▼ONEバンタム級キックボクシング世界選手権試合 3分5R
×カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)王者 144LBS, 1.0144
[判定0-3]
〇秋元皓貴(EVOLVE)挑戦者 143LBS, 1.0027
※秋元が新王者に
秋元皓貴(日本)のONEバンタム級キックボクシング世界王座への挑戦が決まった。
秋元は、小学2年時に空手を始め、2007年10月に15歳でプロデビュー。2008年8月の「K-1 甲子園 KING OF UNDER 18~FINAL16~」で江幡睦に判定勝ち。2011年7月に、19歳にして元ルンピニースタジアム認定二階級王者で現役ランカーのピンサヤーム・ソー.アムヌアイシリチョークに2RにKO勝ちを収めた。2012年10月の森井洋介戦では、5R判定勝ちでデビュー以来無敗のままWBCムエタイ日本フェザー級タイトルを獲得。
2014年からフルコンタクト空手に復帰し、2017年のJFKO第4回全日本フルコンタクト空手選手権軽量級で優勝。2018年8月にシンガポールのメガジム「Evolve MMA」のトライアウトを受けて合格。10月には日本から拠点を移し、2019年1月に約6年ぶりのキックボクシングの試合をONEで行って勝利するも3月のヨゼフ・ラシリ戦でプロ21戦目にして初黒星。しかし、前戦で“中国最強”の呼び声高いチュー・ジェンリャンに判定3-0で勝利するなど4連勝をマークした。
迎え撃つ王者カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)は2019年にルンピニースタジアム認定スーパーウェルター級王座になった他、2016年にWPMF世界同級王座、2020年にTrue4Uスーパーライト級王座などを獲得。2020年9月からONEに参戦すると、ペッタノンを右クロスで僅か6秒でKO。2021年1月に アラヴァディ・ラマザノフもローキック&右クロスで2RにTKOし、ONE王座を奪取した。9月にはメディ・ザトゥーを退けての初防衛にも成功している。
日本でもその強さが知られているチャムアックトーン・ファイタームエタイジムにも勝利しているカピタンは、一撃必殺の右クロスを始め高い攻撃力を誇るが、ムエタイらしい競り合いでもしっかり勝てるテクニックを併せ持つ。センマニーやヨードクンポンといった錚々たる一流ムエタイ戦士としのぎを削ってきた実力は日本人ファイターにとって間違いなく高い壁となるだろう。
秋元も空手をベースに持つ攻撃力の高い選手で、肉を切らせて骨を断つ頑丈さもある。24勝1敗という驚異的な戦績の中には、ムエタイの強豪であるピンサヤームを左ボディでマットに沈めた実績もあり、タイトル奪取に期待がかかる。
1R、ともにオーソドックス構え。先に左インローはカピタン。さらに左ミドル、ボディストレートのカピタン。秋元も左から右ローを打ち返す。秋元の蹴りの軸足を払うカピタン。さらに右ボディ。秋元もワンツー&ローと返す。
近距離で戦う両者。上下から右ローまで繋ぐ秋元が今度は軸足払いでカピタンをこかす。左ミドルを当てるカピタン。しかし秋元も左右から右ストレート! さらに前進して左ヒザに繋ぐ。ラスト打ち負けずゴング。ローは後半にどう影響するか。
2R、互いに蹴り合いのなかで秋元の右ローに下がるカピタン。右ローに足を流すようになる。カピタンの左ミドルをかわして左ボディ! 右ストレートで前に出る秋元! 金網に詰まるカピタン。右ストレート&左ヒザの秋元。さらに右ローに、体勢が崩れるカピタン。首相撲ヒザに切り替える。跳びヒザのカピタン。切りたい秋元だが、こかされる。離れ際に右を当てる秋元。
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3R、組みに来るカピタンだが、クリンチに注意。左右からローに繋ぐ秋元。しかしカピタンは首相撲からヒザ。キックルールでの連続の掴みにカピタンにイエローカードが出される。
再開、左右からロー、左フックに繋ぐ秋元が前に。左右ラッシュで金網に釘づけに。しかし押し戻すカピタン。そこにショートのボディを突く秋元。またもクリンチにカピタンに2枚目のイエローカードが出された。
左右を振るカピタンに下がらない秋元は右ロー! さらに右ストレート! ブレークから右ローを突き、フラつくカピタン。下がるカピタンに秋元は前進! 右ローを突きゴング。下段蹴りを効かせる秋元。
4R、押し込んで左ミドルの秋元。カピタンの左右はブロックを固め、右の下段蹴りを打ち下ろし、ラッシュで金網まで電車道で押し込む。右ローから右ハイを繰り出す秋元は高い右ヒザも! 右を返すカピタンも押し返し。しかし足が効かず手打ちに。
金網に詰めて左右から左アッパーも突き上げる秋元。今度は左ローでついにカピタンが両手をマットに着く! 押し込み左ミドルを当てる秋元は左で奥足ローも! 金網に詰まっても倒れないカピタン。ゴング。
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最終5R、先に左ミドルを当てる秋元。カピタンは右のガードが上がらない。またもホールディングでカピタンに1P減点。詰めるカピタンに左インローでこかす秋元。左右ラッシュをかける秋元。カピタンは金網に釘付けになるが、レフェリーは止めず。
ブレークから前に詰める秋元は顔面にヒザ! カピタンも右を返してくるが、なおも押し込む秋元が左ハイ。左右で前に。カピタンの足払いで一瞬ヒザを着いた秋元。再開で右を当てるカピタンは右ハイも、最後に右で押し込んだのは秋元。ゴングに両手を挙げると、イヴォルブのMMAチームのシアーコーチが秋元を祝福した。
判定は、近距離での蹴り、パンチも上下に突いて、5Rを驚異の前進力で攻め続けた秋元が3-0で勝利。チャトリ代表から肩にベルトをかけられた秋元は、シアー・バハドゥルザダコーチと長い長い抱擁をかわした。
試合後、秋元は「ほんとうに相手が強くてしんどくて、3R目くらいからパンチも強かったです。世界で一番最初にこのベルトを獲りました。シアーコーチと毎日パーソナルトレーニングをして、週3回、5Rずっと前に出続ける練習の成果が出ました。毎日、しつこいくらいに『お前はチャンピオンになるんだ、その日だ』と言われ、それを信じて戦いました」と歓喜のコメント。
5万ドルのボーナスの獲得も告げられると、「頭の片隅に、今日もKOじゃなくて、インタビューとかで『派手じゃないですけど』と言われたりして、今日もほんとうにKOしたかったですし、賞をもらえて評価されて嬉しかったです」と喜びを語った。