(C)GRACHAN/Nobu Yasumura
2024年3月2日(日)東京・有明・TFTホール500にて『GRACHAN73×BRAVE Fight35』(GRACHAN放送局/YouTubeメンバーシップ配信)が開催された。
▼第9試合 メインイベント ライト級 5分2R 延長1R
×ロクク・ダリ(TRI.H Studio/同級1位)70.55kg
[判定0-3]
〇芳賀ビラル海(MASTER JAPAN東京/同級2位)70.65kg
12月の『GRACHAN HELIOS』でロクク・ダリにスプリット判定勝ちで王座防衛を果たした林“RICE”陽太がベルトを巻くライト級で、ランカーたちが凌ぎを削る。
ライト級で2つのランキング戦が決定。1位のロクク・ダリ(TRI.H Studio)と2位の芳賀ビラル海(MASTER JAPAN東京)が対戦する。ダリは2024年5月に能登崇に判定勝ち後、SBルールにも挑戦。年末のGRACHAN林戦で厳しい判定で惜敗した。
日本拳法出身の芳賀はプロデビュー4連敗から4連勝中。2024年は3月に岸本篤史に判定勝ち後、5月の藤村健悟戦では、1Rアメリカーナで一本勝ち。
“ライト級トップコンテンダー決定戦”とも言える直接対決。
ダリは、強烈な打撃と圧倒的なフィジカルで相手を押し込むパワーファイター。過去の試合でもKO/TKOの戦績が多く、“当たれば試合を終わらせる”迫力を持つ。計量後、ダリは「いつも通り、明日のビラルとの試合は面白いと思う。勝つことしか考えていない。明日、KOで勝ちます」と意気込み。
一方、芳賀は日本拳法仕込みの素早い出入りによる打撃に加え、近年は組みや寝技での一本勝ちも増えているオールラウンダーだ。特に相手の動きを読んで放つカウンターや、レスリング力を駆使したテイクダウン&サブミッションの攻防は要警戒ポイントとなる。計量後、芳賀は「僕は一言だけ、Here we go!」と臨戦態勢だ。
序盤からロクク・ダリのパワフルな打撃が炸裂すれば、一気にKO決着へ向かう可能性が高い。一方、芳賀ビラル海が巧みなステップと組みの強さを活かして主導権を握れば、サブミッションによる一本勝ちも見えてくる。
オーソの芳賀に対し、スイッチヒッターのダリ。ともに強打と強い組みを武器とするなか、前戦で一本勝ちしている芳賀のケージレスリングとトップコントロールがダリにも通用するか。
1位・2位という立場ゆえに、どちらも負けられないプライドが激しくぶつかりあう一戦となるだろう。果たして、真のライト級トップに立つのはどちらか――注目度MAXのメインイベントだ。
1R、ともにオーソドックス構え。先に左ジャブを突き、右ストレートから組んだ芳賀。左差しで押し込み。頭をダリのアゴにつけて大腰気味に投げも残すダリ。
サウスポー構えで左ミドルのダリ。右を突いて組みを見せる芳賀はダリの左オーバーハンドをかわす。オーソに戻すダリの入りに組む芳賀、離れるダリは左インロー。
芳賀はヒザ着きのシングルレッグからケージまでドライブして引き出し崩すが残して足を抜くダリはスタンドに。
速い踏み込みで遠間からシングルレッグの芳賀はケージまでドライブ、金網背に立つダリを回してテイクダウン! インサイドガードから右足を抜き、ハーフでパウンドしてホーン。
2R、右カーフを当てる芳賀。ダリの左オーバーハンドは大きい。出入り速くコンパクトな芳賀は中に入って組むが、スプロールしたダリ。スクランブルで立つ芳賀はシングルレッグから脇潜りボディロックテイクダウン! ハーフからパウンド。ダリも脇差し立ち上がりシングルレッグへ。
腹固めからパウンド、クルスフィックス、バックから4の字を組んだ芳賀はバックマウントでパウンド連打でホーン。判定は3-0で、スタンドの踏み込みの速さをテイクダウンに融合させてケージレスリングでも上回った芳賀ビラルが勝利。ダリと静かにハグをかわした。
ダリを完封した芳賀は、「本日は、僕を見にご来場いただき、ありがとうございます。この試合に臨む前、ダリ選手とアフリカにルーツのある者として戦うので、どっちか分からんと困るなと思いましたけど、そんな心配はいらなかったですよね、芳賀ビラル海でしょ。今日、このTシャツを着て来たのには意味があって……林君(林”RICE”陽太)、タイトルやらせてよ。岩﨑さんいいですよね? 林君、美味しそうな匂いがするんですよね。でも、ダリはうまく料理出来てなかった。僕ならうまく料理して美味しい林RICEにして、むしろ食っちゃいます。なんで、林君、いつか分からないけど待ってるよ(「会場来いよ」とつぶやき)」と語り、王座戦をアピールした。