(C)ONE Championship
2024年6月28日(金)タイ・ルンピニースタジアムにて『ONE Friday Fights 68』(U-NEXT配信)が開催された。
フライデーファイツシリーズだが、9月27日(金)の武尊(team VASILEUS)参戦大会と同じ「テントポール大会」として、ルンピニーの主軸大会のひとつとして行われる。
▼第12試合 ストロー級 キックボクシング 世界タイトルマッチ 3分5R
〇プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)
[判定3-0]
×ジョナサン・ディベラ(イタリア/カナダ)
※プラジャンチャイが新王座に就く。
プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。
2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年1月の『ONE Friday Fights 1』で再起戦を行い、コンペットに勝利した。6月にはサムエーをもKOして暫定王座に就くと、12月にラシリとの王座統一戦を初回KOでリベンジに成功し、王座返り咲きを果たした。戦績は340勝52敗3分。また、プロボクシングでも3戦3勝。
ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向すると現在までISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。ONEとは2020年に契約を結んだが、新型コロナウイルスの影響のため試合が出来ず、2022年6月にモントリオールでボクシングの試合に出場して判定勝ち、その1カ月後にはカナダのキックボクシングの試合で2R KO勝ちを収めた。
2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた。2023年10月にはダニエル・ウイリアムスを判定で破り初防衛に成功。しかし、4月5日の『ONE Friday Fights 58』での2度目の防衛戦前にハイドレーションテストの検体を提出できず、計量が許可されなかったためプラジャンチャイとの試合は中止、王座は剥奪となった。戦績は12勝(4KO)無敗。
1R、サウスポーのディベラがジャブを出しながら前へ出て左ロー、プラジャンチャイもサウスポーに構えて左ミドルを蹴り、オーソドックスに戻ると右ストレート。またもサウスポーに構えるプラジャンチャイは右ミドルを蹴っていくが、ディベラのスピードのあるパンチがプラジャンチャイを脅かす。ディベラのスピードあるパンチのコンビネーションが際立った。
2R、プラジャンチャイの右ミドルに左ストレートを返していくディベラ。プラジャンチャイはディベラのパンチにテンカオと右ミドルを合わせに行き、パンチの引き際には右ハイを蹴る。プラジャンチャイの左ローにはディベラが左ストレートを合わせる。ディベラのワンツーをガードしてヒザを突き刺すプラジャンチャイ。ディベラの蹴りはスネでガードするプラジャンチャイはヒザを巧みに当てていく。
3R、プラジャンチャイは右ミドルでディベラの左腕を蹴る。プラジャンチャイが蹴り、ディベラの蹴りはかわす。ディベラはジャブから左ボディストレート。ボディに狙いを絞ったディベラは左右でボディを叩いていくが、プラジャンチャイも右ミドルをボディに入れる。右ミドルをどんどん蹴っていくプラジャンチャイ。
4R、プラジャンチャイが左右フック、パンチからヒザにつなげていく。一瞬にして距離を詰め、ヒザを突き刺していくプラジャンチャイにディベラはパンチを出すことが出来ない。ディベラのワンツーには右ミドルを合わせ、ヒザを刺すプラジャンチャイ。完全にリズムに乗ったプラジャンチャイが、ディベラのパンチをほとんどもらうことなくヒザと右ミドルを当てていった。
5R、ディベラはジャブを突いて左ミドル、プラジャンチャイは右ミドルを蹴ってヒザにつなぐ。プラジャンチャイの右インローにバランスを崩すディベラ。プラジャンチャイが右ミドルを当て、ディベラが左ミドルを返すとプラジャンチャイはスネブロック。打ち合いになってもプラジャンチャイがパンチのヒットを奪う。
しかし、ディベラのワンツーがプラジャンチャイのアゴを跳ね上げる。プラジャンチャイは右ヒザを2発。プラジャンチャイにローをブロックされ、転倒するディベラ。打ち合いになるとプラジャンチャイがワンツーをヒットさせる。最後は余裕を見せてステップを踏んだプラジャンチャイ。
判定は3-0でプラジャンチャイが勝利、人生無敗の男に初黒星を付けた。ムエタイ王座とキックボクシング王座を統一したプラジャンチャイは「ベストを尽くした。出来るだけ長く防衛したい」と勝利者インタビューに答えた。