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レポート

【ONE】キルギスのアブドゥラエフが体重超過でタン・カイに5R TKO勝ち。ザンボアンガがTKO勝ちでアトム級暫定王者に、盟友スタンプと笑顔の統一戦へ。クラップダムがリネカーにダウン奪われるも逆転勝ち、和田がザキロフに、澤田がメンボーに判定負け

2025/01/11 10:01

▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R ※和田インタビュー
〇サンザール・ザキロフ(ウズベキスタン)13勝0敗
[判定3-0]

×和田竜光(日本)25勝13敗2分1NC

 和田は、2024年7月の『ONE Fight Night 23』のフライ級MMAで、シェ・ウェイ(中国)に判定3-0で勝利。ストロー級挑戦を宣言し、「パシオも強いし、ボカンとかも強いし、ロシアの選手(マンスール・マラチエフ)も強いなとは思いますが、だからといって別に自分が負けているという風には全然思わない」と、王座戦線に割って入ると、ストロー級に名乗りを挙げていた。

 これまで「いわゆる減量っていうのを別にしてない」という和田は、いよいよONEストロー級(※水抜き禁止の56.7kg)に参戦するが、その初戦の相手として、無敗のザキロフがぶつけられた。

 テコンドー、ハンド・トゥ・ハンドコンバット等がベースのザキロフは長いリーチを生かした打撃と、組んでのバックテイクからの絞めで、6つのKO・TKO、4つの一本勝ちを誇る。

 打撃のプレッシャーをかけて、相手をロープまで下がらせてテイクダウンに入るザキロフ。その動きは、まるでレスラーのようなそり投げのほかに、相手のボディロックに首投げ&内股を合わせた柔道・サンボ的な投げや、2024年3月の前戦で本田良介を2R TKOに下したムエタイの首相撲ヒザなど、アグレッシブかつ組みを混ぜた多彩なMMAを見せている。

 対する和田も“おたつロック”の元祖で、首相撲ムエタイクリンチ、アッパーの名手でもあり、「ONEのMMA選手の中では僕がナンバーワンのボクサー」と打撃にも自信を見せている。先週の『RIZIN LANDMARK』でも話題となった首相撲の攻防ひとつをとっても興味深いマッチアップとなった。

 ザキロフは箕輪ひろばと10月に対戦予定だったが、箕輪がタイでの移動中の交通事故に巻き込まれ、むち打ち症状となり試合を欠場。今回が本田戦以来、約10カ月ぶりの参戦となる。和田は半年ぶり参戦。

 正規王者がジョシュア・パシオで、暫定王者がジャレッド・ブルックス、1位が空位で、2位がマンスール・マラチエフ、3位がマスンヤネ。4位が箕輪、5位に山北渓人(2月7日の『ONE Fight Night 28: Prajanchai vs. Barboza』で3連勝中のリト・アディワンと対戦)がランクインしているONEストロー級。勝者がランキング入りの可能性がある、和田竜光vs.サンザール・ザキロフだ。

 1R、ともにオーソドックス構え。後ろ蹴りをボディに突くザキロフ。右クロスから組む和田だが、突き放すザキロフ。左ボディを突く和田。ワンツーの右。

 右カーフから右ハイを突いてダブルレッグテイクダウンを決めるザキロフ。ロープ際で立ち上がる和田。ザキロフは後ろ廻し蹴りも空振り、カーフを当てる和田にバランスを崩すザキロフ。

 押し込みヒザを突くザキロフ。和田は捻ってずらし、首相撲にはアッパー。ザキロフのヒザはローブローとなる。再開。右カーフを当てる和田に、前足を変えるザキロフがシングルレッグへ。これを切る和田は首相撲からショートアッパー。さらに右カーフ、左ジャブ。

 ザキロフはサウスポー構えから左インロー。左から長い右をかすめる。右カーフを返す和田。後ろ蹴りは左にかわして右ストレート、左ボディも! しかしザキロフの蹴りがローブローに。中断。和田は右目を腫らす。再開もゴング。

 2R、左右からダブルレッグで押し込むザキロフ。ロープ背に切る和田。後ろ廻し蹴りからシングルレッグのザキロフを切ってがぶりヒザの和田。その際でヒザを返すザキロフ。圧力をかける和田。ザキロフの右の前蹴りが3回目のローブローに。中断。ザキロフにイエローカード。トータルマストのなかの10%の減点。

 再開。先に前に出るザキロフは組んで際で右ヒザ。右アッパー。左ジャブを当てるザキロフ。右の後ろ蹴りも当ててダブルレッグも和田の身体がロープ外に。中央で同じ体勢で再開。ロープ際に這う和田にバックを奪い、背中に乗り4の字ロックを組むザキロフ。

 ザキロフはリストコントロールから右足をおたつロックを当てて外しながら、背後から右のパウンド、さらに右でリアネイキドチョーク狙い。足も組み変えてパウンド。和田も背後にパンチ。ゴングにすぐに立つ。

 3R、近い距離の首相撲の和田にひざを打つザキロフ。離れ際に右は和田。さらに圧力をかけて前に。ザキロフのジャブを頭を振ってかわすと、ザキロフの組みも切って前に。右を当てて詰める和田、左ジャブも。ザキロフは左の蹴りからダブルレッグ、離れ際にヒザ。さらにジャブ。ダブルレッグを切った和田は右も、ザキロフはジャブ、シングルレッグを切る和田。右ボディ、左も。

 和田も前に出て左ジャブ。ザキロフは下がりながらも右ヒザ、後ろ蹴りで前に。ダブルレッグで押し込むと、スプロールする和田に、ヒザはザキロフ。切った和田は右で前に出るが、ザキロフは際のヒザ、アウトボクシングに切り替え、センチャイキック。左ジャブ。

 和田は右ボディ。ザキロフの胴廻し回転蹴りを潰して上に。しかしザキロフはスクランブルで立ち上がり、左右で前に出る和田に下がりながらも右を返す。ゴング。判定は3-0でザキロフが勝利。MMA13戦無敗とした。

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