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インタビュー

【UFC】チマエフ「ブレークになってもまたテイクダウンするだけ」「(UAE代表で五輪出場も?)もちろんある」×ストリックランド「練習相手のエブレンの方がずっといいレスラー。ハムザトが俺を驚かせるようなことはない」=5月10日(日)『UFC328』

2026/05/08 16:05

ショーン・ストリックランド(ミドル級3位)「そもそも一本を狙われるようなポジションにならない」

──ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)とのスパーリング動画が公開されていましたが、どう思いましたか?

「動画の長さはどれくらいだった? 23秒? 23秒くらいだろ。あの汚い野郎がさ。軽いスパーリングを投稿するんだぜ。あいつはただの小さいネズミみたいなやつなんだ。まず、撮られてることすら知らなかった。あれはウォームアップのラウンドだったんだ。だから、あいつは本当に弱い男だよ。弱い、弱い男だ」

──正直に言うと、あの動画自体にはそれほど意味のあるものは映っていなかったようにも見えました。

「そうだろ。でも問題は、何のために出すんだってことなんだよ。ライトスパーをして、それを見せる。まあ、あの(真っ赤な)ショーツはちょっと俺にも問題があったかもしれないけどな。Amazonで買ったやつだったんだよ。あればっかりはマイナスだったけど、俺は女が好きで、あいつはヤギが好きってこと。そこは俺の勝ちだな」

──実際にスパーリングはそれ以上やったのでしょうか? それとも、あのラウンドだけだったのですか?

「いや、実際には1回だけだ。スパーリングしたのは1回だけで、たぶん3ラウンドくらいやったと思う。でも俺はずっと言ってるだろ。俺はジムに行ったら、そのジムで一番強いやつとスパーリングしたいんだ。あいつともスパーリングしたかった。でもあいつはいつも、レベルの低い相手をボコりに行ってた。分からないけどな」

──彼は昨日のメディア対応で、UFCのハンターに電話をしてこの試合を求めたと言っていました。あなたの実力を試したかった、この試合を望んだと言っていました。今回、彼をそこまで自信満々にしている要因は何だと思いますか?

「いや、もちろん……分からないな。俺の実力を試したい? そんなに強い感じでもなかったけどな。あのとき俺があいつを何て呼んだかって? いや、落ち着けよ。まあ、この試合はいい試合だと思うよ。面白い試合だと思う。階級にはいろんなやつがいるけど、トップ5を見ても、ブレンダン・アレン(ミドル級4位)とか、あいつはサンドバッグみたいなもんだし、ただの肉の塊だろ。今のトップ5に他に何があるんだって話だよ。だから、新しい顔、新しい血が入ってくるのはいいことだと思う」

──もしこの試合で勝てなかった場合、この階級で勝てる相手はもういないという印象はありますか?

「まあ、最近の連中がレスリングを学んでくれることを願うよ。正直、ああいうチェチェン式の脚にしがみつくスタイルは本当に厄介なんだ。経験したことがないと分からない。トレーニングするのも難しい。あいつらは脚に絡みついて、命懸けでしがみついてくる。実際にああいう連中と練習しないと、なかなか体験できないんだ。俺はずっとあのタイプのやつらと練習してきたから、どういうものかは分かってる」

──お互いにホテルのロビーで顔を合わせられないかもしれない、フェイスオフもできないかもしれない、というような話が出ています。そういう流れに少し飽きてきたところはありますか? まるで2人が……。

「分からないな。どう始まったのかもよく分からない。いや、どう始まったかは分かってる。あいつが俺を襲うとか、そんな感じのことを冗談っぽく言ったんだ。俺を襲うってな。それで俺は、こいつは臆病者だと思った。俺は大人の男だ。人生のどの時点でも、誰かを集団で襲うなんてことを言って、その後に鏡の前で自分の顔を見るなんて無理だ。俺のファンを使って脅す、なんてことをしたら自分が情けないやつに感じる。だから、あいつがそんなことをしている時点で、弱い男だと言ってるんだ。

 もし外に出て、チェチェン人が5人で襲ってこようとしてきたら……ニュージャージーではもちろん無理だよ。ここではルールが違うからな。でもベガスで、外に出てチェチェン人が3人いたとして、俺を襲おうとしてきたなら、法的には全員に弾を撃ち込める。アメリカでは、男であることに価値を置く。アメリカでは、一対一の戦いに価値を置く。自分の足で立って戦うことに価値を置く。俺たちが価値を置かないのは、仲間を使って脅してくるような、弱い第三世界のやつだ。そんなのは本当に情けない」

──あなたは「父親があなたを女の子みたいにした」と言っていました。

「実際のところ、あいつは俺を暴力的にしたんだと思う。あいつがあまりにも弱い男だったからな。ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)もそうかもしれないけど、俺が育った環境では、父親はいちばん怖い存在だったんだ。母さんを殴るのを見てきたし、俺にビール瓶を投げつけてきたからな。俺を社会不適合者みたいにした存在だよ。

 絶対に忘れないことがある。あいつが母さんを仕事に行かせなかった日のことだ。当時の俺はファイターでもなかったと思う。高校も中退してたかもしれないし、たぶんろくでもないやつだった。それで俺が『母さんを仕事に行かせないとダメだろ、住宅ローンも払わなきゃいけないんだ』って言ったんだ。そしたらあいつが俺の目の前まで来て、俺はお前の父親だぞ、俺を殴るのか、って言ってきた。そこで俺は泣いたのを覚えてる。すごく失望したんだよ。ずっと怖れていたサイコパスみたいな男が、床で血を流して泣き言を言ってるだけの小さい男に見えたからな。だから、もし父が俺に影響を与えたとしたら、俺を社会不適合者にしたってことだ。俺がファイトウィークにチェチェン人3人を撃たなきゃいけなくなるかもしれない理由も、そこにあるのかもしれないな」

──試合そのものについてですが、ハムザトが前に出てきて、かなりアグレッシブに早い段階でタックルに入ってくることは誰もが分かっています。どのあたりから試合の流れを自分のものにできると思っていますか?

「俺はそこに問題を感じてない。俺の仲間のジョニー・エブレンの方がずっといいレスラーだし、ずっといいファイターだと思ってる。つまり、俺はあいつより上の相手と練習してきてるんだ。ジョニーなら、どの基準でもあいつに勝つと思う。だから、ハムザトが俺を試合で驚かせるようなことはない。もしかしたら、たまたまパンチを当ててくることはあるかもしれない。でも、パンチでもレスリングでも、俺が勝つよ」

──この試合ではグラップリングの話題が多く出ています。あなたのUFCでの全試合を見ても、相手があなたに一本を仕掛けたことが一度もないそうです。

「俺が男としか戦ってこなかったからじゃないか(笑)」

──それは意外でしたか? それとも、そのデータは知っていましたか?

「いや、一本なんてダサいだろ。脚にしがみついてくる相手に対応しなきゃいけないのは、本当にうんざりする。でも俺はそもそも、相手に一本を狙われるようなポジションにあまりならないんだ。背中をつけたくないし、そういう展開には入らないからな」

──あなたにとって、今回タイトルを獲ることと、イスラエル・アデサニヤ(ミドル級9位)に勝ったことでは、どちらの方が大きいですか?(※アデサニヤ戦=2023年9月『UFC 293』で判定勝ちを収めて初戴冠)

「俺は過去に生きるのが好きじゃないんだ。俺は常に前に進むタイプの人間だからな。あれは最高だったけど、勝ちは勝ち、負けは負けだ。チマエフに関しては、どちらかというと決着をつける感じだな。俺たちは一緒に練習していた。俺は自分が上だったと思ってるし、あいつは自分が上だったと思ってる。だから、本当にどっちが上なのかを確かめるだけだよ」

──今回王者になった場合、最初に王座を獲ったときとは何を変えたいですか? 前回は防衛できず、かなり短い間隔で次の試合に臨む形になりました(※デュ・プレシ戦=2024年1月『UFC 297』で初防衛戦を戦い、スプリット判定負け)。今回は違う形にしたいですか?

「いや、冗談だろ? 俺はいつだって短い間隔で試合をしたいんだ。チマエフみたいに、どこかに帰って独裁者に媚びを売りながら1年も有名人気取りで過ごすつもりはない。俺は戦いたいんだよ。金を稼ぎたいんだ」

──ナッソージン・イマボフ(ミドル級2位)がトップコンテンダーだと思いますか?

「そうだな、ナッソージンか。まあ、今はあいつがトップコンテンダーなのか? 怒れるムスリムだよ。また別の怒れるムスリムと戦うことになるんだろうな。本当に、UFCは朝起きて、このスポーツを積極的にダメにしてやろうって思ってるのかと考えることがあるよ。いちばん好感度の低いクソみたいなやつらを連れてきて、UFCに出そうってな。タンク・アボットとかマット・ヒューズみたいに、とにかく好かれないやつを連れてこようって感じだ」

──オッズメーカーはあなたを5対1くらいのアンダードッグにしています。一方で、ジョー・ローガンのように、あなたはこの試合に向いている、勝つためのスキルセットを持っていると話しているファイターも多くいます。そういう人たちが見ているものと、ベッティングの一般層が見ているものの違いは何だと思いますか?

「チマエフのいちばんの勝ち筋は、グラップリングじゃない。たぶん俺が滑って、あいつがオーバーハンドか何かを当てるとか、ラッキーで何かを当てることだ。でも結局のところ、世界最高のグラップラーを連れてきて、俺と1時間グラップリングさせたとしても、俺が勝つ。俺はグラップリングばかりやってるんだ。みんな、俺がグラップリングを投稿しない理由を何だと思ってるんだ? ダサいからだよ。殴り合う映像なら見せられるし、それはいい。でも男2人が正常位みたいな体勢になってる映像を本当に見たいか? ダサいんだよ。俺はやりたくない」

──事前番組では、エリックがあなたをエクストリーム・クートゥアのキャプテンのように表現していました。フランシス・ガヌー(元UFCヘビー級王者で、その後離脱)が試合に向けて準備していて、ジョニー・エブレンも新しい試合が決まった中で、今回のキャンプはどのような感じでしたか?

「フランシスって言ったか? それは言っちゃダメだろ。あのUFCのロゴが見えるか? ここでその名前は出せないんだよ。フランシスの話は許されてない。実際、俺は彼をPIに連れてきて、一緒にレスリングしようとしたんだ。でもUFCにはダメだと言われた。あのアフリカの男は、裸足で大陸を歩いてきたような人間だぞ。それなのに、彼がもっと金を稼いで人生を良くしようとしただけで、そんなに根に持つのかって話だ。狂ってるよ。でもUFCはUFCらしくやるんだろうな。

 キャンプはすごく良かったよ。正直、ジョニー・エブレンと練習するのは大嫌いだ。本当にジョニーと練習するのは嫌なんだよ。きつすぎる。ブレンダン・アレンみたいなサンドバッグを練習相手としてほしいよ。なのに俺は、世界王者のジョニーと練習してる。毎日5ラウンドのデスマッチみたいなことをやってるんだ。ブレンダンがいたら、かなり楽だっただろうなって思うよ」

──フランシス・ガヌーとアレックス・ペレイラ(ライトヘビー級2位)では、どちらとのスパーリングがきついですか?

「難しいな。フランシスはヘビー級だからな。ただ、アレックスはライトヘビー級のファイターだけど、ヘビー級にもなれる体格を持ってる。だからこそ、彼はかなり成功すると思うんだ。相手のレベルが下がる中で、自分は速くて、強く打てるわけだからな。だから、そうだな。でもフランシスはデカくて黒人だろ。分からないよ。もしどちらかと戦わなきゃいけないなら……どっちも最悪だ」

──あなたが信頼している人や尊敬している人から、発言をもう少し抑えた方がいいと強く言われたことはありますか? 特に王者になれば、もっと多くのチャンスがあるかもしれません。

「知ったことじゃない。ナイキが来て俺に……ナイキがロゴをつけてほしいって言ってきたとしても、お前らは中国の小さな子どもたちを使って靴を作ってるだろって話だ。こういう大企業が俺をスポンサーしたくないなら、勝手にしろ。問題はお前らの方なんだよ。俺は金持ちになりたいわけじゃない。俺は今すぐにでも引退できる。あと100万ドルなんていらない。どうでもいい。金は取っておけよ、企業のクズども」

──ショーン、ここでは明らかに警備がかなり強化されていますよね。昨日あなたが移動したときも警察がついていました。あれは州警察ですか?

「そうだな。分からないけど、州警察だと思う。すごくいい人たちだよ。本当にいい人たちだ」

──メディア対応が終わると、ショーンが動くぞ、という感じで周囲も動いていますよね。これはあなたにとって面白い状況ですか?

「言っておくけど、警備がつくのは初めてじゃない。これまでも何試合かで警備がついたことはある。今回はたぶん、いちばん警備が厳しい。でも、俺とチマエフの間に本当に問題があるとは思ってない。もし俺とチマエフが今ここにいたとしても、ここで殴り合うことはない。もちろん試合では戦うけどな。ただ、これはあいつの話に戻る。チマエフは来るときに、30人の熱狂的なチェチェン人を連れてこないといけない。そして彼らは信用できない。俺たちとは相容れないからだ。

 じゃあ、なぜ警備が必要なのか。アメリカが、どういうわけかそういう野蛮な連中をこの国に入れてしまって、あいつが30人の取り巻きを連れてくるからだよ。しかも俺はアメリカ人として、ニュージャージーにいなきゃいけない。ちなみにニュージャージーはクソみたいな州だ。悪気はないけどな。正当防衛でその場を守る権利も弱いし、銃の携帯もできない。ここは本当にひどい。だからアメリカ人として俺は、第三世界の国から来た30人くらいの連中に囲まれて、しかもあいつらは一対一では戦わず、刺してきそうな雰囲気を漂わせながら歩き回ってる――そんな状況に身を置かなきゃいけないんだ」

──街を見て回ったりはできていますか?

「いや、実は気に入ってるよ。かなり静かだからな。普段みたいに声をかけられない。特にタイトルマッチの週はそうなんだ。俺はファンに対してはいつもしっかり対応する。誰であっても、ファンが来たら必ずできる限りのことをする。だから、それをしなくていいのはちょっとありがたいんだ。もちろんファンは好きだよ。でもタイトルマッチの週は、UFCに対する熱量が違う人たちが集まってくる。だから、少し集中しやすいのはいいことだね」

──今回は過去より警備が強いと話していましたが、これまでに警備がついたのはどんなときでしたか?

「オーストラリアであの男を叩いたときかな。いや、ラブタップ(軽く叩いただけ)だよ。ラブタップ。ちなみに、あの男を探して、俺のシャツかチケットを渡さないといけないな。連れてきてくれよ。あいつは告訴しなかったし、あれは殴ったというよりラブタップだった。ラブチャットみたいなものだ。殴ったとは言わないでおくよ」※ストリックランドは2023年のUFCオーストラリア大会時、路上で挑発してきたファンの腹部を殴ったと自ら語っている。

──あなたの場合、警備がつく理由は何だと思いますか?

「UFCは俺が不安定だと分かってるんだと思う。不安定と言っても、俺は殴られるべきやつを殴るだけだ。外に出て、無差別に君や彼を襲うわけじゃない。でも殴られるべきやつがいたら、俺は殴る。殴るし、知ったことじゃない。暴行罪で捕まるなら捕まるし、数カ月刑務所に入ることになっても構わない。だからUFCは、その点を分かっているから慎重になってるんだと思う。相手が30人でも20人でも2人でも、必要なら殴るからな」

──試合当日までに、本当に何か起こると思いますか?

「いや、もちろん思ってない。もちろんだ。ただ、UFCはこの試合にどれだけの金を投資してると思う? ひとつ何かが起きたら、何十億ドルを失うかもしれない。大丈夫だよ」

──チマエフはあなたに勝った後、ライトヘビー級に上げるという話があります。もしあなたが勝った場合、彼はミドル級に残って再戦を追うと思いますか?

「分からないな。たぶんそうするんじゃないか。ただ、今のライトヘビー級はミドル級よりかなり楽な階級だと思う。俺もヘビー級に上げるべきかもな。ミドル級よりずっと楽だろうから。これはまた別の話だけど、業界では知られていることとして、階級が上がるほどスキルの差が出るんだ。例を出すよ。俺はいろんなファイターを指導するし、手助けもする。だから小さい階級のファイター、フェザー級とか、ライト級あたりを見ることがある。そうすると、こいつらは全部完璧にやってるなと思うことがあるんだ。キックをチェックして、パンチを打って、手数もあって、タックルにも入る。すべてを完璧にやってる。俺から言うことが何もないんだ。で、今度はヘビー級を見る。そうすると、おい、身体が後ろに反ってるぞ、パンチが落ちてるぞ、あれもこれもダメだぞ、ってなる。ヘビー級の試合を見ると、間違っているところが山ほどある。だから、小さい階級と大きい階級の間にスキルギャップがあるのは、よく知られていることなんだ。だから階級を上げるのは賢い選択でもある」

──そう考えると、あなたがライトヘビー級に上げる時期も来るのでしょうか?

「まあ、もう少し人生を楽しみたくなったら、あるかもしれない。ライトヘビー級で誰とスパーリングしたか考えてるんだけど……マゴメド・アンカラエフ(ライトヘビー級1位)なら良い戦いになると思う。アンカラエフが次の王者になるのは間違いない。アレックスがアンカラエフに勝ったことで、自分がランキングにふさわしく、王者にふさわしいと証明したのは本当にすごいことだよ。アンカラエフは、俺がスパーリングした205ポンドのファイターの中でも、おそらく最高の一人だからな」

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