ムエタイ
レポート

【ONE FF】プラジャンチャイが人生無敗の男に初黒星を付け王座統一、スーパーレックが横綱相撲で完勝、ナバティが一撃KOで21戦無敗となり本戦契約もゲット、ペッタノンがラマザノフを圧倒TKO、パコーンが元ルンピニー王者ラフィを初回TKO、ヨードレックペットが削り合いを制して連敗脱出、坂口魁斗が好試合でシャンテン破る

2024/06/28 22:06

▼第11試合 フライ級 ムエタイ 3分3R
〇スーパーレック・キアトモー9(タイ)
[判定3-0]
×ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)


 2024年9月6日(日本時間7日)米国コロラド州デンバーのボール・アリーナ『ONE 168: Denver』にて、一階級上のONEバンタム級(-65.8kg)ムエタイ世界王者ジョナサン・ハガティ(英国)のタイトルに挑戦する、ONEフライ級(-61.2kg)キックボクシング世界王者スーパーレック。そのタイトルマッチ前哨戦として、ゴントーラニーと対戦する。


 スーパーレックは、ルンピニーのフライ&バンタム級王座、WBCムエタイ世界スーパーフェザー級王座のほか数多くのタイトルを獲得した名選手。2012年にはタイのスポーツ省が認定するムエタイMVPにも選ばれている。2017年6月、2018年8月と2度来日経験があり、ヤスユキにハイキックでKO勝ち、小川翔にヒジによるカットでTKO勝ちと圧倒的な強さを見せつけた。


 ONEでは2020年7月大会でONEムエタイ世界フライ級1位にいたパンパヤックを判定3-0に破り、変わらぬ実力を発揮。2021年2月にイリアス・エナッシが保持するONEフライ級キックボクシング世界タイトルに挑んだが、判定3-0で敗れている。2022年の「ムエタイ・フライ級ワールドGP」では決勝へ進出するも、パンパヤックと両者が体重オーバーとなり、判定2-1で勝利するも優勝者は無しという珍事となった。2023年1月にダニエル・プエルタスに勝利してONEフライ級キックボクシング世界王者となり、3月にはダニエル・ウィリアムスをKOして初防衛に成功。

 9月にはONEフライ級ムエタイ世界王座を懸けたタイトルマッチで王者ロッタンと対戦するはずだったが、スーパーレックが前日計量で体重超過したためキャッチウェイトでのノンタイトルマッチでロッタンと対戦。スーパーレックが2Rにヒジ打ちでダウンを奪い、判定3-0で勝利している。さらには2024年1月、ONE日本大会で武尊の挑戦を受け判定3-0で勝利、ONEフライ級キックボクシング王座の防衛に成功した。現在11連勝中。戦績は137勝29敗4分。


 ゴントーラニーは2018年にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2022年に同ライト級王座に就いているサウスポー。サオトーとサオエークにも勝利し、2021年4月にギンサンレックに敗れるも2022年3月の再戦ではTKO勝ちで制している。2023年2月の『ONE Friday Fights 6』に初参戦すると、ギンサンレックを左フックでKOして返り討ちにし、その後はシャーゾット・カブトフ、内藤大樹、パルサ・アミニプール、シャリフ・マゾリエフ、そして日本でもお馴染みのジャオスアヤイを破り破竹の6連勝を飾っている。


 1R、ゴントーラニーはサウスポー。両者とも前手で相手を触りつつ、右ローを蹴っていく。スーパーレックは左へ回り込みながら右フック。さらに回り込みながらの右アッパーからの左フック。ゴントーラニーは左ミドルを蹴る。スーパーレックは左手で相手の右手を抑えながら右ミドル。


 スーパーレックに右ミドルを蹴られると、左ストレートを返そうとしたゴントーラニーだがこれは空振りに。ゴントーラニーの左フックをダッキングでかわしたスーパーレックは、身体を起き上がらせるとすかさず右ヒジ。ゴントーラニーは左ミドルを蹴って離れる。


 2Rもスーパーレックは左へ回り込みながらショーとパンチを打つ。さらに右ミドル。左手でゴントーラニーのブロックを叩くと右縦ヒジを叩き込む。前へ出るゴントーラニーは左ミドルハイを蹴り、左ストレートにつなぐがスーパーレックを捉え切れない。ならばと首相撲持ち込んだゴントーラニーが左ヒジ。


 離れるスーパーレックは左フックから右ヒザ。右ミドルハイを蹴ると右の縦ヒジでゴントーラニーを転倒させる。圧をかけるスーパーレックにゴントーラニーは左フック。スーパーレックは右ストレートを打ってそのまま右ヒジ。ワンツーの連打から右ハイを2連発。インから右ストレートをねじ込んでいくスーパーレック。


 3R、スーパーレックは左手でゴントーラニーの右手を抑えながらの右ストレート、右ハイ。ゴントーラニーは左ミドルを蹴るが、そのリターンに右ストレートをもらってしまう。前に出るスーパーレックが右ヒジ。スーパーレックは三日月蹴りのような右ミドルを何発も蹴る。前に出るゴントーラニーが左ミドルを蹴るが、目立ったヒットを奪うことはできない。スーパーレックは右三日月を蹴り続けて下がり、ゴントーラニーに逆転のチャンスを全く与えずに試合終了。


 判定3-0でスーパーレックが横綱相撲で完勝した。リングサイドで観戦していたロッタンに「明日会おう、サッカーやろうぜ」と笑いかけるスーパーレック。ハガティに対して「お前にとって簡単な試合にはならないぞ」とメッセージを送った。

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