(C)Yasumura Nobu/GONG KAKUTOGI/ONE Championship
2025年1月11日(土)日本時間朝10時からタイ・バンコクのルンピニースタジアムで『ONE Fight Night 27』(U-NEXT配信)が開催された。日本からONEストロー級転向の和田竜光、ONE女子アトム級3位の澤田千優が参戦も両者判定負け。王座戦の予定だったメインを含む4試合がキャッチウェイト戦となり、ONEムエタイ・バンタム級戦はパルハム・ゲイラティの計量ミスでランボーレック・チョーアッジャラブーンとの試合が中止となっている。
▼ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権試合
→156.75ポンドキャッチウェイト 5分5R
×タン・カイ(中国)
[5R 1分21秒 TKO] ※パウンド
〇アクバル・アブドゥラエフ(キルギス)※計量ミス
本来タン・カイのフェザー級王座防衛戦だったが、5位のアブドゥラエフが体重超過で、ノンタイトルの156.75ポンドキャッチウェイトでの5分5R戦に。タンは中国初の男子MMA世界チャンピオンで、ONEでは8勝0敗。対するアブドゥラエフは、プロMMA戦績11勝0敗としており、試合決定率100%のフィニッシャーだ。
タン・カイは2023年にタン・リーからダウンを奪っての判定勝ちでONEフェザー級王者に。再戦はタン・カイが負傷欠場。暫定王座戦でイリヤ・フレイマノフに勝利したタン・リーが暫定王者となるが、タン・カイとの王座統一戦で3Rにタン・カイが3R TKO勝ちで戴冠。19勝3敗で15勝をKO・TKO勝ちのカウンターストライカー。29歳。
キルギスの27歳のアブドゥラエフは、WEFで活躍後、2023年3月のONEデビュー戦でオ・ホテクに1R TKO勝ちすると、7月にアーロン・カニャルも1R TKO。2024年5月の前戦で同じく無敗で、ライト級で3連勝していたハリル・アミールにも左フックで2R KO勝ち。ここまで11勝中10KO・1一本勝ちですべてフィニッシュ勝利している。
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取るアブドゥラエフ。タン・カイは左ジャブ、右ローと上下に打ち分け。アブドゥラエフも左ジャブを突くと、互いに右ロー。その右ローにアブドゥラエフは左を合わせに行く。
右の3連打から左でコーナーに詰めるアブドゥラエフに、タン・カイも右を返して、右で差して体を入れ替え、左ローも右小手のアブドゥラエフはコーナー背にレフェリーを見る。ゴング。
2R、詰めて右アッパー右ロー左ボディ、同じ動きでシングルレッグテイクダウンを奪うアブドゥラエフ。ハーフからフルガードに戻すタン・カイ。小手で立ち上がるが。左差しから右ヒザを突いたアブドゥラエフは、テイクダウン。立とうとするタン・カイにがぶりヒザ。立つタン・カイは右差しで押し込むが、アブドゥラエフは内股で投げて上でゴング。
3R、回転を上げて左右ラッシュで詰めるアブドゥラエフ。出だしを凌ぐタン・カイに、アブドゥラエフはワンツーからアッパーで上体を上げさせてテイクダウン。
いったんうつ伏せからヒザを立てて立ち上がるタン・カイ。そこにがぶりヒザを合わせるアブドゥラエフは、さらにダブルレッグのタン・カイを潰してヒザ! コーナーに詰まるとストップドントムーブで中央から再開。クローズドガードのなかからタン・カイの口を塞いで鼻もつまんで呼吸を苦しくさせてパウンド。ブレーク。
右前蹴りのアブドゥラエフ。左ミドルを返すタン・カイにアブドゥラエフが右の飛び込みでゴング。タン・カイはコーナーに両手を置く。
4R、低いガードでタン・カイの左右を頭を振ってかわして組んでアームドラッグで崩してテイクダウン。インサイドガードから口を押さえ、パス、マウント。タン・カイは片足を戻すがハーフで削るアブドゥラエフ。ダースチョークを狙いながら、ヒジ・ヒザ。
タン・カイが上体を上げるとアブドゥラエフは左ヒザで剥がしてパウンドラッシュ。さらに右手でのど輪。ブレーク。スタンド。すぐにシングルレッグテイクダウンのアブドゥラエフはハーフの中で背中を着かせてゴング。
5R、先に圧力をかけて、タン・カイの打ち返しに合わせてシングルレッグテイクダウン。クローズドガードのタン・カイは右手で足を手繰りに行くが、その手を左足でピンしたアブドゥラエフは左ヒジ! パウンド連打。タン・カイが動けなくなり、レフェリーが間に入った。
5R 1分21秒、キルギスのアブドゥラエフが体重超過も最終ラウンドにTKO勝ち。フェザー級(※70.3kg)王座は移動しなかったが、アブドゥラエフが恐るべき強さを見せた。
試合後、アブドゥラエフは「神にとても感謝しています。自分とキルギスの力を示すことが出来た。ボーナスは無かったけど、感謝します」と語った。