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【UFC】なぜ堀口恭司を攻略できないのか?「日本人だから!」「今回のマットは滑って作戦を変えた」「1Rで右手を傷めた」「日本大会とベルトどっちが先になるか」──空手キッドの自在な変化

2026/02/08 15:02
 2026年2月7日(日本時間8日)米国ラスベガスのMeta APEXにて『UFC Fight Night: Bautista vs. Oliveira』(U-NEXT/UFC Fight Pass配信)が開催された。コメインでは、フライ級8位の堀口恭司(日本/ATT)が、同級6位のアミル・アルバジ(イラク)と対戦した。  堀口は1Rにアルバジの左にフラッシュダウンを喫したもののすぐに立ち上がり、遠近両方の打撃で反撃。アルバジの組みに対しても、スタンドバック以外には有利な場面は作らせず、両足をかけさせずにグラウンドに持ち込ませず。アルバジに打撃のダメージを蓄積させて判定3-0(30-27×2, 29-28)で勝利。ランキング上位入りを確実なものとした。  試合後のU-NEXTでのインタビューでは、解説の金原正徳、野村駿太らの質問に、「前回と異なり、今回の(APEXの)マットが滑った」ことで、戦い方や距離を変更したことを明かし、さらにアルバジが武器とするケージレスリングやグラップリングについて、「もっとレスリングでくると思った。壁際でわざと力を使わせて消耗させたんで、多分タックルまで取れなかったのかな」と、試合を振り返った堀口。  また、想定外だったことはマット以外にもあった。  試合序盤で堀口は、右手の人指し・中指付近を負傷。「痛くても打つ」気持ちで戦っていたという。その心技体に、メディアから「ウランベコフもアルバジも誰もあなたを攻略できないのはなぜ?」と問われ、「なぜなら日本人だから! それが理由です」と“空手KID”は答えている。  そして、「UFCのベルトを目指しているのは分かる。UFCの外で10年近い時間を過ごしたあなたがなぜ今、戻ってきたのか?」の問いには、「今が自分の最高の時だからです。だからUFCに挑戦しています」と、Bellator、RIZINのベルトを巻いたキングは、最後の頂きを目指す理由を語った。  堀口恭司の右手負傷の治療はどの程度を要するか。次戦はいつどこで誰とマッチアップされるか。 ダウンはバランス崩した時にもらった。ダメージは全然なかった ──UFC2連勝、おめでとうございます。 「いやもうあまりいいパフォーマンスではなかったですけど。すいません」 ──それでも本当に圧倒して見事な勝利でした。どのあたりがご自身としては試合後に語った「まあまあかな」という感じでしたか?「まあやっぱり自分はフィニッシュを狙ってたので、なかなか相手がタブで、まあ持ちこたえられたなっていう感じでした」 金原 1R目にパンチをもらったじゃないですか。スリップダウンというか。あれのダメージは? 「まあ、全然ないっすね。普通に。バランス崩した時にもらったなあ、ぐらいの感じ」 金原 1R目と2R目とか3R目、ラウンドごとに結構組み立て方が変わってきたなと感じましたが、セコンドのマイク・ブラウンらの指示とか、堀口選手の組み立ての中で変わったプランもありましたか。 「そうですね。相手がもっとレスリングでバンバン来ると思って、全然違うプランを用意してたんですけど、打撃で来てくれたんで、“じゃあ俺も打撃でやっちゃおう”みたいな感じでした」 野村 堀内選手、前回と今回で用意してたものを──スタイルが全然(変わって)最初足使って、攻め替えるみたいなのは、試合の中で変えていった感じなんでしょうか。もともと用意してたのと、試合の中で変えていった? 「試合の中で変えてたのもそうだし、ちょっとリングが滑ったんで、“あっ、これちょっと足使えないな”と思って。ちょっと近い間合いで打ち合ったっていう感じですかね」 野村 前のマットと違うみたいな感じなんですか。 「そうですね。多分見てもらえると分かると思うんですけど、結構滑ってましたね」 ──アルバジ選手が思ったほどレスリングで来なかったというお話でしたが、そもそも堀口選手のテイクダウンディフェンスで、それをさせなかったという風にもう見えていたんですが。 「まあ、そうですね。でも、レスリングに来る感じはなかったです。あの壁際でちょっと崩しには来てましたけど、あそこで力をわざと使わせて消耗させたんで、多分タックルまで取れなかったのかなっていうのを思いました」 金原 ケージの中でのインタビューで堀口選手も仰っていましたが、本当にタイトルに早めに絡んで、日本人初のUFCチャンピオンに早めにお願いします。 「お願いします!」 ──次でタイトル戦になってほしいです。 「チャンピオンを獲らないと本当に意味ないと思うので。UFCに来たからにはUFCのチャンピオン、ベルトを目指して頑張ります。しっかりベルトを獲って日本大会をやりたいと思います。どっちが先になるか分かんないですけどね(笑)」 [nextpage] 試合後会見「ベルトが欲しい。チャンピオンがパントージャならパントージャと。他の奴なら他の奴と戦う。それが全て」 ──勝利おめでとうございます。 「本当にありがとうございます。でも、最高のパフォーマンスではなかったです。彼をフィニッシュしたかったので」 ──ほとんどのファイターがそう(フィニッシュ)したいと思っているし、相手を仕留めるという目標を持っているのは分かっています。でも、タフな15分間を戦い抜き、アルバジの一歩先を行き続け、ポイントも付いた状態で手を挙げられました。自分を誇りに思うのでは? 今、ヘンリー・セフードのような元王者たちもオンラインで「堀口が今年中にチャンピオンになる」と話しています。 「ええ、もちろんです! すぐに。トレーニングを続けて、またフロリダに戻ります。ただ、あのベルトを巻くことに凄く集中ます」──この試合、つまり米国でパラマウント+という大きな露出があり、セミメインイベントで全ての注目があなたに集まっているという状況は、あのベルトにたどり着くためのビジネス戦略の一部になるのでは。あなたのキャリアにおいて、今まさにいるべき場所にいる、必要とされる場所にいると感じるますか? 「ビジネスのことは分からないけど。それはどうでもいい。自分はベルトが欲しい。ただそれだけです」 ──今日のパフォーマンスについて、何点をつける? 「ベストパフォーマンスではなかったです。彼をフィニッシュしたかったので。それについては考える必要がありますね、分かっています」 ──あなたは打撃を当て、常に一歩先を行き、テイクダウンを防いでいた。距離をコントロールできていたし、彼を何度も後退させた。彼が少し前に出てきても、君のカウンターはそこにあった。私に言わせれば、それはめちゃくちゃ良いパフォーマンスだった。でも、フィニッシュ以外に何が違ったことができたと思いますか? 納得はしているだろうけど、何かもっと良くできたと思うことは? 「そうだな……あんまり“こうだった”“ああだった”ではなく、自分はフィニッシュを目指しているんで、そこに行けなかったことが悔しい、という感じです」 ──分かりました。次はいつ頃ここに戻ってきてくれますか。そして、トップ10やトップ5の中で誰の名前に興味がありますか。 「分かりません。たぶん(右)手が少し折れているかもしれないので。でも、これを治したら、場所も時間も関係なく、いつでも戦えます」 ──それはいいですね。フライ級タイトルが目標だというのは分かっています。それがあなたの望みであり、そのために戻ってきたんですよね? 君はUFCの外で10年近い時間を過ごした。なぜ今、戻ってきたんですか。UFCでやり残した仕事があると思ったから? 「今が自分の最高の時だからです。だからUFCに挑戦しています」 ──なるほど。タイトルマッチの話になると、前回のパントージャの試合の終わり方を考えると、彼とタイトルを争うことにはより大きな意味があるかな? 「気にしません。自分はベルトが欲しい。だからチャンピオンがパントージャならパントージャと。他の奴なら、はい、他の奴と。それが全てです」 ──仮に他の選手だとして、あなたが勝ってチャンピオンになったとする。同門のパントージャに最初の挑戦権をあげたいと思う? 「ええ、もちろんです。彼は何度も防衛しましたし、真のチャンピオンだと思います。でも、(前戦は)アクシデントだった。ええ、でも彼は真のチャンピオンだと思います」 ──その右手を負傷したのは試合のどの時点でしたか? 「たぶん1Rです。痛みは感じていましたが、打てるし、関係ないです。痛みがあっても打つ、打つ」 ──手が折れたとのことですが、それでも打ち続けましたよね。それでゲームプランに何か変更は? 「変更はないです。打ち続ける。ゲームプランの変更はないです」 ──アミル・アルバジも今週、どうやってあなたを完封するかについて話していた。だけど彼もそれを実行できなかった。なぜ他のファイターたちは、オクタゴンであなたを相手にするのにあんなに苦労するんでしょうか? 「なぜなら日本人だから! それが理由です」 ──それは最高ですね。あなたはどんどん良くなっていく。この改善の鍵は何でしょうか? 「MMAを愛しているから。何かを愛していると人はすごく上達する。それが理由です」 ──なるほど。あなたの周囲のチーム(アメリカントップチーム)も完璧ですね。 「もちろんです。自分のチームは最高だし、マイク・ブラウンも。彼はMMAナードです。だから、自分はここにいます」 ──「MMA nerd」を日本語で何と言う? 「MMAオタクですね」 ──いいですね(笑)。アミルから何か驚かされたことはありましたか? 「彼が打撃で来たことには驚きました。もっとレスリングで来ると思っていましたが、彼は打撃で来たから、自分も“OK、それでいこう”と」 ──今夜、誰かあなたを見に来る知り合いはいましたか? 「友人が今夜来ました。あと家族とスポンサー。たくさんの人が日本から来たんです。だから負けられない。それが理由です。手が折れても関係ない、それでも打ち続ける」 ──新しいAPEX会場(座席数が増えた)の観客についてはどう思いましたか? 「ええ、観客はいつもパワーをくれます。それが大好きです」 ──勝利をどう祝う? 好きな食べ物は? 「たぶんラーメンヌードルを。好きなんです」 ──UFCを離れていた間に得た最大の教訓で、この2度目の参戦に持ち込んだものは? 「すべてです。試合の感覚、技術、全てにおいて。だから今、自分は強いんです」 ── Bellator、RIZIN、そしてUFCの王者になることは、あなたにとってどんな意味がある? 「すぐにあのベルトを手に入れます!」
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元王者モレノを下した平良達郎。2.8 UFC連勝目指す堀口恭司。朝倉未来をTKOのシェイドゥラエフ、サトシ撃破のノジモフのロングインタビュー。【40周年対談】佐藤ルミナ×鈴木千裕、武尊×野杁正明も
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