MMA
インタビュー

【UFC】チマエフ「ブレークになってもまたテイクダウンするだけ」「(UAE代表で五輪出場も?)もちろんある」×ストリックランド「練習相手のエブレンの方がずっといいレスラー。ハムザトが俺を驚かせるようなことはない」==5月10日(日)『UFC328』

2026/05/08 16:05
 2026年5月9日(日本時間10日)米国ニュージャージー州ニューアーク・プルデンシャル・センターで開催される『UFC328』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)にて、コメインのジョシュア・ヴァンvs.平良達郎に続き、メインイベントでは無敗の現王者ハムザト・チマエフvs.元王者ショーン・ストリックランドによる「UFC世界ミドル級タイトルマッチ」(5分5R)が行われる。 ▼UFC世界ミドル級選手権試合 5分5Rハムザト・チマエフ(UAE)王者 15勝0敗(UFC 9勝0敗)※UFC9連勝中ショーン・ストリックランド(米国)挑戦者 30勝7敗(UFC 17勝7敗)  15戦無敗のチマエフは、ウェルター級からミドル級に戻して、25年8月の前戦で王者ドリカス・デュ・プレシに挑戦。初回からテイクダウンを奪うとデュ・プレシをクルスフィックスにとらえるなど5Rに渡り完封。新ミドル級王者となった。  元王者のストリックランドは、26年2月の前戦で8連勝中のアンソニー・ヘルナンデスと対戦し、3R 首相撲ヒザを効かせて左右ラッシュでTKO勝ち。1年前のデュ・プレシ戦の判定負けからの再起を遂げている。  すでにSNSで舌戦を繰り広げている両者は、ニューアークで厳戒態勢のなか、6日(日本時間7日)にメディアインタビュー、7日(同8日)に公開記者会見に臨んだ。まずは、比較的冷静なメディアインタビューから紹介したい。 ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)「(ストリックランドは)デュ・プレシに10回くらい倒されてるんだ。レベルの差がある」 ──あなたたちをお互いに近づけないようにしているようですね。どこへ行くにも警備がついています。ショーン・ストリックランド(ミドル級3位)を見かけましたか? 「いや、見てない。誰かが、あいつがホテルから逃げていくのを見たって言ってたよ。俺を撃つとか、あれをするとかこれをするとか言ってた男だろ。なのに、なんで別のホテルにいるのか分からない。あいつは俺をコントロールできると思ってたんだろうけど、ここにいない。俺たちがあいつをコントロールしてるんだよ」 ──ところで、スパーリング映像を投稿したのはなぜだったのでしょうか? なぜ投稿しようと思ったのですか? 「映像とかいろいろ見つけたから投稿しただけだよ。あいつが、俺は『弱いやつとしかスパーリングしない』って言ってたからな。あの映像では、軽く当てるだけのスパーリングだった。100%じゃない。いつもの俺みたいな感じじゃない。あいつが『激しいスパーリングはしたくない』って言ってたからだ。俺が強く当て始めたら、あいつはコーチのエリックに文句を言ってた。『この男が強く殴り始めた』ってな。俺が強く殴ったから、あいつはコーチのエリックとも少し問題になってた。いつもエリックに、『こいつを止めてくれ』って言ってたよ。あいつは本当に嘘ばかりつく。クレイジーだよ。あいつは嘘をついてる。ジムにいた人たちに聞けばいい。あいつの友達に聞けばいい。あいつらが本物なら、そのことを答えられるはずだ」 ──今のあなたにとって、何がより重要ですか? あなたはチェチェンを代表していて、ベルトを国に持ち帰りたいという思いがあります。その一方で、ショーンはあなたの国やそこにいる人たちについて、あまり良い言い方をしていません。あなたにとってより重要なのは、ベルトを持ち帰ることですか? それともショーンを黙らせることですか? 「関係ない。俺はここに来て仕事をするだけだ。金を稼ぐために、誰かを倒すために来てる。もしあいつが姿を見せないなら、別の誰かと戦うだけだ。そんなことはどうでもいい。俺たちはベルトを手にして家に帰る。それでハッピーだ」 ──記者会見では、彼と対面させるよりも試合当日まで待った方がいいと考えている人もいるようです。そのことについてはどう思いますか? 「なぜそうしなきゃいけない? 俺はあいつを恐れてない。戦えるなら嬉しいし、向き合えるなら嬉しいよ」 ──以前、あなたはUFCを無敗のまま去ることにこだわりはなく、大きなことをやりたいだけだと話していました。この試合の後、ミドル級であなたにやりたいことはまだありますか? 「ショーンは俺にとって大きなことじゃない。俺が前に倒した相手、ドリカス・デュ・プレシ(ミドル級1位)は、あいつに2回勝ってるからな(※チマエフのデュ・プレシ戦=2025年10月『UFC 319』で判定勝ち、ストリックランドのデュ・プレシ戦=2024年1月『UFC 297』、2025年2月『UFC 312』で判定負け)。俺は5ラウンド全部取って勝った。  ナッソージン・イマボフ(ミドル級2位)はショーンに負けているし、そこで戦う意味は何なんだ(※2023年1月『UFCファイトナイト・ラスベガス67』でストリックランドがイマボフに判定勝ち)? ビッグネームと戦えて、ビッグマネーが得られるほうで戦うよ。俺は大きなことをするために来たんだ。楽な試合を選ぶためじゃない」 ──大きな試合であれば、ヘビー級に上げることも考えているということですか? 「もちろんだ。間違いない」 ──あなたの周りには、強くて若いファイターたちがいます。彼らのリーダーのような立場にいること、そして若いファイターたちを育てながら一緒に練習することは、あなたにとってどんな意味がありますか? 「俺は誰かのリーダーじゃない。ただ、彼らと一緒にいるのはいいことだ。いいエネルギーがある。才能があって、俺と同じように努力する。だから俺達は助け合っているんだ」 ──今回のキャンプには、カリル・ラウントリー Jr.(ライトヘビー級5位)もずっといました。彼は、あなたがライトヘビー級に上げたら大きな問題になる、誰でも倒してしまうだろうと言っていました。彼からそう評価されることをどう感じていますか? 「俺はカリルみたいなブラザーとは戦えない。本当のブラザーならな。ストリックランドみたいなくだらないことはしない。ある日ブラザーと呼んで、次の日に戦うなんてことはできない。俺は本物でいたいんだ」 ──先ほども話題に出たように、今週は警備が強化されています。制服姿の警察官もあなたについて回っています。こういう状況は面白く感じますか? 「いや。俺はチェチェン出身だ。だから、ここでどれだけ警備がいても気にしない。これはショーンの安全のためだろ」 ──普段とは違う対応をされていることについて、何か感じることはありますか? 「デイナ・ホワイトに聞いてくれ。俺はUFCの人間じゃない。ただのUFCファイターだ」 ──先ほどヘビー級に上げる可能性について話していました。ヘビー級のファイターたちを見ることはありますか? 今のヘビー級はやや層が薄い階級だと言う人も多いですが、大きな相手を見て、自分ならいけると思うことはありますか? 「キャリアの最初の頃から、アレクサンダー・グスタフソン、ジミ・マヌワ、グーカン・サキと練習してきた。俺は170ポンドで戦っていた頃から、トップの連中と練習していたんだ。だから問題があるとすれば体重だけだな。俺は食べるのが好きだから、方法は見つけるよ」 ──コナー・マクレガーが、あなたとショーンが戦うのは自分のベルトだ、というメッセージを出していました。見ましたか? 「あいつのベルト? あいつは10年前にベルトを失っただろ。だから分からないな。あの男は少しドラッグをやめた方がいい。いつも何かを飲んでるんだろ? 普通に戻って、仕事をして、戦えばいい。ボクシングでも俺は構わない。ズッファ・ボクシングの人たちにも言ったけど、みんな俺のことをただのレスラーだと思ってる。MMAの試合だからボクシングを使わなくても戦えるってだけで、ボクシングの試合ならそれはそれで戦えるよ」 ──ボクシングの話もあり、ヘビー級に上げる話もあり、さらに今年後半にはレスリングにも出る予定があります。カイル・スナイダーとレスリングすることはありますか? 「団体がいい金を払うなら、もちろんだ。でも、大した金じゃなければ戦わない。オリンピック王者とレスリングしたいなら、本来はオリンピックに行くべきだろ。ただ、ひとつの可能性ではある」※カイル・スナイダー=レスリング男子フリースタイル97kg級で、2016年リオデジャネイロ五輪で金、21年東京五輪で銀メダルを獲得。現RAF(2025年設立のプロ・フリースタイルレスリング団体)ライトヘビー級王者。 ──あなたのコーチのアランと話したところ、RAFと契約した後、将来的にUAE代表としてオリンピックに出る可能性もあると言っていました。それは興味がありますか? 「もちろんだ。今はまずこの試合に集中している。できればその後、アブダビに戻って、そこで戦いたい。その後で考えるよ」 ──オリンピックの金メダルは、UFC王座と比べてどのような意味を持つと思いますか? 「分からない。俺は人生の中で、誰かと競い合うためにやってるんだ。そこに向けて努力するのは大変だと思う。あそこには強いやつがたくさんいる。俺の階級にも、技術のあるやつがたくさんいるからな」 ──あなたは自分に非常に自信を持っていますし、この試合でも明らかに有利と見られています。ただ、ショーンの武器の中で、あなたにとって危険になり得るものはありますか? 「分からないな。試合でわかるだろう。もしあいつが俺を驚かせるようなものを見せてくれたら、俺はすごく嬉しいよ。試合がきつければきついほど、自分の最高のスキルを見せられるからな」 ──警備強化について、ホテル周辺だけでなく、あなたのフロアにも警備がいるそうですね。今週の準備に何か影響はありますか? たとえば移動するときに逐一伝えなければいけないなど、何か影響はありますか? 「警備の人たちはいつもいるよ。他の試合でもそうだった。何人かは知ってるし、何度も会ってると思う。彼らが俺たちをコントロールする必要があるのか? なんで俺たちが彼らをコントロールしなきゃいけないんだ? 俺たちは俺たちのことをして、彼らは彼らの仕事をしてるだけだ」 ──ファンは、ショーン側からのトラッシュトークも含めて、今回あなたがどんなアプローチを取るのか気になっています。元王者にやったように25分間圧倒して痛めつけたいのか、それとも早くフィニッシュしたいのか。今回の試合のアプローチはどう考えていますか? 「特別に何かを計画してるわけじゃない。起こることが起こるだけだ。いつも通りに試合に臨む。準備して出ていくし、神の助け、アラーの助けがあれば、どうなるか見てみよう」 ──先週、オープンワークアウト後にショーンと話しました。試合後、結果に関係なく握手をするつもりはあるかと聞いたところ、彼は握手はしない、おそらく敵同士のままだと言っていました。同じ質問です。勝っても負けても、試合後に彼と握手するつもりはありますか? 「それは俺がいま考えることじゃない。立ち止まって考えるようなことでもない。握手するかしないか、友達になるかならないか、人生でまた会うことがあるのかどうか、俺にとってはどうでもいい。俺たちと友達でいるのはいいことだし、俺たちと友達じゃないのはいいことじゃない」 ──前回のデュ・プレシ戦では、アクションを促すためにレフェリーが2度立たせる場面がありました。相手にスタンドから再開するチャンスを与えるような形にも見えました。今はまた時代が変わり、ファンはよりエキサイティングな試合を求めています。ショーンは基本的にスタンドで戦うタイプです。レスリングが続いた場合にレフェリーがブレイクして、スタンドから再開させる可能性については考えていますか? 「またテイクダウンするだけだ。何をすればいいんだ? レフェリーが立たせるなら、レフェリーは自分の仕事をしてるだけだ。立って戦えと言うなら立って戦うし、倒していいなら倒す。俺たちにできるのはそれだけだ。試合にどう入るか、どんな戦略でいくかはあるけど、何が起こるかは試合が見せる。考えとしては、出ていって支配することだ」 ──もしアルマン・ツァルキャン(ライト級2位)がミドル級に上げたら、ショーンに勝てると思いますか? 「もちろん勝てる。今でも勝てるよ」 ──ナッソージン・イマボフとは、同じコーカサスのブラザーとして戦わずに済んでよかったと思いますか? そして彼は、あなたの後にミドル級の次の王者になると思いますか? 「彼と戦うことになったら、どうすればいい? 俺たちは職場で働いてるようなものだ。求められればやるしかない。でももちろん、お互い戦いたいわけじゃない。同じ宗教で、ほとんど同じ国のようなところにいて、お互いを知っている。彼はいいやつだ。次の王者になると思うよ」 ──あなたとショーンのスパーリングについて、ジムであなたが彼から一本を取ったという噂が多くあります。一方で、ショーンはUFCの試合で一度も一本を仕掛けられたことがありません。ケージの中であなたが一本を狙ったとき、彼はどう反応すると思いますか? 「分からないな。あいつがいいレスラーとやっているところを見たことがない。考えてみろよ。デュ・プレシに10回くらい倒されてるんだ。俺が誰かを倒そうとしたら、そこにはレベルの差がある」 [nextpage] ショーン・ストリックランド(ミドル級3位)「そもそも一本を狙われるようなポジションにならない」 ──ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)とのスパーリング動画が公開されていましたが、どう思いましたか? 「動画の長さはどれくらいだった? 23秒? 23秒くらいだろ。あの汚い野郎がさ。軽いスパーリングを投稿するんだぜ。あいつはただの小さいネズミみたいなやつなんだ。まず、撮られてることすら知らなかった。あれはウォームアップのラウンドだったんだ。だから、あいつは本当に弱い男だよ。弱い、弱い男だ」 ──正直に言うと、あの動画自体にはそれほど意味のあるものは映っていなかったようにも見えました。 「そうだろ。でも問題は、何のために出すんだってことなんだよ。ライトスパーをして、それを見せる。まあ、あの(真っ赤な)ショーツはちょっと俺にも問題があったかもしれないけどな。Amazonで買ったやつだったんだよ。あればっかりはマイナスだったけど、俺は女が好きで、あいつはヤギが好きってこと。そこは俺の勝ちだな」 ──実際にスパーリングはそれ以上やったのでしょうか? それとも、あのラウンドだけだったのですか? 「いや、実際には1回だけだ。スパーリングしたのは1回だけで、たぶん3ラウンドくらいやったと思う。でも俺はずっと言ってるだろ。俺はジムに行ったら、そのジムで一番強いやつとスパーリングしたいんだ。あいつともスパーリングしたかった。でもあいつはいつも、レベルの低い相手をボコりに行ってた。分からないけどな」 ──彼は昨日のメディア対応で、UFCのハンターに電話をしてこの試合を求めたと言っていました。あなたの実力を試したかった、この試合を望んだと言っていました。今回、彼をそこまで自信満々にしている要因は何だと思いますか? 「いや、もちろん……分からないな。俺の実力を試したい? そんなに強い感じでもなかったけどな。あのとき俺があいつを何て呼んだかって? いや、落ち着けよ。まあ、この試合はいい試合だと思うよ。面白い試合だと思う。階級にはいろんなやつがいるけど、トップ5を見ても、ブレンダン・アレン(ミドル級4位)とか、あいつはサンドバッグみたいなもんだし、ただの肉の塊だろ。今のトップ5に他に何があるんだって話だよ。だから、新しい顔、新しい血が入ってくるのはいいことだと思う」 ──もしこの試合で勝てなかった場合、この階級で勝てる相手はもういないという印象はありますか? 「まあ、最近の連中がレスリングを学んでくれることを願うよ。正直、ああいうチェチェン式の脚にしがみつくスタイルは本当に厄介なんだ。経験したことがないと分からない。トレーニングするのも難しい。あいつらは脚に絡みついて、命懸けでしがみついてくる。実際にああいう連中と練習しないと、なかなか体験できないんだ。俺はずっとあのタイプのやつらと練習してきたから、どういうものかは分かってる」 ──お互いにホテルのロビーで顔を合わせられないかもしれない、フェイスオフもできないかもしれない、というような話が出ています。そういう流れに少し飽きてきたところはありますか? まるで2人が……。 「分からないな。どう始まったのかもよく分からない。いや、どう始まったかは分かってる。あいつが俺を襲うとか、そんな感じのことを冗談っぽく言ったんだ。俺を襲うってな。それで俺は、こいつは臆病者だと思った。俺は大人の男だ。人生のどの時点でも、誰かを集団で襲うなんてことを言って、その後に鏡の前で自分の顔を見るなんて無理だ。俺のファンを使って脅す、なんてことをしたら自分が情けないやつに感じる。だから、あいつがそんなことをしている時点で、弱い男だと言ってるんだ。  もし外に出て、チェチェン人が5人で襲ってこようとしてきたら……ニュージャージーではもちろん無理だよ。ここではルールが違うからな。でもベガスで、外に出てチェチェン人が3人いたとして、俺を襲おうとしてきたなら、法的には全員に弾を撃ち込める。アメリカでは、男であることに価値を置く。アメリカでは、一対一の戦いに価値を置く。自分の足で立って戦うことに価値を置く。俺たちが価値を置かないのは、仲間を使って脅してくるような、弱い第三世界のやつだ。そんなのは本当に情けない」 ──あなたは「父親があなたを女の子みたいにした」と言っていました。 「実際のところ、あいつは俺を暴力的にしたんだと思う。あいつがあまりにも弱い男だったからな。ハムザト・チマエフ(ミドル級王者)もそうかもしれないけど、俺が育った環境では、父親はいちばん怖い存在だったんだ。母さんを殴るのを見てきたし、俺にビール瓶を投げつけてきたからな。俺を社会不適合者みたいにした存在だよ。  絶対に忘れないことがある。あいつが母さんを仕事に行かせなかった日のことだ。当時の俺はファイターでもなかったと思う。高校も中退してたかもしれないし、たぶんろくでもないやつだった。それで俺が『母さんを仕事に行かせないとダメだろ、住宅ローンも払わなきゃいけないんだ』って言ったんだ。そしたらあいつが俺の目の前まで来て、俺はお前の父親だぞ、俺を殴るのか、って言ってきた。そこで俺は泣いたのを覚えてる。すごく失望したんだよ。ずっと怖れていたサイコパスみたいな男が、床で血を流して泣き言を言ってるだけの小さい男に見えたからな。だから、もし父が俺に影響を与えたとしたら、俺を社会不適合者にしたってことだ。俺がファイトウィークにチェチェン人3人を撃たなきゃいけなくなるかもしれない理由も、そこにあるのかもしれないな」 ──試合そのものについてですが、ハムザトが前に出てきて、かなりアグレッシブに早い段階でタックルに入ってくることは誰もが分かっています。どのあたりから試合の流れを自分のものにできると思っていますか? 「俺はそこに問題を感じてない。俺の仲間のジョニー・エブレンの方がずっといいレスラーだし、ずっといいファイターだと思ってる。つまり、俺はあいつより上の相手と練習してきてるんだ。ジョニーなら、どの基準でもあいつに勝つと思う。だから、ハムザトが俺を試合で驚かせるようなことはない。もしかしたら、たまたまパンチを当ててくることはあるかもしれない。でも、パンチでもレスリングでも、俺が勝つよ」 ──この試合ではグラップリングの話題が多く出ています。あなたのUFCでの全試合を見ても、相手があなたに一本を仕掛けたことが一度もないそうです。 「俺が男としか戦ってこなかったからじゃないか(笑)」 ──それは意外でしたか? それとも、そのデータは知っていましたか? 「いや、一本なんてダサいだろ。脚にしがみついてくる相手に対応しなきゃいけないのは、本当にうんざりする。でも俺はそもそも、相手に一本を狙われるようなポジションにあまりならないんだ。背中をつけたくないし、そういう展開には入らないからな」 ──あなたにとって、今回タイトルを獲ることと、イスラエル・アデサニヤ(ミドル級9位)に勝ったことでは、どちらの方が大きいですか?(※アデサニヤ戦=2023年9月『UFC 293』で判定勝ちを収めて初戴冠) 「俺は過去に生きるのが好きじゃないんだ。俺は常に前に進むタイプの人間だからな。あれは最高だったけど、勝ちは勝ち、負けは負けだ。チマエフに関しては、どちらかというと決着をつける感じだな。俺たちは一緒に練習していた。俺は自分が上だったと思ってるし、あいつは自分が上だったと思ってる。だから、本当にどっちが上なのかを確かめるだけだよ」 ──今回王者になった場合、最初に王座を獲ったときとは何を変えたいですか? 前回は防衛できず、かなり短い間隔で次の試合に臨む形になりました(※デュ・プレシ戦=2024年1月『UFC 297』で初防衛戦を戦い、スプリット判定負け)。今回は違う形にしたいですか? 「いや、冗談だろ? 俺はいつだって短い間隔で試合をしたいんだ。チマエフみたいに、どこかに帰って独裁者に媚びを売りながら1年も有名人気取りで過ごすつもりはない。俺は戦いたいんだよ。金を稼ぎたいんだ」 ──ナッソージン・イマボフ(ミドル級2位)がトップコンテンダーだと思いますか? 「そうだな、ナッソージンか。まあ、今はあいつがトップコンテンダーなのか? 怒れるムスリムだよ。また別の怒れるムスリムと戦うことになるんだろうな。本当に、UFCは朝起きて、このスポーツを積極的にダメにしてやろうって思ってるのかと考えることがあるよ。いちばん好感度の低いクソみたいなやつらを連れてきて、UFCに出そうってな。タンク・アボットとかマット・ヒューズみたいに、とにかく好かれないやつを連れてこようって感じだ」 ──オッズメーカーはあなたを5対1くらいのアンダードッグにしています。一方で、ジョー・ローガンのように、あなたはこの試合に向いている、勝つためのスキルセットを持っていると話しているファイターも多くいます。そういう人たちが見ているものと、ベッティングの一般層が見ているものの違いは何だと思いますか? 「チマエフのいちばんの勝ち筋は、グラップリングじゃない。たぶん俺が滑って、あいつがオーバーハンドか何かを当てるとか、ラッキーで何かを当てることだ。でも結局のところ、世界最高のグラップラーを連れてきて、俺と1時間グラップリングさせたとしても、俺が勝つ。俺はグラップリングばかりやってるんだ。みんな、俺がグラップリングを投稿しない理由を何だと思ってるんだ? ダサいからだよ。殴り合う映像なら見せられるし、それはいい。でも男2人が正常位みたいな体勢になってる映像を本当に見たいか? ダサいんだよ。俺はやりたくない」 ──事前番組では、エリックがあなたをエクストリーム・クートゥアのキャプテンのように表現していました。フランシス・ガヌー(元UFCヘビー級王者で、その後離脱)が試合に向けて準備していて、ジョニー・エブレンも新しい試合が決まった中で、今回のキャンプはどのような感じでしたか? 「フランシスって言ったか? それは言っちゃダメだろ。あのUFCのロゴが見えるか? ここでその名前は出せないんだよ。フランシスの話は許されてない。実際、俺は彼をPIに連れてきて、一緒にレスリングしようとしたんだ。でもUFCにはダメだと言われた。あのアフリカの男は、裸足で大陸を歩いてきたような人間だぞ。それなのに、彼がもっと金を稼いで人生を良くしようとしただけで、そんなに根に持つのかって話だ。狂ってるよ。でもUFCはUFCらしくやるんだろうな。  キャンプはすごく良かったよ。正直、ジョニー・エブレンと練習するのは大嫌いだ。本当にジョニーと練習するのは嫌なんだよ。きつすぎる。ブレンダン・アレンみたいなサンドバッグを練習相手としてほしいよ。なのに俺は、世界王者のジョニーと練習してる。毎日5ラウンドのデスマッチみたいなことをやってるんだ。ブレンダンがいたら、かなり楽だっただろうなって思うよ」 ──フランシス・ガヌーとアレックス・ペレイラ(ライトヘビー級2位)では、どちらとのスパーリングがきついですか? 「難しいな。フランシスはヘビー級だからな。ただ、アレックスはライトヘビー級のファイターだけど、ヘビー級にもなれる体格を持ってる。だからこそ、彼はかなり成功すると思うんだ。相手のレベルが下がる中で、自分は速くて、強く打てるわけだからな。だから、そうだな。でもフランシスはデカくて黒人だろ。分からないよ。もしどちらかと戦わなきゃいけないなら……どっちも最悪だ」 ──あなたが信頼している人や尊敬している人から、発言をもう少し抑えた方がいいと強く言われたことはありますか? 特に王者になれば、もっと多くのチャンスがあるかもしれません。 「知ったことじゃない。ナイキが来て俺に……ナイキがロゴをつけてほしいって言ってきたとしても、お前らは中国の小さな子どもたちを使って靴を作ってるだろって話だ。こういう大企業が俺をスポンサーしたくないなら、勝手にしろ。問題はお前らの方なんだよ。俺は金持ちになりたいわけじゃない。俺は今すぐにでも引退できる。あと100万ドルなんていらない。どうでもいい。金は取っておけよ、企業のクズども」 ──ショーン、ここでは明らかに警備がかなり強化されていますよね。昨日あなたが移動したときも警察がついていました。あれは州警察ですか? 「そうだな。分からないけど、州警察だと思う。すごくいい人たちだよ。本当にいい人たちだ」 ──メディア対応が終わると、ショーンが動くぞ、という感じで周囲も動いていますよね。これはあなたにとって面白い状況ですか? 「言っておくけど、警備がつくのは初めてじゃない。これまでも何試合かで警備がついたことはある。今回はたぶん、いちばん警備が厳しい。でも、俺とチマエフの間に本当に問題があるとは思ってない。もし俺とチマエフが今ここにいたとしても、ここで殴り合うことはない。もちろん試合では戦うけどな。ただ、これはあいつの話に戻る。チマエフは来るときに、30人の熱狂的なチェチェン人を連れてこないといけない。そして彼らは信用できない。俺たちとは相容れないからだ。  じゃあ、なぜ警備が必要なのか。アメリカが、どういうわけかそういう野蛮な連中をこの国に入れてしまって、あいつが30人の取り巻きを連れてくるからだよ。しかも俺はアメリカ人として、ニュージャージーにいなきゃいけない。ちなみにニュージャージーはクソみたいな州だ。悪気はないけどな。正当防衛でその場を守る権利も弱いし、銃の携帯もできない。ここは本当にひどい。だからアメリカ人として俺は、第三世界の国から来た30人くらいの連中に囲まれて、しかもあいつらは一対一では戦わず、刺してきそうな雰囲気を漂わせながら歩き回ってる――そんな状況に身を置かなきゃいけないんだ」 ──街を見て回ったりはできていますか? 「いや、実は気に入ってるよ。かなり静かだからな。普段みたいに声をかけられない。特にタイトルマッチの週はそうなんだ。俺はファンに対してはいつもしっかり対応する。誰であっても、ファンが来たら必ずできる限りのことをする。だから、それをしなくていいのはちょっとありがたいんだ。もちろんファンは好きだよ。でもタイトルマッチの週は、UFCに対する熱量が違う人たちが集まってくる。だから、少し集中しやすいのはいいことだね」 ──今回は過去より警備が強いと話していましたが、これまでに警備がついたのはどんなときでしたか? 「オーストラリアであの男を叩いたときかな。いや、ラブタップ(軽く叩いただけ)だよ。ラブタップ。ちなみに、あの男を探して、俺のシャツかチケットを渡さないといけないな。連れてきてくれよ。あいつは告訴しなかったし、あれは殴ったというよりラブタップだった。ラブチャットみたいなものだ。殴ったとは言わないでおくよ」※ストリックランドは2023年のUFCオーストラリア大会時、路上で挑発してきたファンの腹部を殴ったと自ら語っている。 ──あなたの場合、警備がつく理由は何だと思いますか? 「UFCは俺が不安定だと分かってるんだと思う。不安定と言っても、俺は殴られるべきやつを殴るだけだ。外に出て、無差別に君や彼を襲うわけじゃない。でも殴られるべきやつがいたら、俺は殴る。殴るし、知ったことじゃない。暴行罪で捕まるなら捕まるし、数カ月刑務所に入ることになっても構わない。だからUFCは、その点を分かっているから慎重になってるんだと思う。相手が30人でも20人でも2人でも、必要なら殴るからな」 ──試合当日までに、本当に何か起こると思いますか? 「いや、もちろん思ってない。もちろんだ。ただ、UFCはこの試合にどれだけの金を投資してると思う? ひとつ何かが起きたら、何十億ドルを失うかもしれない。大丈夫だよ」 ──チマエフはあなたに勝った後、ライトヘビー級に上げるという話があります。もしあなたが勝った場合、彼はミドル級に残って再戦を追うと思いますか? 「分からないな。たぶんそうするんじゃないか。ただ、今のライトヘビー級はミドル級よりかなり楽な階級だと思う。俺もヘビー級に上げるべきかもな。ミドル級よりずっと楽だろうから。これはまた別の話だけど、業界では知られていることとして、階級が上がるほどスキルの差が出るんだ。例を出すよ。俺はいろんなファイターを指導するし、手助けもする。だから小さい階級のファイター、フェザー級とか、ライト級あたりを見ることがある。そうすると、こいつらは全部完璧にやってるなと思うことがあるんだ。キックをチェックして、パンチを打って、手数もあって、タックルにも入る。すべてを完璧にやってる。俺から言うことが何もないんだ。で、今度はヘビー級を見る。そうすると、おい、身体が後ろに反ってるぞ、パンチが落ちてるぞ、あれもこれもダメだぞ、ってなる。ヘビー級の試合を見ると、間違っているところが山ほどある。だから、小さい階級と大きい階級の間にスキルギャップがあるのは、よく知られていることなんだ。だから階級を上げるのは賢い選択でもある」 ──そう考えると、あなたがライトヘビー級に上げる時期も来るのでしょうか? 「まあ、もう少し人生を楽しみたくなったら、あるかもしれない。ライトヘビー級で誰とスパーリングしたか考えてるんだけど……マゴメド・アンカラエフ(ライトヘビー級1位)なら良い戦いになると思う。アンカラエフが次の王者になるのは間違いない。アレックスがアンカラエフに勝ったことで、自分がランキングにふさわしく、王者にふさわしいと証明したのは本当にすごいことだよ。アンカラエフは、俺がスパーリングした205ポンドのファイターの中でも、おそらく最高の一人だからな」
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