キックボクシング
レポート

【RISE】GLORY世界王者強し、原口健飛にペットパノムルンが圧勝。鈴木真彦が江幡塁を初回KO、YA-MANが大激闘で中村寛に勝利、大雅は梅野源治に完勝

2021/11/14 15:11

▼第12試合 ライト級(-63kg) 3分3R延長1R
×中村 寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK -60kg王者)
判定0-3 ※28-29×3
〇YA-MAN(TARGET SHIBUYA/同級7位)


 中村は野性味あふれるファイトスタイルから、“人獣”とも評される23歳。日本拳法仕込みのサウスポーから放たれる破壊力抜群の右ストレートを武器に、2019年6月のRIZINで元RISEフェザー級王者・一刀を相手に壮絶な2RKO勝利を収め、一気に注目株となった。2019年7月にRyuki戦でプロ初黒星を喫し、2020年7月の復帰戦でも判定負けとなったが、11月のRISEで魚井フルスイングを初回KOして復活の狼煙をあげた。今年7月には記者会見で乱闘騒ぎを起こした大雅と因縁の対決を行い、ハイキックでダウンを奪っての判定勝ちを収めている。戦績は10勝(9KO)3敗。第6代DEEP☆KICK -60kg王者。


 YA-MANは第4代RISEバンタム級・宮城大樹(Dyki)の弟子で、2018年2月にRISEでプロデビュー。2018年RISING ROOKIES CUPではフェザー級で準優勝。頭角を表したのは5月からオープンフィンガーグローブマッチが試験的に導入されてからで、5月に山口侑馬を2RでKOすると、9月大会では格上のRISEライト級2位・北井智大にも1Rわずか43秒でKO勝ちを飾った。戦績は8勝(3KO)3敗。RISEライト級7位。


 1R開始と同時にフルスイングの左右フックで打ち合いとなり、YA-MANが左フックでダウンを奪う。すぐにラッシュを仕掛けるYA-MANに中村はグラつくが負けじと打ち返す。YA-MANの左フックにグラつく中村だがしがみついてダウンは逃れる。それでも打ち返そうとする中村だが、YA-MANの左右フックを浴び続ける。さらにヒザ蹴り。フラフラの中村にヒザを突き刺すYA-MAN。左フックから右ストレートを直撃させるYA-MANだが、中村は倒れない。クリンチしてこのラウンドを中村はしのいだ。


 2R、YA-MANが攻め込み、中村も打ち返す。YA-MANの右ストレートにのけ反る中村だが、左ロー、右ボディを打ち返す。中村は右カーフを狙い撃ち、さらに左フックを強打。YA-MANの手が出なくなる。右ミドルを蹴るYA-MANはヒザ蹴り、左右フック。すると中村がフルスイングの左右フックで逆襲。YA-MANはワンツーをヒットさせる。そしてまたもフックの打ち合い。大いに盛り上がる場内。


 3R、両者足を止めての打ち合いを見せる中、中村は笑顔を浮かべてノーガードになってYA-MANに打たせる。中村のヒザ蹴りがボディに突き刺さる。YA-MANも右ミドルを蹴り、中村は逆転を狙って飛びヒザ蹴り。中村はクリンチになるとスープレックスのようにYA-MANを投げる。立ち上がったYA-MANは絶叫して殴りかかる。


 試合終了のゴングが鳴ると、両者笑顔で抱き合う。満足した殴り合いが出来たのか、YA-MANは嬉しそう。判定は3-0でYA-MANの勝利となり、オープンフィンガーグローブマッチだけの選手ではないことを証明した。


 マイクを持ったYA-MANは「中村選手、ありがとうございました。最高の試合が出来ました。あとこの場を借りて自分のお母さんに感謝を述べたい。お母さん、育ててくれてありがとうございます。自分の家庭はけっこう複雑で、お父さんはポン中で刑務所行ってて、おじいちゃんとおばあちゃんも養育費持ってどっか行っちゃうし。こうやってオープンフィンガーで1日で人生は変えられるので、この中に俺不幸だなって人がいたら、自分でしか自分の道を切り開けないので自分で切り開いていってください。お母さん、ありがとうございます」とのメッセージを、フラフラになりながら語った。

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