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【修斗】SASUKEが椿飛鳥をRNCで絞め落として世界フェザー級王座3度目の防衛「実力をつけてから俺の前に立て」、バンタム級・永井奏多が藤井伸樹に競り勝ち無敗守る、杉野、中野が判定勝ち。女子ストロー級ボヒョンがソルト撃破で藤野と王座戦へ、フェザー級・宇藤が齋藤を14秒KO! フライ級・中池が復活のギロチン一本勝ち

2025/03/16 18:03

プロフェッショナル修斗公式戦 2025 Vol.2 速報

▼世界フェザー級チャンピオンシップ 5分5R
〇SASUKE(マスタージャパン東京)王者
[2R 2分55秒 リアネイキドチョーク
]
×椿 飛鳥(トライデントジム)挑戦者・同級1位
※SASUKEが3度目の防衛に成功

 両者は2024年11月に対戦を予定していたが、今大会へスライドして行われることとなった。ことの発端は椿が事あるごとに王者SASUKEを挑発。堪忍袋の緒がきれたSASUKEが重い腰を上げ、対戦することとなったが、大会直前にSASUKEがヒザを負傷し、試合が中止となった経緯がある。

 その後も度重なる挑発を繰り返す椿に対してSNS上で両陣営が舌戦を展開。更にSASUKEの逆鱗に触れたのが、19日のケージ内でのカード発表の際に身を案じた椿がボディガードを引き連れ登場したこと。

 椿は、「今日は何かあると思ってボディガードを雇ってきました。SASUKE選手の怪我の状態がたいしたことがなくて本当に良かったです。皆さん応援よろしくお願いします」とアピール。

「おい、寒いことすんなよ」と怒り心頭の王者は「自分の実力、一番自分がわかってるはずだと思うんで、ミスマッチという試合ですが、やりすぎるとかわいそうなんで、優しくしてあげようと思います」と圧勝を宣言すると、マイクを捨ててフォトセッションにも応じずケージを後にした。

 ボディガードとともにケージに残された椿は「怪我から復帰のSASUKE選手の応援お願いします」と火に油を注ぐコメントで締めている。

 椿は、お調子者のキャラとは打って変わってクレバーな試合運びで7月の前戦ではたておにスプリット判定で競り勝つなど、直近まで3戦全勝でトップコンテンダーまで上り詰めた。

 恵まれた体躯から繰り出す長い打撃に、組み際のヒジ・ヒザ等の打撃も加わり、粘り強いグラップリングが融合している。先日行われた「Breakthrough Combat02」でも城戸泰介を相手にProgressルールで勝利を収めたばかりだ。

 ここまで滑りまくっている椿だが、果たしてその意図は? その全ての流れが計算されていたとしたら……。それでも2021年の王座戴冠から、たてお、田中半蔵を相手に連続防衛を果たし、2024年5月の前戦ではYFUとの対抗戦で中国のジョングウェン・パンを1R スロエフストレッチで極めるなど、敵なしの無双状態のコンプリートファイターのSASUKEが優勢なのは間違いないだろう。

 王者絶対有利は動かし難いが、“くせ者”椿はどんな策を立てるか。時として弱者が圧倒的強者に勝つこともあるのが格闘技の面白いところ。果たして椿のランチェスター戦略はSASUKEに通用するのか?

 最後にベルトを巻いてケージを後にするのは怒りの王者か、嘲笑う挑戦者か。何かが起こる予感満載のタイトルを賭けた5ラウンドマッチに期待だ。

 1R、両者オーソドックス。蹴りを放つ椿だが、キャッチしたSASUKEが軸足を払い、豪快に抱えあげてテイクダウン。サイドにつくとキムラを狙う。クラッチして耐える椿に対しマウントへ。

 反転しようとした椿のバックに回る。左腕を喉元に入れてワンハンドチョークの体勢。腕を掴んで引き剥がした椿だが、SASUKEはバックからパンチを打ち込んでいく。またチョークを狙うSASUKE。右腕を掴んでディフェンスした椿だが、なおも四の字ロックのままバックについているSASUKE。

 椿が足のフックを解除して反転。立ち上がったSASUKEが腹にヒザを入れるが、今度は椿がダブルレッグから持ち上げてテイクダウン。SASUKEの立ち際に背中に乗る。チョークを狙う椿。ディフェンスしているSASUKEに対しバックからパンチを入れる椿。1R終了。

 2R、ジャブを突く椿。さらにワンツーがヒットし一瞬ぐらついたSASUKE。バックヒジを狙ったSASUKEだがブロックした椿がなおもパンチで出る。しかしSASUKE小内刈でテイクダウン。

 ハーフで押さえ込むと肩固めに。耐えている椿。ブリッジ返しで反転して上を取り返した。椿がボディロックからスタンドバックに回るが、投げて下に落としたSASUKE。バックに回るパームトゥパームチョーク、椿落ちた! レフェリーストップ。

 2R2分54秒、リアネイキドチョークでSASUKEが一本勝ち。3度目の王座防衛に成功した。

 試合後のマイクでは「まずはじめに、この試合に向けて。もう散々、僕は馬鹿にされてきて頭に来てたんで、すごく今せいせいしてます。チャンピオンとして一人の一人間として頭に来てたんで。しっかり埋めてやろうと思ってたんですけど…」…まあ、彼も意地を出して頑張ったんじゃないですか。ちょっと怒りの感情を押し殺して淡々と、冷静に、青く燃えるって言ってたんですけど。硬くなってしまったので……ありがとう。まだまだ自分も。直すべきところがあるし、強くなれるんじゃないかなと思いました。そうだな……絞めたら寝ちゃったからな。聞いてるかな、アイツ。

 おい。なんか『サラリーマンの副業でチャンプになる』とか、有休がどうだこうだとか散々言ってたけど、一体どれだけの人が、どれだけの選手が、どれだけの思いを背負って、このベルトを巻いてきたかっていうのを全く理解してないだろう。このベルトは──これだけじゃなくて歴代のチャンピオンたちの格闘技にかける強い思いがこもった、歴史ある伝統ある重いベルトなんだよ。それを、やれ副業だの遊びみたいな格闘技やってる奴が取れるわけねえだろ。勘違いすんじゃねえぞ。

 盛り上げるためにやるなら、しっかり実力をつけて。文句言われないように自分の力を示してから、俺の前に立て。リスペクトを忘れるなっていうことを、そっちの陣営は伝えといてください」とコメント。

 さらに、SASUKEのジムに椿陣営の選手が勝手に来ていたことに対して「“SASUKEの対策で椿とスパーリングしてます”ってやつが、俺がいない間にうちのジムの敷居を跨いで勝手に練習してたらしいけど、どういう教育してんの? そんなスパイみたいな姑息な事やってる奴らがベルト取れるわけねーだろ。数々の愚行と行いを反省し、お前ら、修斗から出て行け。以上」と言い残してマイクを置いた。

 大会MVPも受賞したSASUKEは、受賞後のインタビューでは幾分表情をやわらげると、「良かったなっていうのが半分、残りの半分は、熱くなる自分を押さえきれなかったので、反省したい」とコメントした。

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