンにいかにアプローチして、いい組み手で組めるか。

 身長・リーチともに165cmというヴァンに対し、平良は身長170cm、リーチ178cm。そのリーチをスタンドから活かして戦うが、小さくて詰まっているヴァンのように身長差があるとテイクダウンが入り辛い部分もある。


(C)Zuffa LLC/UFC

 鶴屋怜戦で外無双、一本背負いの変則投げにテイクダウンされたヴァンだが、打撃の崩しが無いタックルはほぼ防いでおり、UFCではテイクダウンディフェンスで81%を誇る。ゆえに、いかに平良がスタンドから作るかが、最初の注目で、今回はオーソ同士であることがポイントになってくる。

 フィジカルも強い平良はケージを背にさせて組み伏せたいが、ヴァンはテイクダウンディフェンスに加え、テイクダウンからコントロールさせない上手さも持つ。相手の首相撲にはボディパンチで対抗するなど荒々しさも見せるなか、平良は得意の四つ組み、バック、おたつロックなど一つひとつ駒を進めて制圧する松根柔術が活きる。


(C)Zuffa LLC/UFC

 そして、フルサイズのケージでの5Rの戦い。互いに足を使えるなかで、ともに5R戦の準備は経験済みながら、実際に5Rをブランドン・ロイヴァルと戦った平良に対し、ヴァンは最大3Rまでに試合を終えている。4R、5Rのチャンピオンシップラウンドの戦いは未知数だ。

 平良は本誌のインタビューに「間違いなくロイヴァル戦の5Rというのは、僕の中で一番キツい試合だったっていうのがありますし、それを経験したからこそ、自分が今回5分5R、25分を戦うとしても、自分が全部プッシュするっていう気持ちがあります。5分5Rは、絶対ヴァンより僕の方が有利だと思ってるんで、長引けば長引くほど僕の経験が活きると思っています」と語る。

 序盤の入り方が、その後のラウンドにも影響するチャンピオンシップは、いよいよ明日のブザーを待つのみとなった。

 UFC世界フライ級タイトルマッチは、UFCの歴史上、初めてアジア人男性アスリート同士によるタイトルマッチであり、さらに、2000年代生まれ同士の王座戦としてもUFC史上初。平良が勝てば、日本人初のUFC世界王者誕生となる。

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