▼第8試合 66.0kg契約 5分3R
〇鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)
[判定3-0]
×山本空良(パワーオブドリームジム)
鈴木はキックボクシングのKNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王者だが、元々はMMAファイターとしてパンクラス・ネオブラッド・トーナメント2018フライ級(56.7kg)で水谷健人、猿飛流、RIZINにも出場した杉山廣平を下し優勝。5勝2敗の戦績を残して体重超過がきっかけでMMAを離れ、2019年8月の『REBELS』でキックボクシングデビューすると、圧倒的な破壊力を誇るパンチで3連続KO。2020年2月のトーナメント準決勝で西岡蓮太に初黒星を喫したが、その後も怒涛の4連続KOを果たしている。7月のKNOCK OUTで宮越慶二郎を1Rわずか43秒でマットに沈め、5連続KOを飾ると共に初代KNOCK OUT-BLACK スーパーライト級王座決定トーナメントを制して王者となった。「判定なんてクソくらえ」とKO至上主義を貫く。戦績は10勝(8KO)1敗。 その鈴木が満を持してMMA復帰戦を9月のRIZINで行ったが、結果は昇侍に1Rわずか20秒でKO負け。手痛い洗礼を受けることとなった。
山本は元UWFインターナショナル、元キングダム、元リングスで元UFC-Jミドル級王者・山本喧一の次男。小学校5年生の時に父親のジムに子供が入会したのをきっかけに総合格闘技の練習を始める。アマチュアでは2017年10月のPFCフェザー級トーナメント優勝、12月にはRIZINアマチュアMMAフェザー級優勝。2018年5月の『ZST/SWAT165』で須貝秋彦相手にプロデビュー戦を果たし、1Rに三角絞めで一本勝ち。2戦目となった8月のZSTでは松本大輔に1Rフロントチョークを極め2試合連続1R一本勝ちを収めた。
その後は勝ち負けを繰り返したが、2019年7月から3連勝を飾ると今年4月のFightingNEXUS初代フェザー級王者決定トーナメント決勝で須貝秋彦と再戦し、右ハイキックをヒットさせ1R40秒TKO勝利、そして初代フェザー級王者に輝いた。今年10月のRoadtoONEでは野尻定由に判定勝ちを収め現在5連勝と勢いに乗っている。幼い頃からの練習仲間である現・修斗世界王者の西川大和と今でも切磋琢磨して練習に励んでいる。
1R、ともにオーソドックス構え。慎重な出足。先に右ローは山本。鈴木も左右ローで牽制する。右の蹴りのフェイントは鈴木。右の山本の蹴りを掴んで軸足を払う。立つ山本。遠間から右カーフ狙いの鈴木。さらに左インローも軽く。次は強めのインローから左ハイ。ブロックする山本。
右ローを当てる鈴木。山本の飛び込みに残す鈴木は左で差して体を入れ替える。小外がけの山本に残す鈴木はヒザ蹴り。しかし山本もヒザを返すと、崩し際でバックへ。右足をかけて鈴木の右足を伸ばしてリアネイキドチョークへ。腰をずらした鈴木は正対。ガードを取ってゴング。
2R、遠間から左ローは鈴木。山本は左前蹴り! しかし鈴木が右ストレートを当てると山本は嫌って組みに。それを剥がして鈴木は右フック! 腰を落とした山本はガードに。
付き合わない鈴木。ブレークでスタンドへ。ジャブの付き合い。「休ませるな」の声に、慎重になる鈴木。右カーフキックは鈴木。山本もワンツスリーと前に出るが、打ち返しを警戒。左ハイをかわす鈴木は右ロー。山本も右ロー。山本の左ハイをかわして右ローを当てる山本。徐々に圧力をかける鈴木は右ローで負うと、山本の左に右ストレート! しかし左腕をオーバーフックの山本は引き込んで腕十字を狙う。
3R、左ジャブを突く鈴木。さらに左ロー。四つに組んで左で差す山本。ダブルレッグも差し上げる鈴木は四つに。金網背に押し戻す鈴木は右ヒジ。山本は足を触り、その次はフェイントから右ハイを狙う。大きな左右に鈴木は右を打ち返しも山本も避ける。右前蹴りを突く山本と鈴木の左フックが交錯しゴング。
判定は3-0で鈴木が勝利。2Rに決定打を取った鈴木は最終ラウンドをムエタイの5Rのように逃げ切り、RIZIN初勝利を挙げた。
試合後、鈴木はケージの中で、「クロスポイント吉祥寺、KNOCKOUTチャンピオンの鈴木千裕です。知ってもらえるきっかけは何でもいまからでも全然いいんで。これをきっかけにしてください。沖縄でセコンドの渡慶次先輩が負けてしまい、僕が止めました。次は渡慶次さんの番です。前回、負けてすごく悔しかったです。今回、昇侍さん、負けんじゃねーぞ。以上、今日は応援ありがとうございました」と語ると、最後に「マイクを使わずに後ろの席まで届けるので、応援ありがとうございました!」と、マイクなしで大きな声で四方に語った。