▼第8試合 オープンフィンガーグローブマッチ -46kg契約 3分3R
○小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/アトム級1位)
判定3-0 ※29-28×3
×平岡 琴(TRY HARD GYM/アトム級2位)
小林はフルコンタクト空手出身で強烈なパンチを武器に持つ。正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。2021年1月の『アトム級NEXT QUEENトーナメント』1回戦で奥脇奈々を得意のパンチでKO。決勝戦では2020年10月にプロ初黒星を付けられた宮﨑小雪へのリベンジを狙うも判定負け。4月には平岡琴と観客が拍手喝采の激闘を演じ、判定2-0で勝利した。7月には百花にもダウンを奪って判定勝ちし、2022年1月には祥子JSKにKO勝ち。しかし、5月に3度目の対決となった王者・宮﨑小雪とのタイトルマッチで敗れた。11月に宮﨑若菜から判定勝ちして連戦に臨む。戦績は6勝(2KO)3敗1分。
平岡は極真会館の『全日本女子ウェイト制空手道選手権』軽量級優勝の実績を持ち、多彩な蹴り技が持ち味の選手。2020年2月には3連勝でRISE QUEENアトム級王者・紅絹に挑み、ダウンの応酬の末に判定で敗れると、同年8月にerika、10月にはsasoriに判定負け。2021年4月には小林愛理奈に判定2-0で惜敗と泥沼の4連敗。しかし、9月の奥脇奈々戦で勝利をつかみ復活の狼煙をあげると2022年2月には田渕涼香、6月に百花を破り3連勝と勢いに乗る。歯に衣着せぬ発言で話題を呼ぶ“怖いお姉さん”。戦績は11勝(3KO)7敗1分。
両者は2021年4月に対戦し、小林が判定勝ちしている。両選手とも以前からOFGマッチを熱望しており、どんな試合を見せるか。
1R、小林から前に出ていきなり打ち合いを見せる両者。小林は左フックから右フックを返す、平岡はジャブを突いて右ミドル。パンチのコンビネーションを繰り出す小林に平岡は右ローと左ミドルも混ぜる。フルスイングも混ぜる小林に平岡の飛び込んでの右がクリーンヒット。小林が右を当てると平岡は前蹴り、後ろ蹴りで距離をとる。右フックを当てていく小林。
2R、左右フックで入り込む小林に平岡は左右ロー、左ミドル。小林の左右ボディが鈍い音を立てて決まる。平岡は左ミドルとヒザ、右ミドルから右ボディ。平岡が左右フックで突進し、ヒザを突き刺す。さらに後ろ廻し蹴りで魅せる。小林が左右の連打、平岡はヒザで迎え撃つ。両者とも攻撃の手を休めない。
3Rが始まってすぐの打ち合いで小林の右フックに平岡がダウン。猛然とパンチを振っていく小林に平岡も打ち返す。ボディを打ち合い、パンチのコンビネーションを回転させる小林に平岡は蹴りを織り交ぜる。小林も胴廻し回転蹴りで場内を沸かせる。小林が左右ボディ、そしてワンツー。小林も右フックで逆転を狙う。
最後まで両者攻め合って終了。判定は3-0でダウンを奪った小林の勝利となった。ただOFGで殴り合うのではなく、アームブロックや相手のパンチの軌道を上腕で変えるなど随所でディフェンスのテクニックを披露。顔面に偏らずボディ打ちや蹴りもしっかり織り交ぜるなど、高いレベルの攻防で女子初のOFGマッチにふさわしい試合であった。
最後は笑顔で健闘を称え合ったが、リングを降りる間際に平岡は悔し涙を流した。
小林はマイクを持つと「ありがとうございました。秒殺を狙っていたんですがやっぱり当て感も違って、グローブよりも当たりそうで当たらんくて苦戦しました。判定も全然ダメで、女子初のOFGなのにこの先やってくれるか分からない試合をしてしまって。YA-MAN選手が余計に凄いと思いました。
これからOFGやりたいですが、同じジムの坂口しかいないのでそこは避けてもらって、挑戦者を募集します。体重も合わせるので。女子格を盛り上げるためにもみんな挑戦して欲しいと思います。25日の健飛くんにつなげたので、師匠に勝ってもらっていい年を越したいと思います。あと、アトム級から逃げたみたいになっているんですが逃げていません。何年かかっても(宮﨑)小雪選手に勝とうと思っているのでそこも注目してください」とアピールした。