▼第8試合 ストロー級K.O.P.C. 5分5R
〇北方大地(パンクラス大阪稲垣組)52.05kg 第2代K.O.P.※初防衛戦
[3R 2分28秒 TKO] ※右フック→パウンド
×宮澤雄大(K-PLACE)52.15kg 1位
2018年2月4日から始まった(USEN)スタジオコースト大会が今回で終了する。4年の間にいくつものタイトル戦を開催してきた。仙三@若松の伝説的死闘、ISAOの負け無し鉄板戦、ハファエル・シウバ無双、雑賀“ヤン坊”達也の115秒殺。
北方は2019年7月に王座奪取以来、約2年半ぶりの参戦でこれが初防衛戦。その苦しんできた年月を自分の血と肉に出来たか試練の一戦となる。
挑戦者宮澤は今年5月の次期挑戦者決定戦で、八田に勝利しての格闘技人生初タイトル戦。彫刻の様なヘラクレスボディとは裏腹に、静かに、強かに北方を研究・対策を練り、最後のコーストに現れる。
1R、ともにオーソドックス構え。いきなり左ジャブは北方。さらに詰めて左ストレート! ヒザを落とした宮澤にがぶりの北方。
動く宮澤は立ち上がる。前足の左ハイでジャブがわりは北方。さらに左から右で宮澤は後退! 跳びヒザで飛び込むがキャッチした宮澤は右で差して体を入れ替える。
スタンド、遠間の宮澤。右ハイの北方。さらに右の飛び込み。左右で近づくと右で差すのは宮澤。押し込まれた北方は小手に巻き、肩パンチ。ブザー。ジャッジ3者とも北方のラウンドに。
2R、スイッチを見せた北方だがオーソに戻す。右ローの宮澤は左から右の飛び込み。かわす北方は、レベルチェンジのフェイントから、右からジャンプしてスーパーマンパンチ。大きく飛び込む。ブロッキングの北方。左ジャブを刺す北方。右を返す宮澤は右ローも。チェックする北方。
ダブルレッグからバックに回る宮澤は背後から北方の右手首をロックして崩そうとする。正対する北方に左足を両足で挟み引き出す宮澤。足を抜き、正対から逆にバックを奪うのは北方。いったん足をかけて背中につこうとするが降りてボディロック。ジャッジ3者宮澤のラウンドに。
3R、近づき左右の細かいラッシュの北方に、首相撲を狙う宮澤。右ハイの北方だが、そこにカウンターのダブルレッグは宮澤。すぐに右足を挟む。しかし金網背に上体を立てた北方。離れ際にヒジ、右フックも。
宮澤の低い組みをがぶりスタンドバックを奪う北方。ボディロックをアームロックで剥がそうと狙う宮澤。正対際にシングルレッグから右を当てた北方! ここを逃さず一気に詰めて左右を振った北方がダウン奪い鉄槌! レフェリーが間に入った。
ケージに上がった3人の息子たちとのハグに北方は男泣き。ケージの中で再びベルトを巻いた北方は、「僕は真面目なんで、試合内容には反省しています。でもここからまだ強くなれる。初防衛から3回、4回、10回と防衛して、PANCRSEの歴史に残るチャンピオンになります。難病にかかってしまって、僕には頑張る理由があったんです。それは息子たち、応援してくれている人たち、稲垣組の仲間、治療してくれた人たち、周りの人たちのおかげでこういう結果になれたと思っているので、皆さんにほんとうに感謝しています。(「泣くな」の声に)泣いてないです(笑)。最後に(子供たちを向いて)絶体に……出来ないことや投げ出したくなることはあるけど、覚悟決めたらお前らだって何にだってなれるよ」とマイクで語った。
難病を乗り越え、初防衛に成功した北方大地。稲垣組の仲間と子供たちと。